23時10分

23時10分

指令所から出力降下の許可が下りたので、作業を再開した。

4月26日0時28分

4月26日0時28分

高出力領域から低出力領域での制御方式に切り替えたが、目標値の設定を忘れたので、3万キロワットまで下がってしまった。そのため作業員は、出力を上昇させるため、制御棒を引き抜いた。

1時~1時3分・7分

1時~1時3分・7分

20万キロワットまで上昇したがそれ以上上がらず、想定外の出力だったが実験の実施を決断する。

運転中の6台の循環ポンプが稼働、その後2台の予備ポンプを追加して、合計8台のポンプが稼働した。炉心への流量が増えて、規定流量を越えたポンプがあった。

循環ポンプの流量が増えたことによって、気水分離タンク内の水位が低下、非常レベルまで下がる。しかし、作業員は原子炉の停止を避けるため、水位と圧力のスクラム信号を無効化した。

1時19分

1時19分

気水分離タンクの水位低下を防ぐため、作業員は給水流量を増加させると、炉心の流量が増加していたことや、低温の水が供給されたため、炉心での蒸気の発生がさらに低下。出力維持のため、自動制御棒だけでなく、手動制御棒も引き抜かれてしまった。

1時22分30秒

1時22分30秒

中央計算機の打ち出しによって、作業員は、ORM(反応度操作余裕)の値が、今にも炉の停止を必要とする値にまで減少していることが明確だが、実験を強行する。

1時23分4秒

1時23分4秒

1時23分4秒:作業員は第8タービンの蒸気弁を閉じて実験が始まる。2台のタービンを切り離したことから、原子炉を停止するスクラム信号が出るのが通常だが、実験が思うようにいかなかった場合に備え、再実験ができるように、信号は作業員によって解除されていた。

実験開始後、炉心の流量は4台の循環ポンプが慣性発電の運転になったことで、徐々に低下を始めた。そして、流量の減少や蒸気発生の増加から、炉の出力が徐々に上がり始めた。

1時23分40秒から1時23分44秒

1時23分40秒から1時23分44秒

異常に気付いた作業員が、原子炉の緊急停止スクラムボタン(AZ-5)を押すが、炉心ではすでに暴走が加速していた。

そして、AZ-5を押した数秒後に衝撃を感じ、制御棒は下端まで下がらなかった。建屋の外にいた目撃者は、1時24分ころ2回の爆発が起き、花火のように吹き上がったと語った。

1時23分44秒:このとき、後の計算で原子炉出力は定格の100倍に達したと推定。

この時点で、技術作業員が行った操作は規則違反の行為で、それが原因で事故が起こったとしていました。

しかし1991年の2度目の調査により、炉の欠陥が事故の原因であると訂正されました。

象の足の意味や写真

こちらが通称「象の足」と呼ばれる写真です。

チェルノブイリ原発事故の際に形成された大量の炉心溶融物で、1986年12月に発見されました。現在は4号炉跡近くの保守通路にあります。

この物体は依然として非常に放射性性の高い物体ですが、時間の経過と共にその放射性成分の崩壊により、その危険性は減少しました。

多くの層からなる黒い皮質の塊で、外見は樹皮やガラスに似ています。 しわのある見た目が象の足に似ていることからこの名前が付けられました。

これは、チェルノブイリ原子力発電所の4号炉の下にある、はるかに大きな塊の1つの小さな部分です。「象の足」は、破壊された原子炉から南東に数十フィート、地下6メートルの217/2号室にあります。

象の足を構成する材料は、少なくとも2メートルの鉄筋コンクリートを通過し、パイプや亀裂を通って廊下を流れ、現在の場所に到着しました。

形成から約8か月後の発見当時、「象の足」付近の放射能は約8,000レントゲンでした。1時間あたり「※80グレー」の致死量で、人間なら5分以内で死亡するとされています。 この写真の撮影時は自動カメラを使用して写真撮影しました。

激しい熱と放射能で、コンクリートが溶けてこのようになったということ。オレンジ色の光が飛んでいるのは、放射能でフィルムが感光したためです。

※80グレーの意味
全身 に 3 ∼ 5 グレイの放射線を被ばくすると、60 日以内に半数が死亡し、被 ばく量が7から 10 グレイに及ぶと、ほぼ百パーセントの人が死亡すると いわれています。 人の死亡のしきい線量は 1.5 グレイとされています。 い いかえると、1.5 グレイを超えた場合、人によっては死亡する可能性がで てきます。

チェルノブイリ原発事故の被害状況

事故直後の被害結果

爆発直後原子炉建屋で作業していた技術作業員2人が死亡

爆発直後原子炉建屋で作業していた技術作業員2人が死亡

原発事故が起こった夜、発電所の2つの原子炉建屋には従業員が160名勤務して、建設現場には300名あまりの労働者がいました。

事故直後の爆発で、原子炉建屋で働いていた主循環ポンプオペレーターのヴァレリー・コデムチュクと、自動システム調整員のウラジミール・シャセノクの2名が死亡。

主循環ポンプオペレーターのヴァレリー・コデムチュクは行方不明

主循環ポンプオペレーターのヴァレリー・コデムチュクは行方不明

ヴァレリー・コデムチュクは爆発時、建屋の崩壊に巻き込まれて行方不明となり、現在に至るまで遺体は発見されていません。そんな理由から事故現場に建てられた記念碑のモデルになっています。

技術作業員や消防士達が急性放射線障害で激しく嘔吐

技術作業員や消防士達が急性放射線障害で激しく嘔吐

ウラジミール・シャセノクは脊椎損傷と肋骨の開放骨折、全身の放射線熱傷で意識不明のまま死亡しました。さらに、26日の午前3時ごろから、技術作業員や消防士達が急性放射線障害によって激しく嘔吐し、動けなくなる者が続出します。

事故から1か月後に急性放射線障害を発症する者が続出

事故から1か月後に急性放射線障害を発症する者が続出

事故から1か月後の5月には、ディアトロフ副技師長をはじめとする消防士や技術作業員達が次々に放射線障害で倒れていきました。

技術作業員の中で最初に急性放射線障害を発症し、5月21日に死亡したタービン技師のヴォロディームィル・サヴェンコフは、遺体の放射性物質汚染が一番ひどかったため、鉛製の棺での埋葬を余儀なくされました。

消防隊員と救急隊員の死者も出る

消防隊員と救急隊員の死者も出る

すぐに入院した203人中、死亡したのが31人で、その中の28人が急性放射線障害でした。ほとんどが事故を収束するために集まった消防と救急隊員でしたが、彼らには空気中の放射線被曝がどれだけ危険なものかは知らされていなかったということです。

避難と汚染

避難発令が出されたのは事故から36時間後

避難発令が出されたのは事故から36時間後

ソビエト連邦当局が、チェルノブイリ原発から10キロ圏内のプリピャチなどの住民避難を開始したのは事故発生から36時間後のことでした。その間地域の住民には事故について詳細な情報が伝えられていませんでした。

そのため、プリピャチの約4万7,000人の住民は、4月27日13時に避難のアナウンスがされるまで、空気中に飛散した放射性物質の汚染の事実を知らないまま生活していたのです。

事故から1週間後に10キロ圏内の13万5,000人が避難

事故から1週間後に10キロ圏内の13万5,000人が避難

さらに、原発から30キロ圏内の地域で避難指示が出たのは、それから1週間後のことでした。最終的に、チェルノブイリ原発から10キロ圏内に住む合計13万5,000人がこの事故によって避難を余儀なくされました。

ベラルーシの汚染が全体の60%

ベラルーシの汚染が全体の60%

チェルノブイリ原発事故による汚染は、風向きや天候によって不規則に広がりを見せています。ソ連や西側各国の科学者の報告書によりますと、ベラルーシが汚染の約60パーセントを受けたということ。また、北西ウクライナの一部だった、ブリャンスクの南側、ロシア連邦の広い地域も汚染されました。

原子力事故に最初に気付いたのはスウェーデンのフォルスマルク原子力発電所

原子力事故に最初に気付いたのはスウェーデンのフォルスマルク原子力発電所

この事故が起こった当初は、国内外問わず隠ぺいされていたため、原発事故の発生に最初に気づいたのは、チェルノブイリ原発からおよそ1,100キロのスウェーデン、フォルスマルク原子力発電所です。

4月28日の朝、出勤した職員の靴からアラームが鳴るほど高線量の放射性物質が検出されたのがきっかけでした。そのときフォルスマルク原発の技術者は、自分の原発所内から放射線が漏れていることを疑い、最悪で「核戦争」が起こったかもしれないと思ったそうです。

スウェーデン側の通報により仕方なく事故を認める

スウェーデン側の通報により仕方なく事故を認める

フォルスマルク原発では、即時に事態をスウェーデン当局に通報、その後、別の発電所からも高度の放射性物質汚染の通報がされたということです。

検討した結果、放射性物質が遠方から飛来していて、風向きから南東方向(チェルノブイリの方向)が飛来源であると判断。28日にスウェーデン政府から、ソビエト連邦のどこかで原子力災害が発生したのではないかと追及され、しかたなくチェルノブイリ原発で事故が発生したことを認めざるを得なかったのです。

被害人数と死者数

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