The Demon Core 1945 - YouTube

出典:YouTube

次の瞬間、スローティンは半球の上半分を払い除け、核連鎖を止めようとしたのですが、わずか1秒の間に21シーベルトもの致死量の大量の中性子線とガンマ線を浴び、実験から9日後に放射線障害により死亡しています。

なお、リーマー・シュレーベルが見たという“青い閃光”は、俗に「それを見た者は死ぬ」と言われている“チェレンコフ放射光”と呼ばれるもので、放射線が空気中の電子に反応して、高エネルギーのフォトンを放射したために発生した光なのだとか。

チェレンコフ光

チェレンコフ光

チェレンコフ放射とは、荷電粒子が空気や水などの媒質中を運動する時、荷電粒子の速度がその媒質中を進む光速度よりも速い場合に光が放射される現象。チェレンコフ効果ともいう。

このとき放射される光をチェレンコフ光、またはチェレンコフ放射光という。

デーモン・コアの被爆事故で被害に遭った物理学者のその後

ロスアラモス研究所で起きた2度の臨界事故による直接的な死亡者は、ハリー・ダリアンとルイス・スローティンの2人だけでした。

2016年5月、「The New Yorker」が、2人目の犠牲者となったルイス・スローティンに焦点を当て、事故後の彼の容体について克明に綴っています。

臨界事故後、実験の参加者はロスアラモス病院に搬送されました。

臨界状態に達したデーモン・コアのすぐ間近で被爆したルイス・スローティンは、検査前の数時間の間に数回嘔吐を繰り返すも、翌朝にはその症状も治まっており、「健康状態は良好に見えた」と報告されています。

しかし、時間とともにルイス・スローティンの身体に異変があらわれ始めるんですよねぇ…。

時間と共にスローティン博士の左手はマヒし、徐々に痛みが増していったとのこと。スローティン博士の左手はデーモン・コアに最も近い位置にあったため、推定でなんと1万5000レムもの低エネルギーX線を浴びていたことが判明しています。

人間の致死量は500レムと言われており、スローティン博士は全身でもその4倍以上である2100レムの中性子線、ガンマ線、X線を浴びていました。

その後、博士の左手は青白く変色して大きな水ぶくれができ、担当医は左手を氷で冷やすことで腫れと痛みを和らげようとしました。

さらに、事故発生から5日目になると、体内に深刻な異変が現れはじめます。

事故発生から5日目になると、スローティン博士の白血球数は劇的に減少し、体温と脈拍も大きく上下し始めます。そして、「その日から患者は急速に動けなくなっていった」と、医療報告書には記されています。

スローティン博士はその後も嘔吐と腹痛に苦しみながら徐々に体重を減らしていくのですが、これは「体内の放射線やけどによるもの」とのこと。

そして、事故から7日後には、精神錯乱状態に陥ったルイス・スローティンは、その後まもなく昏睡状態となり、事故から9日後に「急性放射線症候群」により、35歳の若さで死亡しています。

ルイス・スローティン

ルイス・スローティン

デーモン・コア事故のパロ画像「現場猫」が話題に

デーモンコア事故から75年以上が経過した現在も、ネット上では「現場猫」と呼ばれる、デーモン・コア事故のパロ画像がことあるごとに話題になっているようです。

例えばこんな感じのものです。

いわゆる“うっかりミス”をコメディタッチで表現した、ブラックジョーク的なネタなのですが、誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに、このパロ画像の元ネタはこちら。

これまで見てきたように、実はデーモン・コア実験は危険極まりない実験なのですが、当時はまだ放射能への知識が浅かったこともあり、今見るとツッコミ所満載の画像なんですよね。

例えば…

・反射体包まれているとは言えデーモン・コアを素手で触っている
・普段着のようなラフな服装(現在なら防護服でガチガチに固めているはず)
・雑然とした実験室
・机の上にはコーラの空き瓶まで!(飲みながら実験してた?)

