そんな自堕落な生活を続ける中で、やがてファミリーは「ヘルター・スケルター」というカルト的な思想に取り憑かれていくことになるんですよね。

ちなみに「ヘルター・スケルター」とは、ブラックムスリムや黒人解放組織ブラックパンサー党などの黒人たちが蜂起して、白人に戦争を仕掛け、白人を全滅させて世界を支配するという最終戦争が勃発する日のことを言います。

チャールズ・マンソンはファミリーに、盛んに「ヘルター・スケルター」への備えを呼びかけました。

チャールズ・マンソンの思想に魅了されていたファミリーたちは、そんなチャールズ・マンソンの言葉に興奮し、武器や車両を蓄え、射撃訓練に励むようになり、やがてファミリーは殺人集団へと変貌していくことに…。

チャールズ・マンソンの“マンソン・ファミリー”が連続殺人事件を起こす

1969年7月、ゲイリー・ヒンマンという麻薬の売人が、自宅に2万ドルもの財産を隠しているとの噂を聞きつけたチャールズ・マンソン。

マンソン・ファミリーのメンバーである、ボビー・ボーソレイユ、スーザン・アトキンズ、メアリー・ブルンナーの3人のメンバーとともに彼の自宅を訪れました。

ボビー・ボーソレイユ

ボビー・ボーソレイユ

チャールズ・マンソンの命令によりゲイリー・ヒンマンを刺殺

しかし、ヒンマンの自宅に押し入ってみたものの、目当ての2万ドルが見つからなかったボビー・ボーソレイユは、チャールズ・マンソンの命令でヒンマンを刺殺。

そして、ヒンマンの血で壁に「Political Pig(政治的な豚)」と書き殴ったんですよね。

ちなみに、「Pig(豚)」は黒人の隠語で「白人」を意味します。チャールズ・マンソンは黒人の隠語を書くことで、この犯行を黒人解放組織ブラックパンサー党などの黒人の仕業であると偽装したわけです。

そして、そうすることでこの事件が発端となり、人種戦争が始まると確信していたのだとか。

しかし、間もなくボビー・ボーソレイユが車両窃盗で、メアリー・ブルンナーがクレジットカードの不正利用などで逮捕されることに…。

メアリー・ブルンナー

メアリー・ブルンナー

カルト集団「マンソン・ファミリー」の初期メンバーのひとり

これに危機感を覚えたチャールズ・マンソンは、さらなる残忍な殺人計画の実行を、他のファミリーメンバーであるスーザン・アトキンズやリンダ・キャサビアンら3名に命じるんですよね。

彼らはまず、1969年8月9日に、ポーランド出身の映画監督であるロマン・ポランスキーの妻で、当時、妊娠8ヶ月だった女優のシャロン・テートと、当時彼女の自宅を訪れていた4人の著名人を惨殺。

結婚当時のポランスキー監督とシャロン・テート

結婚当時のポランスキー監督とシャロン・テート

さらに、その数日後、同事件と全く同じ手口で、スーパーマーケットチェーン店のオーナーだったラビアンカ夫妻を殺害したのです。

そしてこの2つの連続殺人事件は、後にチャールズ・マンソンを象徴する、かの有名な「テート・ラビアンカ殺人事件」と呼ばれるようになります。

チャールズ・マンソンは逮捕され死刑判決…からの終身刑に

チャールズ・マンソンが逮捕されたきっかけ

しかし、この「テート・ラビアンカ殺人事件」から一週間も経たないうちに、警察がチャールズ・マンソンらファミリーが暮らすスパーン牧場に家宅捜索を行い、チャールズ・マンソンは他のメンバーたちとともに逮捕されました。

逮捕されたチャールズ・マンソン

逮捕されたチャールズ・マンソン

但し、この時点で警察は、単に車両窃盗の疑いで踏み込んだに過ぎず、「テート・ラビアンカ殺人事件」の容疑者だとは考えていませんでした。

しかも、結局は車両窃盗事件についても、証拠不十分で全員釈放となっています。

しかし、「テート・ラビアンカ殺人事件」の捜査が急展開を迎えたのは、事件から2ヶ月後の10月になってからでした。

ゲイリー・ヒンマンを殺害したボビー・ボーソレイユの恋人が逮捕されたのですが、自分の無実を証明するために、彼氏であるボーソレイユから聞いていたファミリーの悪行を白状したのです。

さらに、別の軽犯罪で逮捕されていたスーザン・アトキンズが、当時話題になっていた「テート事件」の真犯人は自分だと同房囚に自慢するんですよね。

そして、この同房囚が看守に密告したことで、そこから芋づる式にその他の実行犯や、主犯格であるチャールズ・マンソンの逮捕に繋がることになります。

スーザン・アトキンズ

スーザン・アトキンズ

チャールズ・マンソンが逮捕されるきっかけを作ったマンソン・ファミリーのメンバー

チャールズ・マンソンは女性信者の裏切りにより死刑判決が下される

それでもチャールズ・マンソンは、警察での取り調べや裁判では、あくまで自分に心酔したファミリーのメンバーが、勝手に暴走しただけで、自分は殺人を指示していないとの主張を繰り返しました。

そんなチャールズ・マンソンの主張に、ともに裁判を受けていた3人の女性信者たちも従うのですが、事件に罪悪感を感じていたリンダ・キャサビアンだけは真実を告白し、チャールズ・マンソンを激怒させることに…。

