そのためかヨシフ・スターリンの健康状態は、第二次世界大戦の終わり頃から悪化の一途を辿っており、慢性的なアテローム性動脈硬化により、1945年5月には軽い脳卒中を、1945年10月には重度の心臓発作に見舞われています。

また、就寝中の暗殺を恐れたヨシフ・スターリンは、複数の寝室を作り、その日にどの寝室を使用するかを就寝直前に決めていたそうです。

さらに寝室は大きな金庫のような構造になっており、唯一の出入り口である扉は、内側から施錠すると外から開けるには、警備責任者が持つたった1本の合い鍵を用いるしか方法はありませんでした。

就寝中に体調が急変するも自らの猜疑心のせいで発見が遅れる

1953年2月28日、ヨシフ・スターリンは、マレンコフ、ブルガーニン、ベリヤ、フルシチョフら少数の側近を集め、夜を徹しての宴会を楽しみました。

お開きになった3月1日午前4時頃、側近たちは解散し、ヨシフ・スターリンはその日の寝室に戻ったのですが…

晩年のヨシフ・スターリン

晩年のヨシフ・スターリン

翌朝、予定時間を過ぎてもヨシフ・スターリンの指示がないことに警備責任者は不審を覚えるのですが、眠りを妨げられた主人の怒りを買うことを恐れ、その日の午後になるまで何もしなかったと言います。

そして、3月1日午後11時頃、いよいよこれはおかしいとなり、家政婦が寝室に入ったところ、パジャマ姿で床に横たわっているヨシフ・スターリンを発見しました。

この時、スターリンは意識はなく、荒い息づかいをしており、呼びかけても反応は無かったと言います。

すぐに医師による治療が開始され、一時は意識を取り戻すのですが、重い障害のために意思の疎通はできなかったと言います。その後は昏睡状態が続き、病状は悪化の一途を辿りました。

そして、4日後の1953年3月5日、午後9時50分、ヨシフ・スターリンの死亡が確認されることになります。

ヨシフ・スターリンの死因は脳内出血と公式発表される

その後、ヨシフ・スターリンの遺体は解剖され、死因については「脳内出血」と公式発表されています。

なお、解剖報告書の原本については、最近まで発見されなかったのですが、最も重要な所見については、1953年3月7日の機関誌「プラウダ」の特別速報で、次のように報告されています。

機関誌「プラウダ」

機関誌「プラウダ」

”イー・ヴェー・スターリンの遺体の病理学・解剖学的調査”

病理学的検査により、左大脳半球の皮質下中心の領域に限った大きな出血が認められた。この出血によって脳の中枢領域が破壊され、呼吸と循環に不可逆的な変化をもたらした。

脳出血に加えて、心臓の左心室の著しい肥大、心筋、胃や腸の粘膜に多数の出血、血管のアテローム性動脈硬化が認められた。動脈硬化は特に脳動脈において顕著だった。これらは高血圧症の結果である。

病理検査の結果、イー・ヴェー・スターリンの病は、脳出血の瞬間から不可逆的な性質を持っている事が判明した。したがって、すべての治療の試みは、好ましい結果を導き出し、致命的な結末を防ぐ事ができなかった。

つまり、左脳中心部に発生した致命的な出血により、脳の中枢機能が麻痺し、呼吸と循環器に治療不可能な症状をもたらしたことが死に直結した…って感じでしょうか。

ヨシフ・スターリン暗殺説も!ヨシフ・スターリンの死の真相について

そんなヨシフ・スターリンの突然の死に関しては、いくつかの根強い“暗殺説”が存在しているようです。

1993年に公表された、元外務大臣ヴャチェスラフ・モロトフの政治回顧録に、ヨシフ・スターリンの右腕であり、秘密警察長官の職にあったベリヤが、モロトフに対してスターリンを毒殺したことを自慢していた…との記述があるとされています。

ヴャチェスラフ・モロトフ(左側)とヨシフ・スターリン

ヴャチェスラフ・モロトフ(左側)とヨシフ・スターリン

また、2003年には、ロシアとアメリカの歴史研究家からなるグループが、ヨシフ・スターリンにワルファリンが使用された可能性を示唆しています。

ちなみに、ワルファリンは脳梗塞や心筋梗塞など血栓症の治療や予防に使用される抗凝固薬なのですが、摂りすぎると出血を起こしやすくなります。

さらに、2006年にはロシアのある週刊誌が、ロシア公文書館でヨシフ・スターリンの暗殺説を裏付ける有力な証拠が発見されたと報じました。

その記録文書によると、倒れて意識不明の状態のヨシフ・スターリンに対する治療が、毒物摂取時に施されるもので、死因として発表された脳内出血による症状に対する治療法とは全く異なるものだったことが記されていたと言います。

つまり、ヨシフ・スターリンが毒殺された可能性を示唆しているわけです。

左からモロトフ、スターリン、ヴォロシーロフ

左からモロトフ、スターリン、ヴォロシーロフ

なお、ヨシフ・スターリンの暗殺説には、それらの計画的なもの以外にも…脳卒中で倒れ昏睡状態の間に、彼の死をより確実なものするために毒を投与したとする説。

また、発作で倒れたのを意図的に放置し、治療開始を遅らせることで結果的に死に追いやった…という“見殺し”説などもあるようです。

ただ、いずれにしても現在ではほとんどの当事者が既に死亡しており、これまでに暗殺説を裏付けるような確たる証拠も見つかっていません。

ヨシフ・スターリンの暗殺説に関する真相は不明であり、ロシアとしてのヨシフ・スターリンの死因に関する公式見解は、一貫して“脳内出血による病死”とされています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

1924年1月から死去する1953年3月まで、29年間という長きに渡ってソビエト連邦の最高指導者として君臨し続けたヨシフ・スターリン。

そこで今回、そんなヨシフ・スターリンが疑心暗鬼のうちに最期を迎えた晩年に注目し、脳内出血と発表された死因の詳細と、暗殺説も囁かれているスターリンの死の真相に迫ってみました。

ヨシフ・スターリンとニキータ・フルシチョフ

ヨシフ・スターリンとニキータ・フルシチョフ

実は、寝室で脳内出血を発症して倒れた、ヨシフ・スターリンを発見するまでの具体的な経緯については、関係者によって証言にかなりの食い違いが見られたようです。

しかし、結局はスターリンの後を引き継いで実権を握ることになる、フルシチョフの証言がソビエト連邦政府の公式見解となったわけです。

つまり、ヨシフ・スターリンの死にまつわる真相は、フルシチョフの証言と矛盾するものは全て闇に葬られたことになるんですよねぇ…。

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