ミッドサマーで描かれている「性の儀式」とは外部の者を血縁として取り込むことで村の存続を保つもので、村の女性は18歳になると外部から来た男性を選んで性交をするようになっています。

ミッドサマーには通常版とディレクターズカット版の2つがありますが、ディレクターズカット版になると、性の儀式をモザイク無しで見ることができます。そのため、ディレクターズカット版は「R18」に指定されていて、30分ほど内容が追加されています。

ディレクターズカット版ではクリスチャンと性交を行った女性が処女として描かれていて、これは通常版では知ることができないものとなっています。ディレクターズカット版ではクリスチャンの性器に血が付いているシーンが描かれていて、ここから処女であることが判明しました。

ミッドサマーの性の儀式にはなんと「2週間」もの時間が費やされたようで、撮影自体もかなり大変だったようです。また、この撮影時にクリスチャン役のジャック・レイナーは心身ともに疲弊してしまったようで、その後のインタビューで「本当にハードコアだった」と語っていました。

クリスチャン役のジャック・レイナーは性の儀式の撮影で「可能な限り弱く、屈辱的な状態で出てくるのは重要だと思った」と語っていて、それを表現するために元々予定に無かったクリスチャンの全裸を自ら提案したのだそうです。ただ、全裸で撮影を行うこと自体彼にとっては屈辱的なことだったようで、性の儀式の撮影終了時には心身ともにボロボロになってしまったのだそうです。

ミッドサマーの物語はスウェーデンのとある村で行われている「人身御供を求める儀式」が全体を通して描かれていて、最初は普通の夏至祭と思われたものの、すぐにその異様さが目につくようになります。また、現地に足を運んだ一行はそこで村人たちに追い込まれていく様子もあり、とくに強烈なラストシーンはネットでも大きな話題になっています。

主人公ダニーには双極性障害を患う妹がひとりいて、その影響からダニー自身も精神的に参っていました。恋人のクリスチャンはそんな彼女と別れようと考えていたものの、そこでダニーの妹が両親を道連れに一家心中を行ってしまいます。これによりダニーはより一層心身を痛め、クリスチャンもまた別れを切り出せなくなってしまいます。

ダニーとクリスチャンの2人は一家心中から1年が経過したあと、一緒にあるパーティーに参加します。ここでダニーはスウェーデンからの留学生ペレの故郷で行われる夏至祭にクリスチャンが招かれていることを知り、クリスチャンは便宜上ダニーのことも仕方なく誘い、一緒に夏至祭へ参加することとなりました。

ダニーとクリスチャンの2人は留学生ペレやその他の友人たちと一緒にスウェーデンにある「ホルガ村」を訪れます。周囲は見渡す限りの草原で、村人たちは全員が白いを服を着ていました。これに魅了された彼らは現地で出会ったペレの友人カップルとも知り合い、翌日に控えた夏至祭に向けて白夜を過ごします。

夏至祭当日になると大きなテーブルに村人全員が座り、楽しい食事がスタートします。その後、村の年長者2人が崖上に登場し、いきなりそこから身を投げる儀式が行われることに。これに驚いたダニーたちでしたが、さらに身を投げた男性にまだ息があることを知ると、村人がハンマーで頭を叩き潰し、息の根を止めます。村長曰く、これは村人全員が72歳になると行う儀式であることが明かされ、村の異常さを知ることになります。

村人が崖から身を投げたのを見た一行はそれに驚き、一緒に来ていたサイモンとコニーはこれに対して猛抗議を行います。その後、2人は村を出ていくことを決めるも、翌日にサイモンの姿が見当たらないことにコニーは気付きます。そこで彼は村人から「サイモンは村を出ていった」と知らされ、コニーも村を出ていくことにします。

ダニーたちと一緒に現地へ来ていたジョシュは当初からこの夏至祭を論文にまとめようと考えていたものの、そこへクリスチャンまで「夏至祭を論文にまとめる」と言い出し、2人は喧嘩に。その後、村にある古い書物を知り、その書物を写真を撮らせてもらうよう村人にお願いするも断られてしまいます。ジョシュはどうしても写真に撮りたい欲望にかられ、ついに写真を撮ってしまうも村人から後頭部を殴られ倒れてしまいます。

ダニーたちと一緒に現地に来ていたマークは村の神聖な木に立小便をしてしまいます。本人は神聖な木とは知らずに行いましたが、村人からはこっぴどく怒られてしまいます。その後の夕食時、マークは村の女性に誘われ、そのままどこかへ消えてしまいました。

一方のダニーは村の女性たちに誘われ、最後のひとりになるまで踊り続けるという競争に参加させられます。ここでは全員が白い服に花の冠をかぶり、全員で手をつないでメイポールの周りをグルグルと周ります。ダニーはこの競争で見事最後まで残り、メイクイーンとして女性たちと一緒に村を行進するのでした。

クリスチャンは夏至祭に参加してから村の少女から求愛を受けていて、そこで村人から促される形で少女と性交を行うことになります。彼は衣服を脱がされ、全裸の女性たちに誘われ、流れに身を任せて性の儀式を行います。

ダニーは建物から女性の喘ぎ声が聞こえることに気付き、そっと近寄るとそこでクリスチャンが村の女性と性の儀式を行っているのを目撃。彼女は突然強烈な発作に見舞われ、大声で泣き叫びます。これに一緒についてきていた村の女性たちも大声で泣き叫び、辺りは騒然します。

クリスチャンは性の儀式が終わったあと、気が動転して全裸のまま建物の外へと飛び出してしまいます。その後は村をさまようことになりますが、そこで友人たちの無残な姿を発見してしまいます。そこでさらに動転してしまうものの、後ろにいた村人に何かの粉をかけられ、そのまま意識を失ってしまいました。

ダニーはその後、集まった村人たちから「悪魔を追い払うため9人のいけにえが必要」であることを知らされ驚きます。ここで一緒に来ていたジョシュ、マーク、コニー、サイモン、崖から身を投げた2人の村人などがいけにえだったことを知ります。さらに彼女は最後のいけにえを恋人であるクリスチャンにするか、それとも村人にするかの選択を迫られてしまいます。

ダニーは村人から最後のいけにえの選択を迫られ、恋人であるクリスチャンを選びます。一方のクリスチャンは内臓を出した熊の体の中に入れられ、神殿にいることを知るも神殿には火が放たれてしまいました。

ミッドサマーのラストシーンについては様々な解釈がなされていて、見る人によって受け取り方が違うようです。最後はダニーが燃え上がる神殿を見ながら笑顔を浮かべていて、この様子は「ハッピーエンド」、「バッドエンド」と意見が分かれています。