アカデミー賞受賞式という大きな舞台で、友人から本気のビンタを食らいながらも、一応その場は穏便に取り繕った、その対応力については“さすが”とは思います。

しかし、そのオドオドとした話っぷりと言い、ギャグセンスの無さと言い、筆者には20億円とも言われる慰謝料を支払えるだけのコメディアンには、到底思えませんでした。

たとえどんな理由があろうとも、いかなる暴力も許さない…そんなアメリカ人の建前気質により、ウィル・スミスは重い代償を支払うことになったわけですが、時に言葉の暴力は肉体的暴力以上に心に深いダメージを残すこともあると思うんですよね。

もしも、公の場でビンタをすれば自分がどう言う処分を受けることになるのか…恐らくウィル・スミスもちゃんと理解していたはずです。

その上で、大いなる覚悟を持って一歩一歩クリス・ロックに近づき、そして、公衆の面前で受けた妻への侮辱をグーパンチではなく、あえてビンタで応酬したウィル・スミス。

超カッコいい！

一方、自身の配慮が足り無かったことを、後出しジャンケンのように病気のせいにしようとしたクリス・ロック。その点でもコメディアン失格と言わざるを得ません。