ワグネルはロシアへ反乱したことが話題に

ワグネルはロシアへ反乱したことが話題に

ワグネルは2023年6月にロシアへ反乱を起こしたニュースが話題になりました。この反乱によってワグネルとロシアは一触即発の雰囲気となり、ワグネルはロシアへと侵攻するなど緊張が高まりました。

ワグネル反乱 ロシア軍の侵攻に影響か(2023年6月26日)

出典:YouTube

ワグネルの反乱首謀者は創設者のプリゴジン

ワグネルの反乱首謀者は創設者のプリゴジン

ワグネルはロシアへの反乱を起こして話題になりましたが、その首謀者は創設者でもあるプリゴジンという人物。彼は2023年6月23日に「軍の指導部の悪を止めなければならない」と武装蜂起を宣言。これによりワグネルはロシアへの反乱を起こすこととなり、ロシア軍上層部との対立構造が出来上がりました。

【速報】「ワグネル」プリゴジン氏「大統領は深く間違っている」とプーチン氏に反論 ロシア南部州知事は「緊急の戦闘措置を取ってる」と発表|TBS NEWS DIG

出典:YouTube

創設者プリゴジンについて

プリゴジンのプロフィール

プリゴジンのプロフィール

名前:エフゲニー・ヴィクトロヴィッチ・プリゴジン
生年月日:1961年6月1日
出身地:ソビエト連邦
職業:実業家、商業軍人

プリゴジンはロシアの実業家

プリゴジンはロシアの実業家

プリゴジンはワグネルの創設者ですが、じつは元々は実業家で、様々な事業を立ち上げてきたやり手です。彼は1990年からホットドッグ販売をはじめ、これが大ヒット。その後は飲食事業を広げていき、実業家として大きな成功を収めました。

学生時代はクロスカントリースキーに打ち込んでいた

学生時代はクロスカントリースキーに打ち込んでいた

プリゴジンは学生時代はクロスカントリースキーに打ち込んでいたようで、当時は陸上競技の全寮制の学校に通い、プロのスキー選手を目指していたのだそうです。ですが、その後にケガでプロへの道を諦め、学校を卒業したあとは子供向けスポーツスクールでフィットネストレーナーとして働いていたのだそうです。

逮捕された経験も

逮捕された経験も

プリゴジンは、事業を興す前までは刑務所に9年間も服役していました。彼は学校を卒業した2年後に窃盗罪で逮捕され、執行猶予付きの判決を受けます。その後は地元のギャングに加わり、強盗などを繰り返し、1981年に逮捕。このときは12年の懲役を求刑され、以降は9年間刑務所で過ごしていました。

長年プーチン大統領とは親しい間柄だった

長年プーチン大統領とは親しい間柄だった

プリゴジンはロシアのプーチン大統領とは長年に渡って親しい間柄だったことがわかっていて、彼の料理人を務めていたのだそうです。2人はプーチンが大統領就任前にプリゴジンのレストランで出会っていて、このときプーチンから気に入られたことで、以降は親しい間柄になったのだそうです。

運営していたレストランが大統領就任前のプーチン氏に気に入られ、それ以来、密接な関係を築いていきます。「プーチンの料理人」とも呼ばれる背景には、こうした2人の関係があります。

プリゴジンはなぜ反乱を起こしたの?ワグネル反乱の経緯を紹介

プリゴジンはなぜ反乱を起こしたのか?

プリゴジンはなぜ反乱を起こしたのか?

ワグネルを率いていたプリゴジンはなぜロシアに反乱を起こしたのでしょうか?その理由は「ロシア国防省や軍幹部への不満」です。彼はワグネルの一員としてロシアの権益拡大のために活動していて、ロシア政府からの評価や信頼は厚かったのだそうです。

ですが、その一方でロシアに良いように使われていたのも事実で、その結果不満が溜まり、反乱に至ったと見られています。

ワグネル反乱の経緯①~ウクライナ侵攻

ワグネル反乱の経緯①~ウクライナ侵攻

ワグネル反乱のきっかけとなったのは、2022年から行われているロシアのウクライナ侵攻だとされています。この侵攻では当初ロシアが短期間で制圧すると見られていましたが、長期化によりロシア軍が疲弊。そこを補完したのがプリゴジンのワグネルで、ロシア軍に変わってウクライナでの戦いの前線に立つことになりました。

ワグネル反乱の経緯②~プリゴジンが不満を漏らすように

ワグネル反乱の経緯②~プリゴジンが不満を漏らすように

プリゴジンはワグネルがウクライナ侵攻に加わってからロシア軍に対して不満を漏らすようになります。こうした不満はすべてウクライナ侵攻での戦闘に関わるもので、SNSなどを使って自身の思いを綴っていました

ワグネルの反乱の経緯③~ロシア軍との確執が深刻化

ワグネルの反乱の経緯③~ロシア軍との確執が深刻化

プリゴジンの不満はその後どんどんと過激なものになり、ロシアのジョイグ国防相やゲラシモフ参謀総長らを批判し始めます。これにロシア側からの反発も双方の確執は深刻なものとなってしまいます。ちなみにプリゴジンと親しかったプーチン大統領も「もし戦線を勝手に離脱したら反逆罪に問う」などと発言していて、2人の関係も悪化してしまったようです。

プリゴジン氏は通信アプリへの投稿で、軍がベルホフカの住民保護を名目に部隊の再配置を行い、戦略上の重要地点を放棄した結果、軍は「敗走している。恥だ」と非難。前線に来て敗走を食い止めるようショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長に要求した。
ワグネル反乱の経緯④~モスクワへ進軍開始

ワグネル反乱の経緯④~モスクワへ進軍開始

プリゴジンはロシア軍の不満から反乱を宣言。このときはロシア軍からワグネルの基地が空爆されたことも公表し、モスクワへと進軍を開始します。一方のロシア軍はワグネル基地の空爆は否定し、武力衝突の構えを取ります。ロシア側はすぐに軍を配備し、進軍中のワグネルへの攻撃を命じました。

ワグネル反乱のその後

ワグネルは反乱後にあっという間に1000㎞を北上

ワグネルは反乱後にあっという間に1000㎞を北上

ワグネルは反乱を宣言したあと、モスクワ目掛けて1000㎞を短時間で北上していて、ロシア南部軍管区司令部を制圧するなど、ロシア軍を圧倒していることが話題に。これは進軍中の彼らにロシア軍が一切手出しをしなかったことが要因となっていて、精鋭で構成されるワグネルに対し、防衛のために自国に残っていたロシア軍では太刀打ちできなかったためだとされています。

ワグネルはモスクワから500キロ離れたボロネジ州まで北上し、州都のボロネジに入った。それから数時間後にはモスクワから350キロ離れたリペツク州に到達した。
その後ワグネルは進軍を中止

その後ワグネルは進軍を中止

ワグネルはモスクワまで急速に進軍を行っていましたが、2023年6月25日、ベラルーシのルカシェンコ大統領とプリゴジンがモスクワへの進軍を取りやめることで合意したことが発表されます。反乱はわずか一日で収束という結末を迎えました。

プーチン大統領は激怒

プーチン大統領は激怒

ワグネルはその後、2023年7月に入ってから戦闘員の募集を一時的に停止することを発表しており、戦闘員の多くがロシア国防省の傘下に入ることになるという見方が濃厚になりました。プリゴジンはベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介のもと、ベラルーシに移ったとみられていましたが、2023年7月上旬にルカシェンコ大統領がプリゴジンはロシア北西部のサンクトペテルブルクにいることを明らかにしています。また、プーチン大統領は、ワグネルの反乱を「裏切り」だと非難し、プリゴジンに対する暗殺指令を出したとの報道も出ていました。

ワグネルとプリゴジンの現在

プリゴジンが墜落死

プリゴジンが墜落死

2023年8月23日、プリゴジンのプライベートジェットがモスクワの北西部に墜落し、乗客乗員全員が死亡するという事故が起きました。この墜落機にはプリゴジンの他、ワグネルの共同創始者で司令官のドミトリー・ウトキンも搭乗していたとのことです。

プリゴジンは暗殺された?

プリゴジンは暗殺された?

ワグネルの反乱から2カ月後に不可解な死を遂げたプリゴジン。反乱を起こした事でプーチン大統領の怒りを買っていたこともあり、プーチン大統領により「粛清」されたとの見方が強まりました。プーチン大統領がロシア軍司令部に航空機撃墜を命じたとも言われていますが、プーチン大統領は墜落事故での犠牲者と遺族に哀悼の意を述べ、プリゴジンについて「人生において深刻な過ちをいくつか犯した」「有能な人物」だったなどと語りました。

また、ロシア国内ではプリゴジンが実は生存しているとの説も根強く囁かれ続けているようです。

ワグネルに近いテレグラムチャンネル「グレーゾーン」は、地対空ミサイルが発射された痕跡があるとして、「撃墜された」と報じた。まだ事故の真相は不明だが、プリゴジン氏については、反乱失敗後から、いずれ「粛清される」との見方が欧米を中心に根強くあった。プーチン政権は「裏切り者は絶対に許さない」と広く考えられているからだ。

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