中村哲医師はアフガンでなぜ殺された?犯人と殺害の動機・過去の功績や現在の状況まとめ
2019年12月4日、アフガニスタン東部のジャララバードで武装勢力に襲撃され殺害された医師の中村哲さんはなぜ殺されたのでしょうか?
そこで今回、中村哲さんのアフガニスタンでの功績、殺害された原因と犯人、現在のアフガニスタンの状況についてまとめました。
しかし、それだけではありません。もともと不毛な砂漠だった場所にまで目に鮮やかな緑が現れたのです。そのことは地元の人たちを大いに驚かせるとともに、大いに喜ばせました。
そして、そんな“奇跡”を目の当たりにした近くの村の住人たちが、次々と中村哲さんに用水路の建設を要請していくことに。
そこで、中村哲さんは、「ペシャワール会」だけで工事を進めるのではく、地元の村人たちを積極的に雇い入れて給料を支払い、自分たちの手で用水路建設を進めていくようにしたのです。
これにより地元で200万人もの雇用を確保するとともに、60万人の農民たちの生活基盤を確保することに成功!
いつしか、中村哲さんが代表を務める「ペシャワル会」による砂漠の緑地化・農村復興のための水路事業は、“ガンベリ砂漠の奇跡”と呼ばれるようになりました。
そんなアフガニスタンで起きた“奇跡”が実感できる、工事前・工事後の比較画像がこちら。
そして、2016年には、地元の人が水路を建設し、それをちゃんと管理し続けていけるよう学校を創設し、「自分たちの手で、自分たちの住む場所を作る」という意識を定着させ、村人の自立を促していきました。
これらの長年の功績が認められ、中村哲さんは2018年、アフガニスタンの国歌勲章を受章するとともに、翌2019年10月7日には、当時のアフガニスタン政府から“名誉市民”の称号が贈られました。
しかし、実はこのことが、その後の中村哲さんに不幸をもたらすことになるんですよねぇ…。
中村哲が2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃を受け殺害される
2019年12月4日朝、当時着手中だった灌漑(かんがい)用水事業の進行を確認するために、アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードを車で移動していた中村哲さん一行を、武装勢力が襲撃しました。
その際、中村哲さんは右胸付近に銃弾を受け、当初は意識もしっかりしていたそうなのですが、ジャララバード空港から首都カブール近郊の病院に運ばれる途中で容体が急変し、その後死亡が確認されました。
なお、その車には、中村哲さんの他に運転手やボディーガードなど5人のアフガニスタン人が同乗していましたが、銃撃により5人全員が亡くなったそうです。
その後、犯人からの犯行声明もなく、誰がどのような目的で中村哲さんを殺害したのかについては、現在もなおハッキリとはしていません。
しかし、その後の捜査により、徐々にその真相が明らかになってきているようなので、以下はその点についてまとめていきたいと思います。
中村哲はなぜ殺された?殺害された原因について
アフガニスタンのために尽力した中村哲がなぜ?
国際NGO「ペシャワール会」の代表として、アフガニスタンで長年に渡って医療支援や難民救済、そして用水路整備などの灌漑(かんがい)事業を続けてきた中村哲さん。
まさに自身の人生をかけて、アフガニスタン人の生活環境の改善に尽力してきた、言わば「地域の英雄」だったはずの中村哲さんが、なぜ凶弾に倒れることになったのでしょうか?
当時のアフガニスタン政府から名誉市民権を与えられたことが原因?
前述したように、襲撃事件からさかのぼること約2ヶ月の2019年10月7日、アフガニスタンでの長年の功績が認められ、中村哲さんは当時のアフガニスタン政府より名誉市民権を与えられました。
まさに中村哲さんがアフガニスタンの国民的英雄と讃えられた瞬間なのですが、このことが2ヶ月後の襲撃事件のきっかけになった可能性があると言われているようです。
では、アフガニスタンへの長年の貢献が認められ、現職の大統領から表彰されるという名誉なことが、なぜ命を狙われることに繋がるのでしょうか?
この点について、日本政府特別顧問として、長年に渡って世界各地の紛争地域で平和構築や人道支援に携わってきた、東京外国語大学教授の伊勢﨑賢治氏は次のように説明しています。
現地の大統領に表彰されたと聞くと、日本の人は単純に「ああ、国中から感謝されているんだ」と思うかもしれませんが、アフガニスタンのような紛争国では、その大統領という権力を誰が握るかで、夥(おびただ)しい血が流れてきたのです。
(中略)
しかも昨年9月に投票が行なわれたものの、不正投票の問題などで、いまだに結果が明らかにならないまま混乱が続いている大統領選挙の最中なのです。中村さんがガニ政権と一体化しているイメージが国内で報道されれば、敵対する勢力にとって格好のターゲットです。
当時のガニ大統領によるアフガニスタン政権と言えば、タリバンやイスラム国などの反政府勢力に睨まれつつも、アメリカやNATOの後ろ盾によって、ようやく成り立っていた感が否めません。
そんな複雑な状況にあった当時のアフガニスタンにおいて、「ガニ大統領とのツーショット」が注目を集めてしまったことは、確実に中村哲さんの命のリスクを高めることに繋がってしまったわけです。
ただ、実際に中村哲さんを襲った犯人がどのような勢力であり、何を目的としたものだったのかについては、様々な説が取り沙汰されるも、いずれも噂や推論の域を出るものではありませんでした。
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