デーモン・コア事故の原因は?パロ画像の現場猫・被爆した被害者のその後や現在もまとめ
アメリカの秘密研究所「ロスアラモス研究所」で1945年8月と1946年5月の2度に渡って臨界事故を起こしたデーモン・コア。
今回、デーモン・コア実験の詳細と再現画像、臨界事故が発生した原因、そして大量被爆の被害にあった物理学者のその後、さらに現在も話題になっているデーモン・コアのパロ画像「現場猫」についてまとめました。
The Demon Core 1945 - YouTube
出典:YouTube
次の瞬間、スローティンは半球の上半分を払い除け、核連鎖を止めようとしたのですが、わずか1秒の間に21シーベルトもの致死量の大量の中性子線とガンマ線を浴び、実験から9日後に放射線障害により死亡しています。
なお、リーマー・シュレーベルが見たという“青い閃光”は、俗に「それを見た者は死ぬ」と言われている“チェレンコフ放射光”と呼ばれるもので、放射線が空気中の電子に反応して、高エネルギーのフォトンを放射したために発生した光なのだとか。
デーモン・コアの被爆事故で被害に遭った物理学者のその後
ロスアラモス研究所で起きた2度の臨界事故による直接的な死亡者は、ハリー・ダリアンとルイス・スローティンの2人だけでした。
2016年5月、「The New Yorker」が、2人目の犠牲者となったルイス・スローティンに焦点を当て、事故後の彼の容体について克明に綴っています。
臨界事故後、実験の参加者はロスアラモス病院に搬送されました。
臨界状態に達したデーモン・コアのすぐ間近で被爆したルイス・スローティンは、検査前の数時間の間に数回嘔吐を繰り返すも、翌朝にはその症状も治まっており、「健康状態は良好に見えた」と報告されています。
しかし、時間とともにルイス・スローティンの身体に異変があらわれ始めるんですよねぇ…。
時間と共にスローティン博士の左手はマヒし、徐々に痛みが増していったとのこと。スローティン博士の左手はデーモン・コアに最も近い位置にあったため、推定でなんと1万5000レムもの低エネルギーX線を浴びていたことが判明しています。
人間の致死量は500レムと言われており、スローティン博士は全身でもその4倍以上である2100レムの中性子線、ガンマ線、X線を浴びていました。
その後、博士の左手は青白く変色して大きな水ぶくれができ、担当医は左手を氷で冷やすことで腫れと痛みを和らげようとしました。
さらに、事故発生から5日目になると、体内に深刻な異変が現れはじめます。
事故発生から5日目になると、スローティン博士の白血球数は劇的に減少し、体温と脈拍も大きく上下し始めます。そして、「その日から患者は急速に動けなくなっていった」と、医療報告書には記されています。
スローティン博士はその後も嘔吐と腹痛に苦しみながら徐々に体重を減らしていくのですが、これは「体内の放射線やけどによるもの」とのこと。
そして、事故から7日後には、精神錯乱状態に陥ったルイス・スローティンは、その後まもなく昏睡状態となり、事故から9日後に「急性放射線症候群」により、35歳の若さで死亡しています。
デーモン・コア事故のパロ画像「現場猫」が話題に
デーモンコア事故から75年以上が経過した現在も、ネット上では「現場猫」と呼ばれる、デーモン・コア事故のパロ画像がことあるごとに話題になっているようです。
例えばこんな感じのものです。
唐突にRTで回ってくるデーモンコアとチェレンコフ光と現場猫に笑う pic.twitter.com/5YKH7Eo6pp
— sweat in the sky (@not_dry_3825) 2019年9月17日
いわゆる“うっかりミス”をコメディタッチで表現した、ブラックジョーク的なネタなのですが、誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
ちなみに、このパロ画像の元ネタはこちら。
これまで見てきたように、実はデーモン・コア実験は危険極まりない実験なのですが、当時はまだ放射能への知識が浅かったこともあり、今見るとツッコミ所満載の画像なんですよね。
例えば…
・反射体包まれているとは言えデーモン・コアを素手で触っている
・普段着のようなラフな服装(現在なら防護服でガチガチに固めているはず)
・雑然とした実験室
・机の上にはコーラの空き瓶まで!(飲みながら実験してた?)
などなど、危険極まりない実験だっtないも関わらず、危機感がまるでない様子がギャグ要素になっているようです。
なお、「現場猫」にはバリエーションがあるようで、目についたものをいくつか拾ってみると…。
やけくそシュレーディンガーの猫 pic.twitter.com/oP80x0tKDK
— からめる (@purinharumaki) 2019年2月26日
なお、パロ画像は現場猫に限らない模様です。
最近のお仕事です pic.twitter.com/aT65XHwNGV
— ユウタ (@tech_yuuta) 2019年12月21日
デーモンコアをいじるカドルス pic.twitter.com/Gqak55nfhR
— Strange (@Strange56513963) 2019年11月29日
実験大好きポンコツ女子高生・葉加瀬冬雪さんの末路 #はかせレポート #デーモン・コア pic.twitter.com/ai1IdElPBW
— トカゲと影 (@TOKAGEtoKAGE3) 2019年10月23日
遂にはTシャツまで(笑)
ちょっと欲しいかも~
関連するまとめ
チャールズ・ポンジ(詐欺師)の生涯と死因!本名や家族・晩年を総まとめ【ポンジ・スキー…
詐欺手法「ポンジ・スキーム」の由来ともなった詐欺師のチャールズ・ポンジ。彼は伝説的な存在として今日まで語られ…
aquanaut369 / 400 view
ゲイリー・リッジウェイの現在!母親や子供時代・事件・映画まとめ
アメリカのシリアルキラー(連続殺人犯)として有名なゲイリー・リッジウェイさんについて、現在の活動が注目を集め…
cyann3 / 300 view
リーマンショックとコロナショックを比較!日経平均株価や給付金・GDP成長率まとめ
リーマンショックとコロナショックの2つについて、比較対象として注目されています。リーマンショックとコロナショ…
cyann3 / 264 view
エリサ・ラム事件の犯人と真相!現場のセシル・ホテル/なんJや現在の話題まとめ
アメリカ・ロサンゼルスで起こったエリサ・ラム事件について、話題になっています。また、エリサ・ラム事件の現場の…
cyann3 / 1039 view
ピナトゥボ山の現在!火山の噴火・影響と日本の冷夏などその後を総まとめ
1991年にフィリピンのピナトゥボ山で起こった大噴火。その影響はすさまじく、フィリピンだけでなく、日本も「冷…
aquanaut369 / 243 view
エドワード・スノーデンの現在!日本への警告・生い立ちと家族や結婚・事件内容と今の活動…
NSAが世界中から情報収集を行っていることを暴露して話題になったエドワード・スノーデン。今回はエドワード・ス…
aquanaut369 / 846 view
パリ人肉事件の犯人・佐川一政の生い立ちから現在~身長と家族(父/母/弟)・映画化・死…
1981年に発生した「パリ人肉事件」は、その事件名の通り、犯人は被害者を殺害後、屍姦した後、被害者の肉を食ら…
passpi / 1994 view
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!
アメリカ人の平均身長!男性/女性/子供の年齢別・他との比較もまとめ
アメリカ人について、平均身長が注目を集めています。また、アメリカ人の平均身長を男性・女性などで比較し、子供の…
cyann3 / 1762 view
チェルノブイリ原発事故の場所と原因・象の足・被爆者の症状と被害人数・死者やその後の影…
今世紀最大の人的災害であるチェルノブイリ原発事故は、長期的に健康被害が懸念されている事故で、現在も物議を醸し…
Mrsjunko / 307 view
リーマンショックの原因と影響!日本の日経平均株価・為替・チャートなどわかりやすく解説
2008年9月、アメリカの有力投資銀行である「リーマンブラザーズ」の経営破綻が原因で発生したリーマンショック…
cyann3 / 328 view
スープおじさんの意味と死因!画像や動画・ドロドロの原因・解説まとめ
ネットで話題の「検索してはいけない言葉」として、スープおじさんの意味が話題になっています。また、スープおじさ…
cyann3 / 2549 view
椅子に座り続ける男の元ネタはシリア内戦!写真と動画の見方・検索してはいけない理由も総…
椅子に座り続ける男を検索すると、「検索してはいけない」という複合ワードが出てきます。その理由は何でしょう。元…
Mrsjunko / 996 view
プーチン大統領の年収と資産・自宅「プーチン宮殿」まとめ
“世界一豪華な自宅”と揶揄されているロシアのプーチン大統領の自宅別荘「プーチン宮殿」の全貌が暴露され、話題に…
passpi / 290 view
アマンダノックスの現在!事件の真相と真犯人・関連映画まとめ【ペルージャ英国人留学生殺…
2007年11月2日に起こった「ペルージャ英国人留学生殺害事件」の犯人とされたアマンダノックスですが、有罪判…
Mrsjunko / 317 view
アクセスランキング
人気のあるまとめランキング
チェレンコフ放射とは、荷電粒子が空気や水などの媒質中を運動する時、荷電粒子の速度がその媒質中を進む光速度よりも速い場合に光が放射される現象。チェレンコフ効果ともいう。
このとき放射される光をチェレンコフ光、またはチェレンコフ放射光という。