などなど、危険極まりない実験だっtないも関わらず、危機感がまるでない様子がギャグ要素になっているようです。

なお、「現場猫」にはバリエーションがあるようで、目についたものをいくつか拾ってみると…。

なお、パロ画像は現場猫に限らない模様です。

遂にはTシャツまで(笑)
ちょっと欲しいかも~

関連するキーワード

関連するまとめ

タリバンの女性差別はなぜ?迫害のような扱いの理由まとめ

アフガニスタンでイスラム法を順守し活動しているタリバンは以前から女性の扱いが差別的だと話題になっていて、なぜ…

aquanaut369 / 2235 view

ブラックマンデーの原因と影響!日本の日経平均株価・為替・チャートなどわかりやすく解説

ブラックマンデーをわかりやすく解説していきます。ブラックマンデーはいつ何年に起きたのか、原因・影響は何だった…

cyann3 / 2164 view

ケネディ大統領暗殺の真相!夫人が脳みそを拾った?犯人も総まとめ

パレード中に暗殺されたことで知られているケネディ大統領。死の真相は未だハッキリしておらず、その真犯人も謎のま…

aquanaut369 / 6296 view

プーチン大統領の身長や体重は?筋肉とトレーニングもまとめ

ウクライナに対する軍事侵攻により様々な制裁が科されているロシアのプーチン大統領。 今回、プーチン大統領の身…

passpi / 2430 view

シャロン・テート事件と犯人の現在!マンソン・ファミリーや殺害現場・その後も総まとめ

1960年代に人気を集めた女優のシャロン・テート。人気絶頂のときにチャールズ・マンソン率いるマンソン・ファミ…

aquanaut369 / 7591 view

ウクライナ21の内容と真相!犯人とその後・殺人動画の話題まとめ

ウクライナで未成年の少年3人によって実行された連続殺人事件「ウクライナ21」について、その内容と真相に注目が…

cyann3 / 28139 view

ゲイリー・リッジウェイの現在!母親や子供時代・事件・映画まとめ

アメリカのシリアルキラー(連続殺人犯)として有名なゲイリー・リッジウェイさんについて、現在の活動が注目を集め…

cyann3 / 2615 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

タリバンの女性差別はなぜ?迫害のような扱いの理由まとめ

アフガニスタンでイスラム法を順守し活動しているタリバンは以前から女性の扱いが差別的だと話題になっていて、なぜ…

aquanaut369 / 2235 view

青い鯨はロシア発のゲーム!その内容&検索してはいけない理由・にじさんじ郡道美玲の炎上…

「青い鯨(Blue Whale)」という言葉は検索してはいけない言葉として知られているロシアが発端のゲームで…

Mrsjunko / 1606 view

イスラム国日本人人質事件で湯川遥菜と後藤健二はなぜ殺された?最期・切断写真・モールス…

2015年1月、シリア国内でイスラム国に拘束されていた日本人人質の湯川遥菜さんと後藤健二さんが、相次いで殺害…

Mrsjunko / 1816 view

ホアキン・グスマン(麻薬王)の現在!身長と資産・息子や女性関係・映画などの話題まとめ

メキシコの「麻薬王」と言われるホアキン・グスマンさんの生い立ち、身長と資産、女性関係・息子、そして映画・現在…

cyann3 / 5307 view

アンドレイ・チカチーロの生い立ちと事件!名言・日本人が脳を買い取る発言・嫁と息子・映…

1978年から1990年にかけておよそ52人を殺害したアンドレイ・チカチーロの生い立ちや事件の詳細、裁判の様…

Mrsjunko / 8683 view

チェルノブイリ原発事故の場所と原因・象の足・被爆者の症状と被害人数・死者やその後の影…

今世紀最大の人的災害であるチェルノブイリ原発事故は、長期的に健康被害が懸念されている事故で、現在も物議を醸し…

Mrsjunko / 1002 view

カナダ古川夏好さん殺害事件と犯人の現在!ウィリアム・シュナイダーの犯行動機・死因とそ…

2016年9月28日、カナダのバンクーバーに留学していた古川夏好さんが、廃屋で遺体となって発見された事件。犯…

Mrsjunko / 5677 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク

"); } })(jQuery);