つまり、佐川一政は人一人を殺害したのみならず、屍姦により辱め、さらに遺体を損壊してその肉を食らう…という人にあるまじき蛮行を犯しておきながら、裁判で裁かれることもなく、刑務所にも服役しないまま、事件を起こしてからたった5年ほどで自由の身になったなったわけです。

パリ人肉事件の犯人・佐川一政の家族関係(父親・母親・弟)

パリ人肉事件の犯人・佐川一政のプロフィール

佐川 一政

佐川 一政

誕生: 1949年4月26日
出生地: 兵庫県神戸市
職業: 作家
国籍: 日本
出身高校: 神奈川県立鎌倉高等学校
教育:
 ・ 和光大学人文学部文学科卒業
 ・ 関西学院大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了
最終学歴: パリ第3大学大学院比較文学専攻修士課程修了
主題: カニバリズム
デビュー作: 『霧の中』(1984年)

パリ人肉事件の犯人・佐川一政の家族関係(父親・母親・弟)について

佐川一政の母親は神戸の裕福な貿易商の娘だったのですが、母親の両親(佐川一政にとっては祖父母)にはそれぞれ愛人がおり、祖母には婚外子もいるような複雑な家庭で育ちました。

一方、佐川一政の父親の明氏は、そんな佐川家に婿養子に入ったようです。

佐川一政と父親・明氏と母親

佐川一政と父親・明氏と母親

佐川一政の父方の祖父は、朝日新聞論説委員であり、父親の明氏も伊藤忠商事から出向して栗田工業の社長を務めた他、いくつかの会社を建て直したことから、「再建の達人」とも呼ばれたほどの人物です。

しかし、事件後の父・明氏は、すぐにパリへ飛び一流の弁護士を雇って、佐川一政のために尽力しますが、その後、心労が祟ったためか脳梗塞で倒れてしまいました。

また、佐川一政には1歳違いの実弟・佐川純氏がいます。

佐川一政の家族写真

佐川一政の家族写真

左から佐川一政、母親、父親・明氏、弟・純氏

佐川一政の弟・純氏は、慶應義塾志木高等学校から慶應義塾大学文学部に進学し、同大卒業後は専門学校東京デザイナー学院で学び、その後、大手広告代理店に就職。

同社を50歳で退職した後は、油彩画家に転身していたのですが、2017年には兄の一政とともに仏米合作のドキュメンタリー映画「カニバ」に顔出しで出演し、話題になりました。

佐川一政の弟・純氏

佐川一政の弟・純氏

パリ人肉事件の犯人・佐川一政の生い立ち

実は、父・明氏と母親の間には、佐川一政の前に長女が誕生していたのですが、生後10日ほどで亡くなったそうです。

その後に誕生した佐川一政も超未熟児で、生まれた時には父親の手の平に載るほどの大きさしかなかったと言います。

幼少期の佐川一政

幼少期の佐川一政

さらに、出生1年後には腸炎を患い、カリウムとカルシウムの静脈注射でなんとか生きているという状態が続いたそうです。

両親は、果たして何歳まで生きられるのかと心配しましたが、周りの子供に比べると身体が小さく、虚弱体質だったものの、その後は順調に成長していきました。

そんな生い立ちだったため、佐川一政は外で遊ぶよりも家の中で本を読んだりするのが好きな子供で、性格は内向的だったそうです。

また、そんな佐川一政が無事に成長するようにと、両親はかなり過保護とも言える育て方をしていたようですね。

前述したように、佐川一政が誕生した次の年には、弟の純氏が誕生するのですが、彼は兄とは違って身体も大きかったことから、年齢は1年差があるものの、2人はまるで双子のように育てられたと言います。

双子のように育てられた佐川一政(左)と弟・純氏

双子のように育てられた佐川一政(左)と弟・純氏

学生時代の佐川一政は芸術や文学に没頭する少年だった

幼少期より内向的な性格だった佐川一政は、やがて芸術を愛する多感な青年に成長していきました。

中でも、「嵐が丘」や「戦争と平和」といったシェイクスピアの作品に興味を示し、音楽はベートーベンやヘンデルなど、クラシック音楽を好んで聴いていたそうです。

また、高校時代には白樺派に傾倒し、特に志賀直哉の「暗夜行路」に影響を受け、自身も短編小説を書いたことがある他、武者小路実篤に直接会いに行き、実篤の書斎で1時間あまり面談したこともあるそうです。

幼少期に叔父から聞かされた童話がカニバリズム(人肉嗜食)に走るきっかけに…

佐川一政は事件後、自身のカニバリズム(人肉嗜食)の原点として、幼少期に叔父から度々読み聞かされた、幼い子供を誘拐しては鍋で煮込んで食べる魔法使いの話だと語っています。

