真珠湾攻撃前のアメリカ②~日米交渉の決裂が伝えられても深刻には受け取られなかった

真珠湾攻撃前のアメリカ②~日米交渉の決裂が伝えられても深刻には受け取られなかった

日米交渉が決裂したあと、アメリカ政府は「日本軍が攻撃を仕掛けてくる可能性が高い」と真珠湾基地にいた太平洋艦隊司令長官とハワイ方面陸軍司令官に警報を出していました。ただ、この警報には「攻撃される可能性のある場所」としてハワイは挙げられておらず、2人はこの件を深刻には受け取らず、とくに基地の警戒は強化されなかったのだそうです。

真珠湾攻撃前のアメリカ③~基地は手薄だった

真珠湾攻撃前のアメリカ③~基地は手薄だった

真珠湾基地は当時「日本軍が攻撃を仕掛けてくる可能性が高い」と警報を受けていたにも関わらず基地は手薄で空母はわずか2隻しかいませんでした。そのような状態でアメリカ領土のウェーク島とミッドウェイ島に援軍を送っていて、空母をさらに1隻派遣してしまいます。

これは真珠湾基地があまりに強固な作りだったことが要因になっていると思われ、こうした警戒心の甘さも悲劇を生む要因のひとつとなってしまいます。

真珠湾攻撃前のアメリカ④~空母が「0」に

真珠湾攻撃前のアメリカ④~空母が「0」に

12月2日、真珠湾基地では日本海軍の暗号無線を傍受していましたが、突然日本軍の空母の電波が途切れてしまいます。これに違和感を感じた兵士のひとりが太平洋艦隊司令長官へ進言するも「誰も気づかないうちに、連中がダイヤモンドヘッドまで来ているっていうのかね?」と語り、まともに聞き入れてくれなかったのだそうです。さらにその2日後には駆逐艦と重巡洋艦を護衛に連れて最後の空母も真珠湾基地を出港。とうとう空母が0になってしまいました。

真珠湾攻撃前のアメリカ⑤~警報は届かなかった

真珠湾攻撃前のアメリカ⑤~警報は届かなかった

真珠湾攻撃前のアメリカは日本のパープル暗号によりアメリカの日本大使館へ送信された暗号を解読。その内容は日本とアメリカの開戦を意味したもので、すぐにハワイとフィリピンのマニラにある基地へ警報が送られることに。

ですが、ハワイ陸軍の無線機は故障していたようで、この警報が現地に届いたのは真珠湾攻撃のあとだったのだそうです。

真珠湾攻撃前のアメリカ⑥~日本軍の船団を発見するも大して警戒はしなかった

真珠湾攻撃前のアメリカ⑥~日本軍の船団を発見するも大して警戒はしなかった

12月6日の夜、真珠湾基地に「カンボジア沖で日本軍の船団を発見」という情報がイギリス軍から届けられます。これについてはすぐに協議に入ったものの空母は1隻もおらず、艦隊を空母の援護無しで出港させるのは危険と判断。さらに艦隊を出港させることで近隣住民に不安を与えることも懸念され、艦隊はそのまま港で待機となりました。ちなみにこのときも彼らは狙われているのは「東南アジア」だと考え、警戒を怠っていました。

真珠湾攻撃前のアメリカ⑦~前日の夜はパーティーや音楽コンテストが行われていた

真珠湾攻撃前のアメリカ⑦~前日の夜はパーティーや音楽コンテストが行われていた

真珠湾基地では攻撃の前日の夜はパーティーが行われ、兵士たちによる音楽コンテストも開催。このときは戦艦ペンシルベニアのバンドが優勝となり、大いに盛り上がったのだとか。その後は夜更けまで歌やダンスで盛り上がり、誰一人として日本軍の動きを警戒している者はいませんでした。

真珠湾攻撃時のアメリカについて

真珠湾攻撃時のアメリカ①~レーダーで編隊をキャッチするも気に留めなかった

真珠湾攻撃時のアメリカ①~レーダーで編隊をキャッチするも気に留めなかった

奇襲攻撃の日、真珠湾基地のレーダーに50機を超える飛行編隊がキャッチされます。これをキャッチしたのは新米兵士でしたが、すぐに情報センターに連絡を入れます。ですが、情報センターも当日は日曜ということもあり、未熟なパイロット管制官が対応。この情報をオアフ島に飛来予定のアメリカ軍と勘違いし、一切深刻には受け止めなかったようです。

真珠湾攻撃時のアメリカ②~日本の特殊潜航艇を撃沈するも警戒はされず

真珠湾攻撃時のアメリカ②~日本の特殊潜航艇を撃沈するも警戒はされず

真珠湾攻撃の当日、アメリカ海軍の駆逐艦ワードがアメリカ領海内で謎の潜水艦を発見。これをすぐに撃沈し、のちにこの潜水艦は日本の特殊潜航艇「甲標的」と判明。このときは太平洋艦隊司令部へ連絡を入れるも以前から漁船などを誤って攻撃することが多く、この情報を受けても真珠湾基地が警戒を強めることはありませんでした。

真珠湾攻撃時のアメリカ③~最初の爆撃でやっと攻撃されていることに気付いた

真珠湾攻撃時のアメリカ③~最初の爆撃でやっと攻撃されていることに気付いた

真珠湾攻撃が始まったあと、基地に向かって急降下してくる1機の戦闘機を発見。これを見たホノルル海軍航空基地作戦士官は「あいつの安全ルール違反を報告しなきゃならん」と語り、まさか日本軍の戦闘機とは思ってもいませんでした。すると、格納庫へ1個の爆弾が落とされ大爆発。ここで初めて彼らは日本軍から攻撃されていることに気付き、すぐに基地全部が戦闘態勢へと入りました。

日本の奇襲は卑怯?アメリカの反応は?その後の影響について

真珠湾攻撃に対するアメリカの反応は?

真珠湾攻撃に対するアメリカの反応は?

真珠湾攻撃はアメリカの戦意を削ぐ目的で行われましたが、アメリカの反応はそれとは真逆で士気を上げる結果になっています。このときはフランクリン・ルーズベルト大統領の夫人エレノアのラジオ演説もあり、アメリカの全国民を立ち上がらせることになったのだそうです。

「アメリカをもっとも一致団結させた」のがもう一方の、真珠湾攻撃の方だった。国民の士気を鼓舞し、人々はいっせいに立ち上がった。団結の機運は長期間高まったという。
日本の奇襲攻撃は「卑怯なだまし討ち」と言われている

日本の奇襲攻撃は「卑怯なだまし討ち」と言われている

真珠湾攻撃は日本が奇襲攻撃を仕掛けた形となりましたが、これについてアメリカの反応は「卑怯なだまし討ち」という見方が強いのだとか。これについて日本は弁明の余地がありませんが、真珠湾攻撃から80年が経った現在も「卑怯」というイメージは残っているようです。

真珠湾攻撃のその後!どんな影響があったの?

真珠湾攻撃の影響でアメリカでは「リメンバー・パールハーバー」がスローガンに

真珠湾攻撃の影響でアメリカでは「リメンバー・パールハーバー」がスローガンに

真珠湾攻撃を受けたアメリカはその後「リメンバー・パールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな)」とスローガンに一致団結。このフレーズはアメリカ全土に知れ渡り、日本の奇襲攻撃は多くの非難を集めました。

ちなみにこの頃のアメリカでは「リメンバー・パールハーバー」のスローガンに付した記念品が数多く作られていて、アメリカ人に与えた影響の大きさが伺えます。

真珠湾攻撃の影響でアメリカ軍への入隊希望者が急増

真珠湾攻撃の影響でアメリカ軍への入隊希望者が急増

真珠湾攻撃の影響はアメリカ全土で一致団結させる結果を生み、陸海空すべての軍へ入隊希望者が急増。このときの士気の高まり方は異常なほどだったと語られていて、日本の「アメリカの戦意を削ぐ」という作戦は失敗に終わりました。

日本のアメリカ本土上陸も恐れられていた

日本のアメリカ本土上陸も恐れられていた

アメリカは真珠湾で奇襲攻撃を受けたあと、「次はアメリカ本土へ上陸があるかもしれない」と警戒。このときは西海岸やロッキー山脈で迎え撃つ作戦も練られるなど、本格的にアメリカは対日本戦へと意識が向いていくことに。

実際に日本もアメリカ本土への攻撃は行っていたようで、年が明けた1942年に日本海軍の潜水艦によってカリフォルニア州やカナダのバンクーバー島が砲撃を受けています。ただ、本格的な戦闘にはならなかったようで、日本側も複数回砲撃する程度だったようです。

まとめ

ここまで真珠湾攻撃をわかりやすくまとめてみましたがいかがでしたか?この攻撃は日本軍の奇襲攻撃が行われた戦いで、アメリカの真珠湾基地に大打撃を与えました。実際にアメリカ側は犠牲者も多く、一般の民間人にまで被害が及んでいます。

また、この攻撃を機にアメリカは一致団結することとなり、本来は戦意を喪失させるつもりがアメリカを本気にさせてしまいました。今後はこのような痛ましい戦争が起こらないことを願うばかりです。

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