リンダ・キャサビアン

リンダ・キャサビアン

検察側の証人として法廷で真実を告白するリンダ・キャサビアン

最終的に、「テート・ラビアンカ殺人事件」の実行犯となったスーザン・アトキンズやリンダ・キャサビアンら3名の女性信者には、全員に終身刑の判決が下りました。

その一方で、この3名の女性信者に殺害の命令を下しただけで、自らの手を汚していなかったチャールズ・マンソンには、1971年4月19日に死刑判決が下されることになります。

チャールズ・マンソンの晩年と死因について

チャールズ・マンソンは最後まで罪を認めなかった

しかし、翌1972年2月に、カリフォルニア州では死刑制度が一時的に廃止されたため、チャールズ・マンソンに対する死刑は、自動的に終身刑に減刑されました(その後、同州の死刑制度が復活するのですが、チャールズ・マンソンにはその影響は及びませんでした)。

チャールズ・マンソン

チャールズ・マンソン

そんなチャールズ・マンソンは、獄中では最後まで罪を認めず、謝罪の言葉はおろか、反省や後悔する様子すら見せず、いつしか“悪のカリスマ”として祭り上げられ、大量のファンレターが届いていたと言います。

それに気をよくしたのかチャールズ・マンソンは、服役中にたびたび仮釈放申請を出しており、その度にマスコミの関心を集めていたようですが、「依然として他者に理不尽な危害を加える恐れがある」として、ことごとく却下されています。

チャールズ・マンソンは2017年11月19日に死去!死因は?

そんなチャールズ・マンソンは、2017年1月1日に胃腸出血を起こし、収監されていたカリフォルニア州の刑務所からベーカーズフィールドのマーシー病院に緊急入院しました。

関連するまとめ

エド・ゲインの生い立ちと母親!資産や事件・最期と死因・名言と関連映画も総まとめ

50年代のアメリカで殺人を犯し、その遺体を弄んだエド・ゲイン。今回はエド・ゲインの生い立ちと母親など家族、資…

aquanaut369 / 953 view

ゼレンスキー大統領のコメディアン時代と“股間ピアノ”の持ちネタまとめ【動画あり】

ロシアに一歩も怯まず、「どんなことがあっても母国を守り抜く」という覚悟を、ウクライナ国民のみならず、全世界に…

passpi / 128 view

モンキーシュガーがヤバい理由!本物の画像や動画・見る方法と知恵袋サイト・いらすとや情…

モンキーシュガー(検索してはいけない言葉)について、ヤバい理由が注目を集めています。また、モンキーシュガーの…

cyann3 / 143 view

リトル・ヘラクレスの現在!身長と体重・筋肉とステロイドの噂・家族(父親)や結婚・その…

8歳にして筋骨隆々とボディビルダーとして注目を集めたリトル・ヘラクレスさんですが、その後や現在にも注目が集ま…

sumichel / 98 view

ヴォイニッチ手稿の内容解読は危険?その正体や全文ダウンロードなどを総まとめ

ヴォイニッチ手稿は1912年にイタリアで発見されてから、100年経った今でも解読不可能となっている謎の多い文…

Mrsjunko / 85 view

エベンキ族の歴史と現在!特徴や顔・韓国人との共通点や関係性・韓国の反応まとめ

ロシア・中国・モンゴルに移住する「エベンキ族」について、その歴史が注目されています。また、エベンキ族の特徴や…

cyann3 / 97 view

カニバリズムの事件や現在!病気の民族・中国/日本/世界の歴史・有名人や映画など総まと…

カニバリズム(食人)という言葉には嫌悪感を覚えるのではないでしょうか。そんなカニバリズムの世界各国の歴史や有…

Mrsjunko / 209 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

メラニズムの動物!犬・猫・ライオン・虎・馬の画像/黒くなる原因や確率もまとめ

アルビノの逆とされるメラニズムについて、「メラニズムの動物とは?」として注目を集めています。また、メラニズム…

cyann3 / 118 view

タリバンの資金源とは?支援国は意外にも多かった

2021年8月からアフガニスタンで政権を握っているタリバン。彼らはなぜ長年に渡って活動を続けられ、今後どのよ…

aquanaut369 / 83 view

デーモン・コア事故の原因は?パロ画像の現場猫・被爆した被害者のその後や現在もまとめ

アメリカの秘密研究所「ロスアラモス研究所」で1945年8月と1946年5月の2度に渡って臨界事故を起こしたデ…

passpi / 157 view

エド・ゲインの本物の作品の写真!遺体で家具や衣服を制作・事件も総まとめ

1900年代半ばにアメリカ合衆国に実在した「プレイン・フィールドの屠殺解体職人」との異名をとる猟奇殺人鬼でる…

passpi / 5682 view

POSO(ポソ宗教戦争)の現在!動画や写真・検索してはいけない理由まとめ

この記事ではPOSO(ポソ宗教戦争)の詳細と現在や、検索してはいけないと言われている動画や写真の理由をまとめ…

Mrsjunko / 138 view

グエンの名前・苗字がベトナム人に多い理由!その割合や歴史・漢字もまとめ

ベトナム人の名前について、「グエン」という苗字が1番多いと言われています。また、ベトナム人のグエンの苗字の割…

cyann3 / 157 view

舌盗んだはベネズエラの事件!被害者と犯人・動画を見る方法とその後現在まとめ【検索して…

検索してはいけない言葉「舌盗んだ」ははベネズエラで起こった事件で、その被害者と犯人、画像と動画を見る方法、そ…

cyann3 / 158 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク