大統領執務室での会話公開で決定的に

大統領執務室での会話公開で決定的に

この時の「賛成」「反対」の決議の状況がテレビに映し出されています。また、1972年6月23日に大統領執務室での会話が録音されたテープも公開。

その会話の中でニクソン大統領とハルデマン補佐官が、事件捜査を妨害する計画を立てていた会話が明らかにされました。侵入事件の問題を安全保障の問題にすり替えて、捜査を妨害するよう指示していた会話でした。

ジョン・ディーンの証言は真実だった

ジョン・ディーンの証言は真実だった

それ以降のディーンの行動が、ニクソン大統領からの指示で動いていたことが裏付けられ、決定的証拠となりました。その後上院での弾劾裁判が行われますが、上院での共和党議員は少数で、ニクソンを支持する者が少ない上にテープの公開で不支持が決定的となります。

大統領辞任

国家的悪夢の終焉

国家的悪夢の終焉

以上の成り行きから共和党議員の支持も得られず、ニクソン大統領の説明も嘘であったことが明らかになります。そのため1974年8月7日、共和党上院議員3名がホワイトハウスに出向き、ニクソン大統領に勝機は得られないことを報告しました。

その後8月8日の夜、ホワイトハウスの大統領執務室からニクソン大統領が翌9日正午に辞任することを発表。ニクソンは涙を見せながらヘリコプターでホワイトハウスを去っていきました。

その後副大統領のジェラルド・R・フォードが大統領に就任し、「国家的悪夢は終わった。アメリカ合衆国憲法は機能した」と演説し、ウォーターゲート事件に幕を閉じました。

ウォーターゲート事件の3つの「なぜ」に迫る

ニクソン政権絶好調の時期になぜ侵入犯を送り込む必要があったのか?

1972年6月は内政・外交共に絶好調の時期

1972年6月は内政・外交共に絶好調の時期

1972年6月という時期は、ニクソン訪中で米中間の厳しい対立が緩和し、米中関係が良い方向へと向かってベトナム戦争に終わりの兆しが見えていた時でした。

また、ニクソンのソ連訪問でケネディ時代の東西の緊張が緩和されてきた「米ソデタント」の時期でもありました。更に前年夏のニクソン・ショックからも改善を見せて、内政・外交共に成果を上げていたのです。

侵入犯を送り込むのになぜ民主党全国委員会本部を選んだのか

民主党の本命候補は失速しニクソンに有利な状況だった

民主党の本命候補は失速しニクソンに有利な状況だった

事件の起きた時期は大統領選の真っ最中。予備選挙の終盤で、民主党の本命だったエドマンド・マスキー候補は失速の状況で、共和党にとっては順調な選挙戦が行える見通しでした。

ニクソンにとっては勝ち目のある選挙戦を迎えており、民主党本部を盗聴する必要などなかったのではないでしょうか。

なぜラリー・オリバーのような下級職員の電話機に盗聴機を仕掛けたのか?

下級職員の電話に付けたのはなぜ?

下級職員の電話に付けたのはなぜ?

3つ目の「なぜ」は、侵入犯が付けた盗聴器の場所です。ローレンス・オブライエン民主党全国委員長の電話機に付けられていたのはなんとなく納得できますが、下級職員のラリー・オリバーの電話機にも付けたことが解せないということです。

単純な疑問ですが、あまり成果が見られないのではないかと素人目にもわかりますね。

以上の疑問点から察するに、ウォーターゲート事件の真の目的は、政治的な情報を得るためのものではなかったのではないでしょうか。としますと、ニクソンは何かの情報を得て自分の立場を一気に優位に立たせようと画策したものだったのかもしれません。

その何かとは、下級職員であるラリー・オリバーが管理していた情報だとすると辻褄があってくるのではないでしょうか。

ウォーターゲート事件に基づく映画を紹介

大統領の陰謀

大統領の陰謀

ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォード主役の、ウォーターゲート事件を取材したワシントン・ポストのジャーナリストを描いた映画です。

1976年4月7日公開
監督:アラン・J・パクラ

出典:YouTube

ニクソン

ニクソン

ニクソン大統領の半生を描いた映画です。特にウォーターゲート事件で追い込まれていくニクソンの精神面に焦点を当てた作品。

主演:アンソニー・ホプキンス
監督:オリバー・ストーン
1995年12月20日公開

出典:YouTube

ザ・シークレットマン

ザ・シークレットマン

ウォーターゲート事件の情報提供者「ディープ・スロート」ことマーク・フェルトFBI副長官を描いた作品です。

出演者:リーアム・ニーソン、ダイアン・レイン
監督:ピーター・ランデズマン
2017年9月29日公開

出典:YouTube

ウォーターゲート事件【まとめ】

ウォーターゲート事件をわかりやすく説明してきましたが、この複雑な事件背景は一言では言い表せない出来事でした。説明に含まれていなかった事件の情報提供者「ディープ・スロート」の存在も事件の解決を促す重要な人物となっていました。

ニクソンは一体どんな目的でこの事件を起こしたのかは、未だに謎となっていますが、アメリカ合衆国の歴史上初の大統領辞任は、世界にも大きな影響を与えています。

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