これにより小学生の頃には既に人肉を食べることに興味を抱いていたそうで、それがどんどん膨れ上がっていき、やがて抑えきれなくなっていった高校時代には、自ら精神科医に相談したことも度々あったそうです。

しかし、どの精神科医もまともに取り合ってもらえなかったのだとか…。

ちなみに…佐川一政の母方の叔父に、歌手や俳優として活躍している佐川満男さんがいます。

佐川一政の叔父・佐川満男さん

佐川一政の叔父・佐川満男さん

もしかすると佐川満男さんが、佐川一政の幼少期にカニバリズム(人肉嗜食)に走るきっかけとなった童話を読み聞かせた“叔父”だったのかも知れませんが、これに関する信憑性ある情報は皆無でした。

佐川満男さんの読み聞かせは、一般人によるそれに比べると、幼い子供の心に訴えかける影響力は何倍にもなるとは思いますが…。

関連するキーワード

関連するまとめ

チャレンジャー号爆発事故まとめ/原因はOリング・責任と乗組員の遺体や生きている可能性…

1986年1月28日、チャレンジャー号打ち上げからわずか73秒後に、空中で分解した爆発事故の原因はOリングだ…

Mrsjunko / 79 view

リンドバーグ愛児誘拐事件の真相~犯人の冤罪説や事件の裏側まとめ

伝説の飛行士チャールズ・リンドバーグの息子が誘拐されるという「リンドバーグ愛児誘拐事件」。その犯人に冤罪の疑…

Mrsjunko / 37 view

パブロ・エスコバルの生涯~家族(母親・嫁・息子)や射殺の最後とドラマや映画まとめ

コロンビア最大の麻薬密売組織の創設者で、麻薬王と呼ばれたパブロ・エスコバル。今回は、パブロ・エスコバルの生涯…

Mrsjunko / 301 view

アンドレイ・チカチーロの生い立ちと事件!名言・日本人が脳を買い取る発言・嫁と息子・映…

1978年から1990年にかけておよそ52人を殺害したアンドレイ・チカチーロの生い立ちや事件の詳細、裁判の様…

Mrsjunko / 134 view

ベイルート港爆発事故と現在!威力と画像や動画・原因・韓国との関係とその後もまとめ

レバノンで起こったベイルート港爆発事故とその後・現在について気になる方が多いようです。また、ベイルート港爆発…

cyann3 / 54 view

ロシアのクリミア侵攻はなぜ?理由と期間・死者・制裁と影響・海外の反応もわかりやすく解…

過去にウクライナのクリミア半島で起きたロシアの軍事侵攻。この出来事は世界中に大きな影響を与えましたが、クリミ…

aquanaut369 / 48 view

ルクソール熱気球墜落事故の原因や日本人死者の死因・操縦士のその後まとめ

エジプトの観光地・ルクソールの町並みを空から眺めることができる熱気球でのルクソール遊覧飛行。 2013年2…

passpi / 54 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

フィレンツェの怪物事件の真相と犯人まとめ~犯行内容などが概要も解説

イタリアのフィレンツェとその周辺で、1970年代から80年代にかけて発生したカップル連続殺人事件「フィレンツ…

Mrsjunko / 86 view

長木谷麻美の死因と犯人は?事件やカーニバル関連のテレビ出演もまとめ

日本人女性の長木谷麻美さんについて、事件に関する話題が挙がっています。テレビ出演したカーニバル美女の話題と死…

cyann3 / 39 view

エボラ出血熱の現在!日本での最新情報・基礎知識まとめ

エボラ出血熱はアフリカが発生源と言われ、初期の段階では助かる確率が高いですが、治療が遅れると50%から90%…

Mrsjunko / 39 view

イスラム国日本人人質事件で湯川遥菜と後藤健二はなぜ殺された?最期・切断写真・モールス…

2015年1月、シリア国内でイスラム国に拘束されていた日本人人質の湯川遥菜さんと後藤健二さんが、相次いで殺害…

Mrsjunko / 288 view

9.11アメリカ同時多発テロ事件の真実!陰謀と犯人・日本人生存者や犠牲者も総まとめ

9.11同時多発テロ事件とは、2001年9月11日にアメリカ合衆国で起こったイスラム過激派のテロ組織であるア…

Mrsjunko / 86 view

アマンダルイス事件の真実と真犯人~息子AJの現在や祖父の陰謀説まとめ

2019年5月に放送された『ワールドミステリー』で話題となったアマンダルイス事件。その事件の冤罪説と真実や真…

Mrsjunko / 41 view

アビーとブリタニー(結合双生児)の現在!今の年齢と家族・結婚まとめ【ヘンゼル姉妹】

アビーとブリタニーのヘンゼル姉妹について、結合双生児の原因が注目を集めています。また、アビーとブリタニーの年…

cyann3 / 80 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク