アンドレイ・チカチーロの生い立ちとプロフィール

プロフィール

プロフィール

本名:アンドレイ・ロマノヴィチ・チカチーロ
呼び名:ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔、ロシアの死神、ロシアの食屍鬼
生年月日:1936年10月16日
出身地:ソビエト連邦ウクライナ共和国スムスカヤ州ヤブロチュノア村
没年月日:1994年2月14日(57歳)
没地:ロシア ロストフ・ナ・ドヌ刑務所内
家族:配偶者、娘、息子
犠牲者数:52人
犯行期間:1978年12月22日~1990年11月20日

貧しい集団農作業員の家庭に生まれる

貧しい集団農作業員の家庭に生まれる

アンドレイ・チカチーロは、集団農作業員であった両親の元に生まれました。当時の家族は一部屋しかない小屋に住んでおり、貧しくいつも飢餓状態であったということ。

そのため、12歳までパンを口にしたことがなかったと本人は語っていました。また母親はアンドレイ・チカチーロが幼い頃、「上にはステパンという兄がいたが、4歳の時に飢えた隣人に誘拐され、食料として食べられた」と何度となく話しており、そのことが後々まで頭に残り、人格形成に大きな影響を与えたことを語っていました。

幼少期から若干水頭症だった

幼少期から若干水頭症だった

更に、父親は優しかったが母親は厳格で厳しく、父親が戦争に出兵していた時は毎晩おねしょをし、母親に叱られて叩かれたということ。しかし、全てチカチーロの言葉で、どこまでが真実なのかはわかっていません。

チカチーロの逮捕後に脳の検査を受けた時は、脳波に異常が見られ「若干水頭症」だったことがわかっています。学校に入学すると、憶病な性格と華奢な体型から、他の子供たちからいじめの対象となっていました。そして、栄養不良のため、何度も気を失って倒れていたそうです。

優秀な成績で高校を卒業

優秀な成績で高校を卒業

10代の頃は学校で模範的な生徒で共産主義者となっています。また、成績優秀なため学校新聞の編集者に抜擢され、その後共産党委員会の委員長に任命されています。

共産党機関紙の『プラウダ』を解説する「政治情報宣伝委員」を任されていたことも。自身では記憶力が悪く頭痛もちであることから、勉強をすることが容易ではなかったと語っていましたが、低所得者層の集団農場では唯一、優秀な成績で卒業しています。

女性の抵抗する姿に興奮を覚える

女性の抵抗する姿に興奮を覚える

その後10代後半では、大柄なたくましい青年に成長しましたが、インポテンツであることに気付き、内向的な性格から自己嫌悪に陥ってしまうことに。

学校新聞で知り合ったリリア・バリシェバという女性が初恋の相手でしたが、2人だけになることが怖くてデートに誘うことはありませんでした。

一方で、アンドレイ・チカチーロの11歳の妹の友人を襲って、抑えつけながら相手がもがいている姿を見てマスターベーションをし、射精をするという行為をしています。

その頃には女性とのセックスは無理だと思い込み、異常な自慰行為に耽るようになったと言います。

高校卒業後にモスクワ大学の奨学生に応募しますが、不合格となり大学進学をあきらめてクルクスへ旅行しながら働き、1955年に通信技術者の専門学校に入学。

その後2年間の間に、チカチーロは女性と交際していますが、普通の性行為では上手く勃起しなく、女性が抵抗したりもがいたりすることで勃起することを知ります。

1963年に結婚

1963年に結婚

1957年から1960年にかけて兵役に就き、兵役終了直前の1960年に共産党に入党。その後チカチーロは故郷に戻り、離婚歴のある女性と交際するも、勃起しないことがわかると破局します。そのことで故郷ではチカチーロがインポテンツであることが知れ渡り、故郷から離れることを考えます。

それから数か月後にロストフ・オン・ドンで通信技術者として働きます。1963年に妹の紹介でフェオドシア・オドナチェヴァという女性と結婚。しかし性生活は上手くいかず、子供を作る手段として膣外射精で出した精液を、彼女の膣に押し込んで妊娠させるという手段を取りました。

教職に就いてから異常な性行動に目覚める

教職に就いてから異常な性行動に目覚める

その甲斐あって1965年には娘リュドミラ、1969年には息子ユーリーを儲けています。1964年にロストフ大学の通信制に入学し、1970年にロシア文学と言語学の学位を取得して教師となります。

しかし、この就職がきっかけで彼の異常な性行動が加速していきます。

男女問わず生徒に猥褻行為をするように

男女問わず生徒に猥褻行為をするように

アンドレイ・チカチーロは小学校に教頭職待遇で雇われますが、教師としての資質に欠けており、生徒に教えることが出来なく、ほどなく解任されました。

その後職業訓練校の教職に就きますが、低学年を対象として猥褻行為をし、女子生徒に限らず男子生徒にまで手を出すようになっています。

この噂はたちまち学校中に広がり、生徒から好奇の目で見られ襲われたことがきっかけで、ジャックナイフを携帯するようになりました。このナイフが後の連続殺人で使われることとなります。

アンドレイ・チカチーロの事件詳細

最初の殺害現場メジェビイレーンの26番の廃屋

最初の殺害現場メジェビイレーンの26番の廃屋

1978年12月22日、アンドレ―・チカチーロの最初の殺人事件が起こります。ロストフ・ナ・ドヌ近くの町で炭鉱業専門学校に勤務となったチカチーロは、9歳の少女レーナ・ザコトノワを強姦しようとしますが勃起せず少女の首を絞めて意識を失わせると、再び性行為に及びます。

しかし、少女が息を吹き返したため驚いたチカチーロは、性器をナイフで何度も刺し、殺害に至りました。その行為に興奮したチカチーロはオーガズムに達し射精します。

レーナ・ザコトノワを殺害した現場が写真の廃屋でした。

遺体を遺棄したグルシェフスキー橋

遺体を遺棄したグルシェフスキー橋

同年12月24日にレーナ・ザコトノヴァの遺体がグルシェフスキー橋で発見されました。

この事件ではアレクサンドル・クラフチェンコと言う男性が殺害容疑で逮捕されました。彼にはアリバイがありましたが、警察の厳しい尋問に屈し容疑を認める供述をしました。

その後アレクサンドル・クラフチェンコは、1983年に銃殺刑に処せられています。

1984年までに21人を殺害

1984年までに21人を殺害

最初の殺人から3年間、アンドレイ・チカチーロは事件を起こしていませんでした。しかし1982年から再び犯行が始まり、1983年9月までに3人の女子供を含む4人を殺害。

その後1983年には合計6人を殺害、1984年には15人の殺人を犯していました。この事件の時、アンドレイ・チカチーロは、ロストフネルード国営工場で上級技師として働いていたということ。仕事柄長期出張が多く、チカチーロも様々な地域に出張し、それを理由にあちこちで犯行を繰り返していたとされています。

彼の犯罪で一貫していたのは、犯行時に両目を覆うということでした。その訳は「殺された者は、自分を殺した者をその瞳に焼き付ける」というロシアのことわざにあったようです。

7人目の犠牲者イリーナ・カラベルニコワの記念碑

7人目の犠牲者イリーナ・カラベルニコワの記念碑

この写真は7人目の犠牲者であるイリーナ・カラベルニコワの記念碑(1963年11月8日~1982年9月12日)で、その場所は殺人現場で父親によって建てられました。

アンドレイ・チカチーロは1978年から1985年までの7年間で34人を殺害し、その後1987年5月16日の35人目の犯行までおよそ2年間は静かにしていたようです。

その間、ゴルバチョフ政権の元で推進されていたグラスノスチによる情報公開が成され、連続殺人事件の全容が一般に公表され警察の捜査も一新してKGBが捜査を担当、民間からの情報にも頼るようになったのです。

1987年5月から1990年11月まで19人を殺害

1987年5月から1990年11月まで19人を殺害

そんな中、アンドレイ・チカチーロもボランティアとして捜査に協力していたようでした。しかし同年の5月16日に犯行が再開、ロストフから遠く離れた地域で1990年11月までに男女19人を殺害しています。

アンドレイ・チカチーロの逮捕と裁判

1990年11月20日逮捕

1990年11月20日逮捕

以前から警察ではアンドレイ・チカチーロに目をつけており、1990年11月6日の最後の犠牲者となった22歳のスヴェータ・コロスティックが殺害された時に、顔に返り血を付けたまま歩いているチカチーロを警察が発見。

逮捕された時のチカチーロの自宅

逮捕された時のチカチーロの自宅

警察の調べで犯行日時と出張記録が完全に一致し、11月20日に自宅にいるアンドレイ・チカチーロの逮捕に至ります。この写真はチカチーロが逮捕された自宅です。

警察は犯行を認めさせる作戦に出た

警察は犯行を認めさせる作戦に出た

アンドレイ・チカチーロの取り調べが始まり、KGBのコストイェフ大佐が主に担当しました。チカチーロは逮捕当初指を怪我しており、その怪我は仕事で負ったものと主張していました。

しかし、医療検査官は何者かの噛み傷だと結論付けました。なかなか犯行を認めないチカチーロに、尋問官たちはチカチーロが病気で犯行を繰り返したとする供述に導くように仕向けたのです。

関連するキーワード

関連するまとめ

グエンの名前・苗字がベトナム人に多い理由!その割合や歴史・漢字もまとめ

ベトナム人の名前について、「グエン」という苗字が1番多いと言われています。また、ベトナム人のグエンの苗字の割…

cyann3 / 74 view

レプティリアンの正体や真実!特徴と見分け方など総まとめ

「ヒト型爬虫類」とも言われ、多くの人の想像をかきたてている未知の存在である「レプティリアン」。この記事では、…

kent.n / 127 view

イラク戦争の原因や死者数!間違いによる侵略でアメリカに責任?日本の対応・株価への影響…

多くの犠牲者を出したイラク戦争。この戦争はアメリカの強硬な姿勢も原因となっていて、最終的には「間違い」による…

aquanaut369 / 79 view

ゼレンスキー大統領のコメディアン時代と“股間ピアノ”の持ちネタまとめ【動画あり】

ロシアに一歩も怯まず、「どんなことがあっても母国を守り抜く」という覚悟を、ウクライナ国民のみならず、全世界に…

passpi / 134 view

ルーマニア女子大生殺人事件の真相&犯人の現在!ブラッド・ニコラエが益野友利香さんを殺…

2012年8月15日、兵庫県宝塚出身の女子大生である益野友利香さんが、ルーマニアで殺害され金品を奪われた事件…

Mrsjunko / 326 view

レーガン大統領暗殺未遂事件の犯人と現在!死者とSP・裁判判決やその後を総まとめ

1981年3月に暗殺未遂事件に巻き込まれたレーガン大統領。この事件はなぜ起こってしまったのでしょうか?今回は…

aquanaut369 / 76 view

椅子に座り続ける男の元ネタはシリア内戦!写真と動画の見方・検索してはいけない理由も総…

椅子に座り続ける男を検索すると、「検索してはいけない」という複合ワードが出てきます。その理由は何でしょう。元…

Mrsjunko / 455 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

サミュエル・リトルの生い立ち!事件の動機や被害者の似顔絵・現在の状況まとめ

アメリカの元ボクサーで連続殺人犯のサミュエル・リトルについて、これまでの生い立ちが話題になっています。事件の…

cyann3 / 61 view

プーチン大統領の年収と資産・自宅「プーチン宮殿」まとめ

“世界一豪華な自宅”と揶揄されているロシアのプーチン大統領の自宅別荘「プーチン宮殿」の全貌が暴露され、話題に…

passpi / 97 view

チェルノブイリ原発事故と福島原発事故を比較!日本への影響まとめ

ソ連(現ウクライナ)で起こったチェルノブイリ原発事故について、福島原発事故との比較が話題になっています。また…

cyann3 / 137 view

リンカーン大統領暗殺事件の真相~犯人とその後も総まとめ

アメリカ合衆国第16代大統領であるエイブラハム・リンカーン大統領は、1865年4月14日に暗殺されました。今…

Mrsjunko / 77 view

ハローキティ殺人事件の詳細と犯人!検索してはいけない言葉と言われる理由・幽霊や画像・…

“検索してはいけない言葉”と言われている1999年に香港で起きた残虐極まりない猟奇殺人「ハローキティ殺人事件…

passpi / 165 view

ナワリヌイの結婚した嫁と子供・父親と母親など家族も総まとめ

ロシア人の政治活動家として知られているアレクセイ・アナトリエヴィチ・ナワリヌイ。彼は2024年に死去したこと…

aquanaut369 / 41 view

ハワイ山火事の陰謀と犯人!場所や原因と死者・行方不明者・鎮火や現在の様子も総まとめ

ハワイ・マウイ島で2023年8月8日に発生した山火事は、死者100人、行方不明者4人を出す米国での山火事の犠…

Mrsjunko / 58 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク