エボラ出血熱には独自の症状がない

エボラ出血熱には独自の症状がない

エボラ出血熱は突発的に症状が出ます。最初は発熱や全身の倦怠感、そして、頭痛・筋肉痛・関節痛などの症状が現れます。また、下痢や嘔吐や腹痛、結膜炎などを発症して継続します。

エボラ出血熱には独自の症状が見られません。そのため最初はデング熱やコンゴ出血熱、ラッサ熱のような症状と似ているということ。

出血症状は一部の人だけ

出血症状は一部の人だけ

患者の多くは脱水症状が起こり、それと共に怪我をして出血すると血が固まる症状が血管内で起こる、播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)による多臓器不全で死亡します。

しかし、よく映画で見るシーンのような、体中から出血して壮絶な死を遂げる症例は少ないということ。

体内の臓器が融解して機能不全に

体内の臓器が融解して機能不全に

1976年に起こったスーダンのヤンブク村での流行の時に、看病をしていた修道女が患者の血を浴びて感染。隣町のキンシャサの病院へ行ったときは既に危篤状態でしたが、細胞診をした医師は「すでに死んでいる」と語っていたそうです。

体内の臓器は殆ど融解していて、死者の体内を見ているみたいだったとうことでした。

潜伏期間は2日から3週間

潜伏期間は2日から3週間

エボラウィルスの潜伏期間は最短2日から最長3週間で、潜伏中はコロナウィルスのような感染力はないということ。しかし、発病した途端に感染力が出ます。

また、注射針の共有による感染の場合は潜伏期間が短く、接触感染の場合は長くなる傾向にあるようです。

エボラ出血熱の治療法は?現在まで完全に有効な薬はない

エボラ出血熱に有用な治療薬は確立されていない

エボラ出血熱に有用な治療薬は確立されていない

2020年の段階で、エボラ出血熱に対する様々なワクチンが開発されていますが、完全に有効な薬は確立されていません。

症状1つ1つに対しての医薬品では、脱水に対する点滴、痛みに対しては鎮痛剤、播種性血管内凝固症候群に対しては抗凝固薬を投与するなど、ウィルスに対してではなく症状に対して効果のある治療が行われるのみ。

回復した患者の血液が有効

回復した患者の血液が有効

1995年のコンゴでの流行では、回復した患者8人の血液を採取し、その血清を感染者に輸血したところ、7人が回復しました。

2014年の西アフリカエボラ出血熱流行の時にも、感染した医師達に血清を投与しました。そのため、WHOでは「回復した患者の血液や血清を有効な治療方法」と認定し、早急に試すように勧告しました。

どんな型のエボラウィルスにも対応可能な薬剤が開発される

どんな型のエボラウィルスにも対応可能な薬剤が開発される

2010年5月には、米国ボストン大学のウィルス学者トーマス・ガイスバートのエボラ研究チームが、人に対して最も病原性が強く致死率が90%というザイール株を、中国のアカゲザルに感染させ治療を施したところ、成功したということをランセット誌で発表しました。

その研究内容は以下の通りです。

Lタンパク質の生成を阻害

Lタンパク質の生成を阻害

エボラウィルスの促進を生成するのに必要なたんぱく質であるLタンパクを標的とし、自己複製能力を抑制させてウィルスが体内で増えることを抑えることを目的とした研究でした。

この薬剤は「siRNA剤」という治療薬で、特定のエボラウィルスに合わせて短時間で生成することが可能なため、新しい型のエボラウィルスが現れてもすぐに対応が可能ということでした。

ヒトへの有用性確認できず

ヒトへの有用性確認できず

しかし、この治療薬がヒトに対してどんな効果があるのかは証明されておらず、臨床試験には莫大な金がかかることから、製薬会社各社では二の足を踏んでいたということ。

また、エボラウィルスは現在流行しているコロナウィルスやインフルエンザウィルスとは違い、市場規模が小さいため開発するほどの魅力がないとしています。

結局この研究がヒトに有用であるかは確認できていません。

コロナウィルスで話題騒然の「アビガン」が注目

コロナウィルスで話題騒然の「アビガン」が注目

現在流行中のコロナウィルスの試薬として注目されている富士化学工業が開発した「アビガン」は、インフルエンザ治療薬の「ファビピラビル」というウィルス酵素の阻害薬で、マウス試験でもエボラウィルスを排除する効果が認められています。

現在、富士フィルムのアメリカの提携先であるメディベクターが、エボラ出血熱の治療薬として使用できるよう、アメリカ食品医薬品局と協議中とのこと。

HIVの治療薬「ラミブジン」も有効

HIVの治療薬「ラミブジン」も有効

こちらもコロナウィルスに有効とされている抗ウィルス薬の「ラミブジン」ですが、主にHIV患者に用いられている薬です。

2014年9月、リベリアの医師によりエボラ出血熱の併用療法として用いられ、内臓損傷に効く抗生物質と同時投与したところ、15人のエボラ患者のうち13人が回復したという成功事例があります。

エボラ出血熱の感染経路と予防

コロナウィルスよりも予防できる確率が高い

コロナウィルスよりも予防できる確率が高い

エボラには2つの株があり、フィリピンで発見されたレストン株と、アフリカで発見されたエボラ株です。

レストン株は主にサルに感染し、空気感染することが確認されていますが、ヒトには感染しない株と言われています。(確証はありません)

アフリカのエボラは、コウモリやネズミなどの齧歯類やオランウータンのような霊長類が宿主だろうと言われており、空気感染はしなく人との親密な接触により感染します。

例えば、感染者の看病をしているときに咳をして出た体液や、糞便などに入り込んでいるため、防護服や手袋などが必要不可欠になります。また、感染者が触ったもの、ドアノブ・食品なども直接触れると感染が広がる恐れも。

現在のコロナウィルスのような防護策をとっていれば、感染拡大はしないということになります。良く言えば、コロナウィルスのように潜伏期間から感染することがないため、エボラウィルスの方が感染予防が簡単ということになりますね。

そうは言っても、仮に日本にエボラウィルスが入り込んできた場合は、未知のウィルスであるため対処が解らなく感染してしまう場合もあります。

そのため、未知のウィルスはそこら中に存在していると考え、日頃から手洗い・うがい・消毒などの衛生管理をやっておくことが大切ではないでしょうか。

「エボラ出血熱」の原因と症状や感染経路【まとめ】

・エボラ出血熱は1976年に南スーダンで初めて確認され、その後もアフリカで10回流行し現在も終息宣言は出されていない。

・エボラ出血熱は2014年に大流行したが日本では感染者は出ていない。

・エボラ出血熱はサルを食べたことで人間に感染したと報道されており、空気感染はしない。

・エボラウィルスの潜伏期間は最短2日から最長3週間で突発的に症状が出る。

・エボラ出血熱に有用な治療薬は確立されていないが「アビガン」や「ラミブジン」などが注目されており、防護策をとれば予防することも可能。

殺人ウィルスと言われるエボラ出血熱について紹介してきましたが、現在もまだ収束はしていない状況です。

世の中にはまだまだ未知のウィルスが存在し、現在も中国の武漢で発生したコロナウィルスが世界中で蔓延し、パンデミック状態になっています。

確かにエボラウィルスは致死率が異常なほど高く、罹ってしまうと非常に危険なウィルスです。しかし、感染経路はコロナウィルスよりも単純ですので、衛生管理をきちんとやっていれば防げる病気ではないでしょうか。

現在、日本中で恐れられているコロナウィルスを防ぐことの方が大変なようですね。

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