フリッツル事件の動機を探る

ヨーゼフ・フリッツルの生い立ち

ヨーゼフ・フリッツルの生い立ち

フリッツル事件のような異常な事件には、犯人の生い立ちなどが深くかかわることがあります。このような異常な人格はどこから生まれたものなのでしょう。

ヨーゼフ・フリッツルは、1935年4月9日にアムシュテッテンで生まれています。父親であるヨーゼフ・フリッツル・シニアは、ヨーゼフが4歳の時に家族を捨てて出ていき、2度と会うことはありませんでした。後に第二次世界大戦で1944年に戦死していることが判明しています。

そのため、ヨーゼフは仕事を持つ母親マリア・フリッツルの一人っ子として育てられます。

HTL工科大学で電子工学を習得した後、リンツの鉄鋼会社で働きます。1956年にロゼマリアと結婚。

ヨーゼフの犯罪歴

ヨーゼフの犯罪歴

1967年に既婚の看護師の喉にナイフをあてて脅しながら強姦し、次に21歳の女性も強姦しようとして未遂に終わりました。その後逮捕され、懲役18カ月の判決を受けました。

ヨーゼフ・フリッツルは反社会的性格

ヨーゼフ・フリッツルは反社会的性格

生い立ちからも伺えますが、父親が4歳でいなくなっていることや、母子家庭ということが犯罪者の顔を作る引き金になっているかもしれません。しかし生まれつき犯罪者の要因を持ってくる人間もいるようです。

どちらが正しいということはわかっていませんが、ヨーゼフ・フリッツルは間違いなく反社会的性格と言えるでしょう。そしてフリッツル事件の動機ではないでしょうか。

ヨーゼフ・フリッツルは、2009年3月19日に15年間の仮釈放を認めない終身刑となり、ヨーゼフ自身も罪を認めて控訴はしていないようです。

現在はオーバーエスターライヒ州にあるガルステン刑務所の、精神疾患犯罪者専用の特別区画に収監されているということです。

被害者であるエリーザベトや6人の子供のその後や現在は?

様々な病気の治療で長期入院が必要

様々な病気の治療で長期入院が必要

エリーザベトさんと6人の子共、そして母親のロゼマリアさんは、警察に保護ざれた後地元の病院に入院し、外の世界から守られて肉体的、精神的な治療を受けました。

地下に監禁されていたエリーザベトさんと3人の子供たちは、日光に浴びる機会が奪われていたため、とても顔色が悪く日差しに耐えられない様子でした。またビタミンD欠乏症で貧血だったそうです。

免疫にも異常が見られ、未発達であることも判明。家族は数か月の入院治療が必要で、エリーザベトさんと最後まで地下にいた子供2人は、光に慣れるために更に治療が必要であると判断されました。

24年間の監禁場所がコンクリートで埋め立て

24年間の監禁場所がコンクリートで埋め立て

2008年5月、入院しているエリーザベトさんと家族が作ったポスターが役場に掲示され、町民の方への感謝の言葉を綴っていたということ。

2006年6月にはケルスティンさんが家族と合流し、昏睡状態から目覚め完全に回復したことが知らされています。

2008年6月21日には、24年間監禁場所となっていた地下室が、コンクリートで埋められる作業に入りました。

「私たち家族全員は、私たちの運命へのあなたたちの同情に対して感謝をしたいです」
「あなたたちの慈悲は私たちが難しい状況を克服するのに大きな力になっています。そして、ここには私たちのことを本当に心配してくれる親切で正直な人がたくさんいることが分かりました。私たちは、私たちがすぐに通常の生活に戻れる道が見つかることを願っています」
裁判後のエリーザベトと子供達

裁判後のエリーザベトと子供達

裁判後、エリーザベトさんと6人の子供たちは、オーストリア北部にある小さな村に移り住み、静かに暮らしているそうです。

地下暮らしをしていなかった3人の子供たちは、エリーザベトさんから捨てられたという話が嘘だったことや、母親のエリーザベトさんや他の3人の子供たちが祖父だと思っていたヨーゼフから虐待を受けていたことなどを、初めて知った衝撃は計り知れないものでしょう。

また、近親相姦で生まれていることから、子供たちには共通の遺伝的疾患がありました。そのため医療的な治療や精神的な治療を今後も受けていくこととなります。

そしてエリーザベトさんも、24年間の過酷な環境で生活したために患ったPTSDの治療も長く続くこととなります。

被害者たちの現在

被害者たちの現在

エリーザベトさんと母親のロゼマリアさんの仲は、エリーザベトさんの心が未だ開くことはありませんが、階上で育てられた3人の子供たちとの定期的な接見は認めているということです。

2009年6月には、エリーザベトさんがボディガードを務めていたトーマス・Wさんと一緒に住んでいることが、オーストリアの新聞で発表されています。

フリッツル事件の詳細【まとめ】

・エリーザベトさんは1966年にヨーゼフ・フリッツルの子供として生まれ、11歳の頃からヨーゼフに虐待されていた。

・ヨーゼフは1984年から24年間エリーザベトさんを自宅の地下室に監禁し、3日に1回食料を補給し性的虐待をくわえていた。

・エリーザベトさんはヨーゼフとの子供を7人出産しており、長女が重い病気で入院を余儀なくされた際に、不審に思った医師が通報したことでエリーザベトさんの失踪事件が再捜査されることとなった。

・エリーザベトさんが病院に行きたいと懇願したことで、エリーザベトさんや子供たちは解放され、ヨーゼフと病院にいるところを警察に連行された。

・ヨーゼフは不法監禁、近親相姦等、強姦、過失致死などの疑いで逮捕され、終身刑の判決を受けている。

・エリーザベトさんや子供たちはその後入院や治療が必要になったが、裁判後はオーストラリアの小さな村で静かに暮らしている。

フリッツル事件について詳細をまとめてきました。その概要は凄惨なもので、24年間の監禁生活と近親相姦によって7人もの子供を出産させられたエリーザベトさんの心中は計り知れないものでした。現在は寄り添える男性と一緒に暮らしているということですが、一日も早く心身が回復することを願うばかりです。

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