1984年3月22日、ヴァージニア・マクマーティン、ペギー・マクマーティン・バッキー、レイ・バッキー、レイの妹ペギー・アン・バッキー、教師のメアリー・アン・ジャクソン、ベティ・レイダー、バベット・スピトラーは、115件の児童虐待で起訴され、後に48人の児童を含む321件の児童虐待に拡大された罪で起訴され、予備審問が始まります。

20ヶ月に及ぶ予備審問で、ラエル・ルービン弁護士率いる検察側は性的虐待の理論を提示しました。そのときの子供たちの証言は一貫していませんでした。

悪魔儀式虐待の自伝『Michelle Remembers』の共著者であるミシェル・スミスとローレンス・パズダーがこの事件に関わった親子と面会したのが、子供たちの証言に影響を与えたと、最初の検事グレン・スティーブンスは考えていました。

1986年から担当した新しい地方検事アイラ・ライナーは、証拠を「信じられないほど弱い」とし、ヴァージニア・マクマーティン、ペギー・アン・バッキー、メアリー・アン・ジャクソン、ベティ・レイダー、バベット・スピトラーの5人に対するすべての起訴を取り下げています。

第1回公判は1987年7月13日に開かれました。レイ・バッキーと同房だったジョージ・フリーマンが、第一回公判でレイが犯行を自白したとうその証言をしたことが明らかになっています。

ジョージ・フリーマンは、検察側に有利な扱いを受ける代わりに、証言を捏造したことが何度かあったということ。

1990年1月18日、陪審員による3年間の証言と9週間の審議の後、ペギー・マクマーティン・バッキーはすべての訴因で無罪となりました。

また、レイ・バッキーは65の訴因のうち52の訴因で無罪となり、5年以上の刑務所生活の後、保釈されています。

レイ・バッキーはその後、一審で無罪とならなかった13件の訴因のうち、6件について再審されることに。

二審は1990年5月7日に開かれ、1990年7月27日に再び評決不一致となります。その後、検察側は有罪判決を得ることをあきらめ、レイ・バッキーに対する告訴はすべて棄却、事件は終結しました。

マクマーティン保育園の荒れ果てた姿ですが、何の根拠もなく性加害者にされて終わってしまいました。以前は元気な園児たちが走り回るような素晴らしい保育園だったでしょう。

ある日突然犯罪者にされてしまったバッキー家の人達とメアリー・アン・ジャクソン、ベティ・レイダー、バベット・スピトラーの7人は、最悪の冤罪事件の犯人とされましたが、本当は被害者ではないでしょうか。

告発者のジュディ・ジョンソンは精神疾患を患っていましたが、極端な解釈をすると犯人と呼ぶべき人物のような気がします。

この事件は7年間続き、1,500万ドルが費やされ、米国の法制度史上最も長く、最も高額な刑事事件となりましたが、最終的に有罪判決は下されませんでした。

2005年、事件の証人となった（成人した）子どもの一人が虐待の申し立てを撤回しています。そのコメントを下記に引用しています。

マクマーティン裁判の影響は、カリフォルニア州の外にまで及びました。

全米の保育園の経営者たちは、自分たちの行為が虐待の兆候と解釈されるかもしれないという恐れから、子どもたちを抱きしめたり、触ったりする行為に抵抗を示しました。

痴漢訴訟を恐れた保険会社が賠償責任保険料を大幅に値上げしたため、多くの保育園が閉鎖に追い込まれたのです。

また、マクマーティンの捜査にまつわる初期の宣伝は、他の場所でも保育園に対する告発の嵐を巻き起こしました。しかし、その多くは根拠のないものであることが判明しています。