真珠湾攻撃は日本よりもアメリカのほうがはるかに被害が大きく、犠牲者の数や損害額は何倍にもなっています。一方の日本は死者数、被害ともに少なく、奇襲攻撃がどれだけ強力なものだったのかが伺えます。

真珠湾攻撃によって出た日本の犠牲者（死者）数は「64人」。第一波攻撃隊からは20人、第二波攻撃隊からは34人の犠牲者（死者）が出ています。残りの犠牲者（死者）は特殊潜航艇に乗っていた搭乗員たちで、こちらも沈没や座礁原因で亡くなってしまいました。

日本軍は真珠湾攻撃で「54機」の損失機を出し、「74機」が損傷。また、「29機」は未帰還となっていて、損失機については第一波よりも第二波のほうが多かったこともわかっています。ちなみに第一波攻撃隊の損失率は「4.9％」なのに対し、第二波攻撃隊の損失率は「12％」です。

日本軍の奇襲による真珠湾攻撃を受けたアメリカの被害は甚大で、なんと犠牲者（死者）の数は「2334人」。この数は日本の36倍ほどで、奇襲攻撃がどれだけの人の命を奪ったのかが伺えます。

もっとも被害が大きかったのは海軍で「2004人」。ついで陸軍が「222人」。海兵隊からは「108人」の犠牲者（死者）を出しています。

アメリカは艦艇・航空機ともに非常に大きな被害を出していて、艦艇は「19隻」、航空機は「347機」の損害となっています。艦艇の中には沈没して完全に損失したものから損傷を負ったものまで様々で、航空機については戦闘機や爆撃機がもっとも大きな被害を出していました。

日本軍による真珠湾攻撃ではハワイの民間人にまで被害が及んでいて、その犠牲者（死者）数は「68人」。負傷者は「35人」となっています。もちろんこれは意図して民間人を攻撃したものではなかったようですが、戦場の近くにいた民間人が巻き添えに遭った形となりました。

また、攻撃機の爆弾投下機誤作動によってハワイのホノルル市街にも日本軍の爆弾が投下されていて、このときだけでも「33人」の犠牲者（死者）が出ています。

真珠湾攻撃は奇襲作戦として決行され、アメリカに甚大な被害をもたらしましたが、その目的は「アメリカの戦意を削ぐため」です。アメリカの強力な軍事拠点を潰すことで戦意を奪い、短期決戦でアメリカとの戦いに決着をつけるためでした。

日本は真珠湾攻撃の際、攻撃の30分前に宣戦布告することが会議で決定していましたが、実際に宣戦布告がアメリカ側へ届けられたのは攻撃開始から1時間ほど経ってからだったのだとか。

そのため、日本の攻撃は奇襲という形となり、アメリカは無防備で日本の攻撃を受けることになりました。

日本は宣戦布告が攻撃から1時間後にアメリカ側に伝わりましたが、遅れたのはなぜなのでしょうか？宣戦布告については昭和天皇から当時の首相・東条英機に対して「開戦前に宣戦布告するように」と忠告されていました。東条英機もまた昭和天皇の言いつけ通り駐米大使に宣戦布告の電報を届けたものの、なぜかアメリカの国務長官に電報が渡ったのはそれから1時間後でした。

真珠湾攻撃のときにアメリカ大統領を務めていたフランクリン・ルーズベルトは日本の宣戦布告を事前に知っていたという噂があります。なぜこのような噂があるのかというと、「宣戦布告をあえて遅らせることでアメリカ側にもメリットがあったから」です。

もちろんこれは単なる噂であるため、真実とは限りませんが、フランクリン・ルーズベルトが事前に宣戦布告を知っていた可能性は高いと見られています。

名前：フランクリン・デラノ・ルーズベルト
生年月日：1882年1月30日
出身地：アメリカ合衆国
職業：第32代アメリカ合衆国大統領、政治家、弁護士、元海軍次官、元ニューヨーク州知事

真珠湾攻撃の宣戦布告が遅れた理由として「アメリカは開戦を誘発していた」という噂があります。これは日本との交渉決裂から始まり、このときアメリカから送られた文書の内容は日本が到底受け入れることができるものではなく、明らかに挑発しているようなものでした。

実際にこの交渉決裂によって日本は真珠湾攻撃を計画し実行。アメリカの誘導にまんまと乗せられたと言われています。

当時のアメリカ陸軍長官の日記によると、フランクリン・ルーズベルトは「日本に1発目を撃たせろ」と語っていたと綴られています。もちろん真偽のほどは定かではありませんが、開戦のために日本を誘導をしてアメリカを攻撃させる議論が行われたとも綴られています。

また、戦争のためならアメリカを危険に晒すこともいとわない発言もあったようで、このときはなんと「12月1日に日本から攻撃される可能性がある」と真珠湾攻撃を匂わせる発言もあったのだとか。

真珠湾攻撃の宣戦布告が遅れた真実については「電報を清書して遅れたから」と言われています。これは日本から駐米大使に宣戦布告の電報が送られたあと、内容を清書する必要があり、あまりに長文だったことで手間取ったのだそうです。

そのため、清書が完成してからアメリカ政府へ届いたときにはすでに1時間ほど時間が経過し、宣戦布告が遅れてしまったと言わています。

真珠湾攻撃の前、アメリカの真珠湾基地は平和そのもので、「完璧な要塞」と言われるだけあって兵士はみな安心しきっていたのだとか。ですが、日本の攻撃を心配する者も少なからずいました。

ですが、太平洋艦隊司令長官のハズバンド・キンメル大将は日本軍が真珠湾基地へ攻撃をしてくるとは思っていなかったようで、部下からの進言にも「我々が攻撃を受けるとでも思っているのか」と深刻には捉えなかったのだそうです。