ティリクム(シャチ)について

ティリクムのプロフィール

ティリクムのプロフィール

生物:シャチ(Orcinus orca、オルカ)
品種:アイスランド系
性別:オス
生誕:1981年11月
没日:2017年1月6日(35歳)
活動地:太平洋シーランド、フロリダ州オーランドシ―ワールド、シーワールド・サンディエゴ
活動期間:1983年~2017年
体重:12,000ポンド (5,400kg)
体長:22.5フィート(6.9m)

人間に飼育されているシャチの中では最大級

人間に飼育されているシャチの中では最大級

ティリクムの体長は6.9m、体重は5,400kg以上あります。

右の胸びれの端から左の胸びれの端までの長さは2.1mあり、左右の尾びれが下にカールしていて、2mの高さがある背びれは完全に体の左側に倒れているのが特徴。

また、ティリクムは人間に飼育されているシャチの中では最大級です。

ティリクムという名前は、太平洋岸北西部の言語、チヌーク・ジャーゴン(コロンビア川流域の先住民族の言語)で「友だち、関係、部族、国家、庶民」を意味する言葉だということです。

ティリクムは3名の死亡事故に関わっている

ティリクムは3名の死亡事故に関わっている

ティリクムが捕獲され、人間に飼育されるようになってから、収容された水族館で起こった3人の人物の死亡事故に関係しています。

太平洋シーランド時代の調教師1名、フロリダのシーワールド時代の調教師1名、そして、シーワールドの敷地内に不法侵入した男性1名の、計3名の死亡事故に関わっています。

ティリクムの経歴

ティリクムは2歳のときに捕獲される

ティリクムは2歳のときに捕獲される

シャチのティリクム「愛称:ティリー(Tilly)」は、アメリカ合衆国フロリダ州オーランドにあるシーワールドで飼育され、ショーを楽しませてくれたオスのシャチです。

ティリクムは2歳のとき他の2頭の若いシャチとともに、1983年11月にアイスランド東部のベルフィヨルズルで巻き網によって捕獲されました。

ハフナルフィヨルズル海洋動物園で1年飼育される

ハフナルフィヨルズル海洋動物園で1年飼育される

ハフナルフィヨルズル海洋動物園の水槽でほぼ1年間飼育された後、カナダのバンクーバー島ビクトリア市郊外のオークベイにある、太平洋シーランドに移されます。

2頭のメスのシャチからいじめに遭う

2頭のメスのシャチからいじめに遭う

太平洋シーランドでは、ハイダ2世とヌートカ4世という2頭の年上のメスのシャチと一緒に暮らしていましたが、シャチの特性である母系社会構造の結果、ティリクムはハイダ2世とヌートカ4世に虐待されました。

飼育員はティリクムを保護するために、トレーナーが飼育している小さな医療用プールに移すことを余儀なくされました。

1992年1月9日フロリダ州オーランドのシーワールドに移送

1992年1月9日フロリダ州オーランドのシーワールドに移送

ティリクムがフロリダ州オーランドのシーワールドに移されたのは、太平洋シーランドでの死亡事故により、施設が閉鎖された後の1992年1月9日でした。

ティリクムはそこでも2度の死亡事故に関わっています。

2017年1月6日ティリクム死亡

2017年1月6日ティリクム死亡

2010年に起こった3度目の死亡事故の1年後(2011年3月30日)に、ティリクムがショーに復帰します。

同年11月、ティリクムが病気になり欠場。その後2012年4月に再び復帰します。

しかし、2016年になると、ティリクムの健康状態が悪化。シーワールドの話では肺の感染症に罹っていると述べていました。

これに対して「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」では、ティリクムを海に返せと抗議の声が挙がっています。

しかしその声が届かず、2017年1月6日、ティリクムの死亡が発表されました。死因は細菌感染だったということです。

ティリクム・シャチ事件に関する死亡事故について

野生のシャチが人間を襲うことは珍しく、致命的な攻撃は記録されていません。現在、飼育下のシャチとのふれあいが原因で、4人の人間が死亡しています。ティリクムはそのうちの3人の死亡に関わっています。

1度目の死亡事故

1度目の死亡者はカナダの学生ケルティ・リー・バーン

1度目の死亡者はカナダの学生ケルティ・リー・バーン

1度目はカナダの学生であるケルティ・リー・バーンさんが死亡する事故でした。彼女は競泳選手で、小遣いを稼ぐために太平洋シーランドで働いていました。

バーンさんは、足を滑らせてティリクムとハイダ2号、ヌートカ4号のいるプールに落ちてしまいました。その後、3頭のシャチは彼女のまわりをグルグル回り、プールからあがることを妨害していたようです。

ある目撃者によりますと、ティリクムが彼女の脚を掴んで水中に引きずり込んでいることに気付いたそうです。また別の目撃者の話では、バーンさんが「死にたくない」と叫ぶのが聞こえたということ。

他の調教師たちは、バーンさんを助けようと浮き輪をプールに投げ入れましたが、シャチたちはバーンさんを浮き輪から遠ざけていたようです。

彼女は3回目の浮上で悲鳴を上げますが、そのまま亡くなってしまいました。

バーンさんは水中で既に意識を失っており、シャチたちはバーンさんを話そうとしなかったようです。

検死の結果、彼女の死は事故と断定されています。

2度目の死亡事故

2度目の死亡事故は、フロリダ州のシ―ワールドで起きました。亡くなったのはサウスカロライナに住む、27歳のダニエル・P・デュークスさんという男性です。

デュークスさんは無断でティリクムのいるプールに入り、亡くなっています。

当初シーワールド側ではデュークスさんのことを浮浪者と語っていましたが、彼は自然と環境保護を愛する、定住していない旅人として知られ、窃盗や浮浪者としても知られているということ。

デュークスさんの遺体は水中で発見され、シャチによって無惨な姿にされていました。

彼の両親は、デュークスさんの死から2か月後にシーワールドに対して訴訟を起こしていましたが、取り下げられました。

保護活動家、海洋哺乳動物の専門家リック・オバリー氏は、デュークス氏はおそらく何らかの悪意を持ってティリクムの水槽に近づいたのではなく、自然を愛する彼がシャチに魅了され、その水槽を訪れたかったのだと主張しました。

さらに、「シャチはおそらく、デュークス氏を引きずり下ろし、水中に押さえ込んだのだと思います」と主張しています。

3度目の死亡事故

2010年2月24日、3度目の死亡事故が発生しました。相手はベテラントレーナーのドーン・ブランショーさん。彼女はショーの後の日課として、ティリクムをさすっていたところ、結んでいた髪の毛を掴まれて水中に引きずり込まれました。

その場面は十数人の常連客によって目撃され、職員たちはティリクムの気をそらそうと網を使ったり、餌をティリクムに向かって投げたりしました。

最終的に繋がっている他のプールを次々に移動させて、ティリクムを小さな治療用のプールに誘導しました。そのプールはティリクムを落ち着かせやすかったのです。ティリクムは落ち着くとブランショーさんの遺体を口から放しました。

検視結果は、鈍的外傷と溺死によるもの。また、脊髄が切断されており、顎の骨、肋骨、頸椎が骨折していました。さらに、頭皮は頭から完全に剥がされており、左腕は肩の下あたりで切断されていたそうです。

彼女の死は、シャチと一緒に働くことの安全性と、クジラや他の海洋哺乳類を飼育することの倫理をめぐった論争と訴訟問題に発展しました、

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