ヴォイニッチ手稿の内容解読は危険?その正体や全文ダウンロードなどを総まとめ
ヴォイニッチ手稿は1912年にイタリアで発見されてから、100年経った今でも解読不可能となっている謎の多い文書です。そんなヴォイニッチ手稿の内容はどんなものなのでしょう。また、全文をダウンロードする方法やその正体、危険と言われる理由などもまとめています。
ヴォイニッチ手稿に記述されている文章は、自然言語または人工言語で、でたらめな文字列ではないと判断されました。また、植物の絵に関しては、とても精巧に描かれてはいるものの、現存する植物の種類に当てはまるものがないということ。
以上のことから、どんな意味でこれほど詳細な、架空のものと考えられる、植物の挿し絵が入っているのかの理由はわかっていません。また、描かれた人物のほとんどが全裸であることから、服飾の文化や時代の推定も困難となっています。
Voynich manuscript. All pages scanned (undeciphered language)
出典:YouTube
ヴォイニッチ手稿の解読を試みる
1912年に、イタリアで発見された古文書のヴォイニッチ手稿は、何人もの著名な言語学者や暗号解読研究者の手によって解明を試みられましたが、現在も内容の解明はされておらず、謎の怪文書として歴史に名を刻まれています。
そんなヴォイニッチ手稿の解読に挑んだ人たちの、ヴォイニッチ手稿の意味や仮説を辿っていきます。
ヴォイニッチ手稿解読説①:ウィリアム・フリードマンの説
ヴォイニッチ手稿解読説②:レオ・レヴィトフ
ヴォイニッチ手稿解読説③:スティーブン・バックス
その結果、印欧語族に属する言語ではなく、セム語族あるいはコーカサス諸語に属する言語、またはさらに東のアジア人の言語で記されていることがわかったそうです。
わかりやすく記しますと、「ヴォイニッチ手稿の言語は、おそらくヨーロッパ語ではなく、近東語、コーカサス語、アジア語である可能性が高い。」ということです。
しかしこれは、あくまでも可能性であって、解読ではありませんでした。
出典:YouTube
イェール大学のバイネキー稀少本・原稿図書館の奥深くに240ページの不思議な本が眠っています。最近、放射性炭素の年代測定で1420年代のものと判明し、輪が連なったような手書きの文字や、夢から飛び出してきた様なイラストが特徴です。この本は「ヴォイニッチ手稿」と呼ばれ、今まで誰もそこに書かれている内容を解明した人はおらず、歴史上最大の未解決の謎の一つとされています。スティーブン・バックスはこの不可解な本の解明に取り組んでいます。 講師:スティーブン・バックス、アニメーション:TED-Ed *このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/the-world-s-most-mysterious-book-stephen-bax
ヴォイニッチ手稿に新たな有力な解読者が加わる!
これまでの100年の間に、以上のような有力と思われる解読が検証されましたが、いずれも可能性の域を越えることはありませんでした。
しかし、2019年4月にイギリス・ブリストル大学の言語学者ジェラルド・チェシャー教授が、たった2週間でヴォイニッチ手稿の解読に成功したと発表。
上の絵は、死産で産まれた赤ちゃんの絵で、文字の意味は「死んだ赤児」です。
このように、女性が入浴する姿や流産や死産などの絵も描かれており、正に王妃のための手稿だったという説は濃厚となっています。
チェシャー教授は「今回解明された言語表記ルールを活用して、専門家たちと内容の解読作業を進めていく予定だ」と話していました。
ヴォイニッチ手稿の作者を考察
以上、ヴォイニッチ手稿の内容や解読などを解説してきましたが、実際の作者は一体誰なのでしょう。
上述していますチェシャー教授の解読では、ドミニカ修道女がヴォイニッチ手稿の作者だとしています。しかし、古くから作者として挙がっている候補が2人いますので、そちらも解説していきます。
ヴォイニッチ手稿の作者をイングランドの学者、ロジャー・ベーコンとする説
ヴォイニッチ手稿の作者をイングランド生まれの錬金術師、エドワード・ケリーとする説
ヴォイニッチ手稿の過去から現在までの所在の歴史を辿る
ヴォイニッチ手稿の内容や解読者、作者などを考察してきましたが、いずれも想像の域を超えることはできませんでした。
それでは、ヴォイニッチ手稿が100年ほどの間に誰の手に渡っていたのかを調べると、この謎の歴史が明らかになるかもしれません。
錬金術師ゲオルグ・バレシュから親友ヤン・マレク・マルチへ
ヴォイニッチ手稿が最後に発見されたのが1912年のことで、古物商で愛読家のウィルフォリド・ヴォイニッチでした。そこから遡ること270年余り前の1693年に、チェコ・プラハの錬金術師ゲオルグ・バレシュが、イエズス会の言語学者アタナシウス・キルヒャーに宛てた手紙でした。
ゲオルグ・バレシュはその時、手元にヴォイニッチ手稿を持っており、アタナシウス・キルヒャーに趣向の解読を頼むために書いた手紙だったのです。
アタナシウス・キルヒャーは、解読を試みますが失敗に終わります。しかし、手稿に興味を持って譲り受けることを願い出ます。バレシュは、その時断っているということ。
その後バレシュは、親友のヤン・マレク・マルチにヴォイニッチ手稿を渡し、マルチからキルヒャーに渡ったようです。その時、マルチからキルヒャーに宛てた手紙によって、手稿の所有者の遍歴が明らかになっています。
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暗号解読者で、第二次世界大戦の時に日本軍のパープルコードを解読したことで知られるウィリアム・フリードマン氏が、1945年にヴォイニッチ手稿解読に挑戦しています。
しかし、解読成功には至らなかったということ。彼の持論では、ヴォイニッチ手稿は暗号というよりも人工言語の類ではないかと示唆しています。