カニ漁が始まる時期は最も危険な冬

カニ漁が始まる時期は最も危険な冬

10月~12月にかけてはカニの王様、タラバガニの漁獲期間となり、100艘以上の船が漁場に向けて出発します。この時期はまだ気候も温暖で、船に波がかぶっても凍りつくようなことはありません。

しかし、ズワイガニ漁の1月~3月の時期は最も危険な漁となります。

高波が船を一瞬で凍りつかせる

高波が船を一瞬で凍りつかせる

風速20mの強風が吹き荒れて波の高さは10mを超え、4トンもの海水が一瞬にして船を凍り付かせてしまいます。その重みは船の重量に匹敵するほど。

甲板員は船の転覆を防ぐため、大型のハンマーで何時間も氷を砕くという作業に追われ、漁にかける時間を削ってしまうのです。

船の故障や人的ミスは1日3時間の睡眠もとれなくなってしまう

船の故障や人的ミスは1日3時間の睡眠もとれなくなってしまう

これが船についた氷。こんなのをハンマーでバンバン割っていく作業は、いくら力のある男性でもかなりの体力が必要ですね。

1日たった3時間の睡眠時間は、この作業のためにほとんどなくなってしまうのです。

睡眠時間がとれないと、ちょっとしたことでもイライラしてトラブルになってしまうことも。また、船の甲板は滑りやすくなっており、転倒して怪我を負ってしまうこともあります。

特に小さな漁船の場合は、たった1人の故障者でも人員不足で大打撃になってしまいます。

さらに、船の故障はカニ漁に致命的なダメージを与えてしまいます。捕獲したカニを保管しておく貯水槽が壊れてしまったり、オイルパイプが破損して重大事故につながったりすることもあります。

修理に係る時間はカニ漁の時間を減らしてしまうため、これもストレスにつながってしまうのです。

特に経験の浅い若い作業員はミスをしやすいため、せっかく捕れたカニを台無しにしてしまうこともあります。

2月のベーリング海の海水温度は氷点下

2月のベーリング海の海水温度は氷点下

ちょっとしたミスから命を落とすこともあります。2月のベーリング海の水温は氷点下です。サバイバルスーツを着ていても、生き延びられる時間は1~2時間。

もしもサバイバルスーツなしで海に落ちれば、生き延びられる時間はわずか4秒ほどです。1人の作業員が海に落ちた1秒後に救出された時も、深部体温が下がり危険な状態となりました。

過去には20艘以上の船が転覆し、80人を超える人が亡くなっています。

【カニ漁】「原点」ベーリング海の一攫千金 S1 (Full) Ep.1 | 期間限定公開 (ディスカバリーチャンネル)

出典:YouTube

ズワイガニ漁に出発してすぐ懸念されていた事故が起こってしまう!

『ベーリング海の一攫千金』エピソード5で、タラバガニ漁が終わり、第2弾のズワイガニ漁に出港した矢先の出来事です。

1月15日午前7時34分、漁獲船の「ビッグバレー号」のイーパブが遭難信号を発信したと沿岸警備隊から連絡が入ります。

ビッグバレー号は全長28メートルの大型の漁獲船で、船長はこの道14年以上のベテランです。一体何があったのでしょう。

イーパブを海に落としてしまったということと、実際に船が転覆したという2つの仮説以外に考えられませんでした。

信号の発信地は北緯57度14.4分、西経172度22.8分の位置で、ベーリング海の中心に位置する場所でした。他の漁獲船5艘が漁を止めて捜索に乗り出します。

遭難信号が確認されてから約3時間後の午前10時15分、エサ箱が浮かんでいるのが発見されます。この光景に他の船の乗組員たちは、ビッグバレー号が転覆して海に沈んだと確信しました。

しかしその2時間後の12時4分に救命ボートが一艘確認され、6人の乗組員のうち1人が救助されました。その後、生存者から事故の状況を聞くことが出来ました。

転覆時に2人が救命スーツを身につけていて、もう2人は身につけていなかったということ。残る1人の状況はわからなかったそうです。

船長と船員1人は救命ボートを準備中に海に転落してしまいました。この極寒では10分も生きられないだろうということ。

12時45分に、沿岸警備隊が救命スーツを着た人間を1人発見して救助しましたが、既に死亡していました。

ビッグバレー号の乗組員は、事故当日午前7時15分に目を覚ました時、船内は暗く45度から90度に傾いていました。その数分後に船首から沈んでいったということ。

残る乗組員を探すため、カニ漁が中断されて全員がビッグバレー号の乗組員の捜索に奔走します。

その甲斐あって、午後1時45分に沿岸警備隊が救命スーツを着たもう1人を発見。救助後すぐに心肺蘇生を試みますが、蘇生することはありませんでした。

【カニ漁】ベーリング海の一攫千金 S1 (Full) Ep.5 ビッグバレー号の遭難(字) | 期間限定公開 (ディスカバリーチャンネル)

出典:YouTube

ベーリング海のカニ漁で貰える給料はいくら?

500万円~1500万円

500万円~1500万円

カニ漁は、タラバガニの漁が10月~12月までの3か月間で、ズワイガニの漁が1月~2月までの2か月間です。

しかし、全ての期間で漁をやっているわけではありません。その年のカニの生育状況によって異なります。

カニ漁の就業期間は約3か月間が平均です。1回の漁で漁獲量が少ない場合は500万円、多い場合は1500万円と幅があります。

働けるのは約3か月だけ

働けるのは約3か月だけ

1年間働くことが出来れば、年収は1億円にもなるでしょう。しかし、1年を通してカニ漁をやっているわけではなく、約3か月間しか働くことができません。

それにプラスして、過酷な労働と危険を伴いますね。一攫千金を目的として働くには、あまりにも割が合わないのではないでしょうか。

そう考えても夢のような仕事です。3か月で1年分を稼いで、あとの9か月は楽をして暮らそうと思っている方には最適かもしれませんね。

ベーリング海のカニ漁は日本人には敷居が高い

ベーリング海のカニ漁は日本人には敷居が高い

『ベーリング海の一攫千金』をご覧になってカニ漁に興味が湧いた方は、日本人でも働けるのかを調べてみてください。しかし、日本人がカニ漁に参加するのは、そう簡単ではありません。

ベーリング海でカニ漁の仕事をするためには、アラスカの漁師組合に加入することが先決。手続きなどは英語での交渉が必須となります。

また、働くにあたっては、アメリカやカナダでの就労VISAが必要となります。更に、「カニ漁の採用試験」というのがあるらしいので、勉強もしなければなりませんね。

下記のサイトにカニ漁の仕事にオファーするための条件が記載されているようです。

ベーリング海の海難事故で日本人が死亡した事例を紹介

日本の漁船も、過去にベーリング海で沈没し、多数の日本人犠牲者を出した事故がありました。ベーリング海の怖さを思い知らされた事故でもありますね。

ここでは、日本の漁船がベーリング海で海難事故に遭った有名な事例を、3例紹介していきます。

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