犯人と名乗る人物から新聞社に電話が

犯人と名乗る人物から新聞社に電話が

この事件を「ブラック・ダリア事件」と名付け、スクープ記事を争ってメディアでは報道合戦が繰り広げられます。

事件発生から6日後の1947年1月21日、新聞社のロサンゼルス・イグザミナーの編集者であるジェームズ・リチャードソンの事務所に、エリザベス・ショート殺害の犯人と名乗る人物から電話が来ます。

次いでエリザベス・ショートの所持品が届く

次いでエリザベス・ショートの所持品が届く

電話の主はリチャードソンの報道に対して祝福し、「いずれは自首するつもりだが、警察による追及がさらに及ぶ前には自主しないつもりだ」と語っていました。そして、「ベス・ショートの形見が郵送されるのを期待しろ」とも発言。

1月24日にマニラ紙の封筒がロサンゼルス・イグザミナーに届き「ダリアの所持品在中」と書かれていました。中にはエリザベス・ショートの出生証明書、写真、名前の書かれた紙片、仕事用の名刺、表紙にマーク・ハンセン (Mark Hansen) という名前の住所録が入っていました。

封筒は遺体同様ガソリンで洗浄

封筒は遺体同様ガソリンで洗浄

封筒はエリザベスの遺体同様、ガソリンで丁寧に洗浄されており、このことから犯人が送ったものであると疑っていました。そして同じ日に、エリザベスのハンドバッグと黒いスエードの靴が、遺体発見現場の3.2キロメート離れた小道のゴミ箱の上で発見されました。

被疑者の尋問

最初の被疑者は地元の有力者であるマーク・ハンセン

最初の被疑者は地元の有力者であるマーク・ハンセン

警察は、封筒の中の住所録の持ち主であるマーク・ハンセンを疑いました。マークは地元では裕福な企業主で、ナイトクラブや劇場などを経営していました。

エリザベスは友人と共にマークの自宅によく遊びに行っていたということです。また、マークはエリザベスに関係を迫っていたそうで、エリザベスはそれを拒否していたということ。

これは殺害の動機になると断定し尋問しましたが、逮捕には至りませんでした。

次の容疑者は生きているエリザベスと最後に会った一人であるマンリー

次の容疑者は生きているエリザベスと最後に会った一人であるマンリー

次に容疑者に挙がったのは、生きているエリザベス・ショートと最後に会っていたロバート・M・"レッド"・マンリーでした。

マンリーはポリグラフ(嘘発見器)にかけられましたが、パスして容疑が晴れました。マンリーはその後もこの事件では苦しめられることとなります。

その後マーティン・ルイスという男性も被疑者として挙がりますが、殺害された日は義父が危篤状態のため、オレゴン州ポートランドに行っていたため、アリバイが成立しています。

真犯人はジャック・アンダーソン・ウィルソン?しかし・・・

真犯人はジャック・アンダーソン・ウィルソン?しかし・・・

捜査本部に犯人を知っているというタレコミがあり、録音していました。その内容は、誰も知りえない事件の詳細を事細かに知っている様子でした。

エリザベスは膣は発育不全だったため、性交ができないことまで知っていたのです。その男は「アーノルド・スミス」と名乗っていましたが、実際はジャック・アンダーソン・ウィルソンという男だったことが判明。

ジャック・アンダーソン・ウィルソンは、ジョーゼット・バウアドーフ殺しの容疑者でもあったのです。早速参考人として呼び出そうとしましたが、寝たばこが原因の火災で焼死したということ。誠に残念です。

ブラック・ダリア事件の真相は闇の中

あまりにも注目され過ぎた事件で真相が隠れてしまった

あまりにも注目され過ぎた事件で真相が隠れてしまった

ブラック・ダリア事件はメディアや世間から注目され過ぎて、捜査をかなり複雑にしてしまい、結局真犯人を捕まえることができず、迷宮入りの事件となってしまいました。

時間の経過で忘れ去られるどころか、エリザベスについては膣が異形成で性交は無理だった、レズビアンだった、売春婦だったなど、ほぼ事実とはかけ離れた噂が飛び交い、伝説的な事件と化してしまいました。

「ブラック・ダリア」の著書で一番信憑性のある、ジョン・ギルモアの著者『切断』にしても、「25%は誤り、50%は創作」と、ロサンゼルス・タイムズの原稿整理編集者だったラリー・ハーニッシュが語っていました。

ブラック・ダリア事件の関連映画を紹介

惨殺 !! ブラック・ダリア 世界でいちばん有名な死体の真実

惨殺 !! ブラック・ダリア 世界でいちばん有名な死体の真実

ブラック・ダリア事件を直接担当した捜査官や新聞記者など、実在する人物の証言映像を挿入した、ドキュメンタリー映画です。この事件を描いた本『切断』の著者であるジョン・ギルモアも登場しています。

1999年公開
キャスト:ジェイミー・リン・ハインズ、ロバート・ロッジ、メリッサ・バーバイ、エリカ・リジオ、ジョン・ギルモア

「惨殺!!ブラック・ダリア Black Dahlia」予告編 - YouTube

出典:YouTube

ブラック・ダリア キラー

ブラック・ダリア キラー

ブラック・ダリア事件から半世紀後に、同じような事件が起こり、新人刑事が捜査するというストーリーとなっています。

2006年公開
キャスト:エリッサ・ダウリング, サットン・クリストファー, クリスチャン・ベーム

ブラック・ダリア

ブラック・ダリア

ブラック・ダリア事件を基に描いた、ジェイムズ・エルロイ原作、ブライアン・デ・パルマ監督が描く本事件の復習的な映画です。ジョシュ・ハートネットやスカーレット・ヨハンソンといったキャストが豪華。

2006年公開
キャスト:ヒラリー・スワンク, アーロン・エッカート, ミア・カーシュナー他

映画 ブラック・ダリア 予告編 - YouTube

出典:YouTube

ブラック・ダリア事件の真相~犯人や関連映画【まとめ】

・「ブラック・ダリア事件」は1947年にアメリカで当時22歳のエリザベス・ショートという女性が身体を腰から半分に切断された状態で殺された事件。

・エリザベス・ショートは女優志望のウェイトレスで、ブラックダリアというニックネームで呼ばれていたといい、足取りが分からなくなってから6日後に遺体で発見された。

・エリザベス・ショートの死因は、口を裂かれた時の裂傷の出血と頭や顔への殴打によるショックと断定されている。

・被疑者として数名の名前があがるも逮捕には至らず、事件は迷宮入りとなった。

ブラック・ダリア事件の真相や犯人、概要などをまとめてきました。この事件はアメリカ史上最も残忍な事件と評されて、エリザベス・ショートについて書かれた著書やドラマ・映画などが多数制作されています。現在彼女の遺体は、カリフォルニア州オークランドのマウンテン・ビュー共同墓地に埋葬されているということ。

この事件によりカリフォルニア州は、性犯罪者の登録を義務付けた最初のアメリカの州となっています。

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