死亡した後藤さんの映像が投稿される

死亡した後藤さんの映像が投稿される

日本時間の2月1日午前5時、オレンジの服を着た後藤さんが座らされ、黒装束の過激派組織メンバーの男がナイフを持って隣に立っている様子が写し出され、その後、死亡した後藤さんの映像が写されました。

イスラム国は「さらなる日本人の殺りくを引き起こす」と表明

イスラム国は「さらなる日本人の殺りくを引き起こす」と表明

過激派組織メンバーの男は続いて安倍首相に対して「勝ち目のない戦争に参加する日本の決定のせいで、このナイフは後藤健二を殺害するだけでなく、さらなる日本人の殺りくを引き起こすことになる」とコメントします。

菅官房長官は1日の午前に記者会見を開いて、殺害されたのは後藤健二さん本人の可能性が高いことを示し、「卑劣極まりないテロ」とイスラム国を非難しました。

イスラム国日本人人質事件の現在~日本政府は効果的な交渉をしたのか

実行犯はイギリス人4人組の通称「ビートルズ」

実行犯はイギリス人4人組の通称「ビートルズ」

イスラム国日本人人質事件の実行犯は、ISILの「処刑部隊」のメンバーでした。メンバーの一味はロンドン出身者のイギリス人4人組であったことから、「ビートルズ」と呼ばれていました。

彼らには余罪があり、シリアで邦人を含む多くの外国人を拘束し、殺害した容疑がかけられていたということ。

邦人殺害の9か月後実行犯の1人ジハーディ・ジョンがアメリカ軍の攻撃で死亡

邦人殺害の9か月後実行犯の1人ジハーディ・ジョンがアメリカ軍の攻撃で死亡

アメリカ軍は湯川遥菜さんと後藤健二さんが殺害されてから約9か月後の2015年11月12日、無人機を使ってイスラム国の車両を攻撃。これにより、実行犯の1人であるジハーディ・ジョン(モハメド・エムワジ)が死亡しました。

エムワジ容疑者は覆面男「ジハーディ(聖戦士)・ジョン」の呼び名でも知られていました。

2018年1月実行犯のコテイとシャフィーの2名を拘束

2018年1月実行犯のコテイとシャフィーの2名を拘束

その約2年後の2018年1月中旬、民兵組織のシリア民主軍が実行犯のアレクサンダ・コテイとエル・シャフィー・エルシークを拘束し、身柄をアメリカに送りました。

シャフィ・シェイク被告(左)
アレクサンダ・アモン・コーテイ被告(右)

コテイとシャフィーは終身刑に

コテイとシャフィーは終身刑に

アメリカ南部バージニア州の連邦地裁は、実行犯の1人シャフィ・シェイク被告に終身刑を言い渡しました。彼は、湯川遥菜さんと後藤健二さんの殺害の幇助を含めた8つの罪で有罪とされ、その全てに終身刑を適用。

また、アレクサンダ・コテイ被告にも、同年4月に終身刑が言い渡されています。アメリカのメディアによりますと、イギリスからの身柄引き渡しを条件に、コテイとシャフィー被告への死刑判決は見送られたということ。

エイネ・デービスは懲役8年の判決を受ける

エイネ・デービスは懲役8年の判決を受ける

シャフィー被告は2012~15年に、イスラム国戦闘員としてシリア国内で欧米人など26人の拘束に主導的に関与して残虐な行為を繰り返していました。

両者が拘束された時期と同じ時期にイギリス警察は4人目の実行犯であるエイネ・デービスをロンドンの空港で逮捕しました。彼は2023年11月に、ロンドンの裁判所で懲役8年の判決を受けました。

湯川遥菜さんと後藤健二さんの殺害は避けられなかったのか

現在に至っては机上の空論となっていますが、湯川遥菜さんと後藤健二さんの殺害は避けることができなかったのかとの声も挙がっていました。

ヨルダンに対策本部で異論も

ヨルダンに対策本部で異論も

中東専門家の一部の方から指摘されていたのは、現地対策本部をヨルダンに設置したことでした。ヨルダンは有志連合国であり、イスラム国に対しての空爆にも参加しているのです。

イスラム国からすればヨルダンは「敵国」

イスラム国からすればヨルダンは「敵国」

イスラム国から見れば、ヨルダンはいわば「敵国」です。そこに対策本部を設置したことで、イスラム国の日本を見る目が敵国となった可能性も否めません。

ヨルダンと仲良くなったことで邦人人質の解放が難しくなった

ヨルダンと仲良くなったことで邦人人質の解放が難しくなった

ヨルダンとの関係を強化させた結果、湯川遥菜さんと後藤健二さんの解放の条件と、ヨルダン人パイロットの安否問題が交錯し、イスラム国の邦人解放に向けた対応が複雑化した可能性があると、専門家の間では出ていました。

菅官房長官は在シリア日本大使館がヨルダンに移ったことを言い訳にする

菅官房長官は在シリア日本大使館がヨルダンに移ったことを言い訳にする

2月1日の菅官房長官の記者会見でも、ヨルダンに対策本部を設置した判断はどうなのかという質問が出ました。対する菅官房長官は、在シリアの日本大使館を、治安悪化を理由に2012年3月から在ヨルダン日本大使館内に移していることから、ヨルダンに対策本部を設置するのは自然なことと回答しました。しかし、今後はこれまでの対応を検証していくと語っていたのですが・・・。

不透明なイスラム国との交渉パイプ

不透明なイスラム国との交渉パイプ

また菅官房長官は、日本政府は関係諸国に協力を要請する中で、「何が最も効果的かを考えて対応した」としていましたが、イスラム国との効果的な直接交渉はしていたのでしょうか。

イスラム国は当時の内閣総理大臣安倍晋三氏の行った支援や演説などで、日本を敵国とみなしている可能性が非常に高くなっていました。そのため、今後邦人がイスラム国に狙われる確率も高くなるかもしれません。

イスラム国日本人人質事件以降、現段階ではテロに相当するような事件は起こっていませんが、これからも警戒を厳しくする必要があるのではないでしょうか。

生きている!「生きて戻ってくる」ことを信じた遺族の声明文

私の名前はリンコです。シリアで捕らえられたジャーナリスト、後藤健二の妻です。彼は2014年10月25日、誘拐されました。それ以来、私は彼の解放のため、水面下で休むことなく、尽力し続けてきました。

私は今まで声明を出すことを避けてきました。健二の苦境について世界中のメディアが注目する中で、私は自分の子供と家族を守りたかった。私たち夫婦には、2人の幼い娘がいます。私たちの下の娘は健二が日本を離れた時には、わずか生後3週間でした。私は、2歳の上の娘が再び父親に会えることを望んでいます。2人の娘が父親のことを忘れずに、成長していくことを望んでいます。

私の夫は善良で、正直な人間です。人びとの困難な状況を報じるためにシリアへ向かいました。健二は、湯川遥菜さんの居場所を探し出そうとしていたと推測できます。遥菜さんがお亡くなりになったことは大変遺憾です。そして、彼の家族の悲しみをお察し致します。家族の皆様がどれだけつらい思いをされているかが、私にもわかるからです。

12月2日、健二を拘束した誘拐犯らからメールを受け取ったとき、健二がトラブルに巻き込まれたことを知りました。1月20日、私は湯川遥菜さんと健二の身代金として2億ドルを要求する動画を見ました。それ以来、私と誘拐犯との間でメールを何回かやりとりしました。私は、彼の命を救おうと奮闘したのです。

20時間ほど前に、誘拐犯は私に最新の、そして最後の要求と見られる文章を送ってきました。

「リンコ、お前はこのメッセージを世界のメディアへ公表し、拡散しなければならない。さもなければ、健二が次の犠牲者となる。29日木曜日の日没までに健治と交換するサジダがトルコ国境付近にいなければ、ヨルダン人パイロットを即座に殺す」。

これは私の夫にとって最後のチャンスであり、彼の解放と、ムサス・カサスベさんの命を救うには、あと数時間しか残されていないことを懸念しています。ヨルダン政府と日本政府の手中に、二人の運命が委ねられていることを考えて欲しいと思います。

同時に、私はヨルダン政府と日本政府の全ての努力に対して感謝しています。ヨルダンと日本の人々から寄せられる同情に対しても感謝しています。幼少の頃、、私の家族はヨルダンに住んでおり、私は12歳になるまで、(ヨルダンの首都である)アンマンの学校に通っていました。ですから、私にはヨルダンとヨルダンの人々に対して、とても親しみを持っており、多くの思い出があります。

最後に、私は、私と娘たちを支えてくれた、私の家族、友人たち、そして健二の同僚に感謝しています。私の夫と、ヨルダン人パイロット、ムアス・カサスベさんの無事を祈っています。

リンコ

現在、リンク元の情報は削除されています。
出典:https://rorypecktrust.org/rpt-live/January-2015/Urgent-plea-from-wife-of-Kenji-Goto

正一さんは「天の仕業というわけではないけども、他人にしたことは自分に戻ってくる」とコメント。「彼(ジハーディ・ジョン)が攻撃されたことを喜んでいるわけではない。ただただ、シリアの内戦は悲惨なことであり、早く終わってほしい」とし、「もちろん、憎しみというものはある。でもそれ以上に早く内戦が終わってほしい」と静かに語った。

世間を騒がせたことは「息子の父親として、道義的責任を強く感じている」としたほか、政府など関係者の尽力に感謝すると述べた上で、「この事件は私にとってはまだ終わっていない」とつぶやいた。

【まとめ】

イスラム教スンニ派過激グループの「イスラム国」が、湯川遥菜さんと後藤健二さんを殺害した事件に触れてきました。このようなテロ事件で邦人が殺害された例は初めてのことで、当時の内閣総理大臣である安倍晋三氏のスピーチが原因ではないかと囁かれていました。

この事件後は、イスラム国側の邦人に向けての目立った行動は見られていませんが、今後中東方面に渡航する機会がある方には十分な配慮が必要となるでしょう。

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