ジェフリー・ダーマーをシリアルキラーへと成長させた生い立ちとは?

プロフィール

プロフィール

本名:ジェフリー・ライオネル・ダーマー
別名:ミルウォーキーの食人鬼
生年月日:1960年5月21日
出身地:アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー
没年月日:1994年11月28日(34歳没)
没地:アメリカ合衆国ウィスコンシン州ポーテージのコロンビア連邦刑務所

概要と犠牲者一覧

概要と犠牲者一覧

ジェフリー・ダーマーとは、オハイオ州や地元ウィスコンシン州で、少なくとも17人の青少年を殺害し、屍姦、死体切断、食人行為を行ったシリアルキラーです。

その残虐性から「ミルウォーキーの食人鬼」という異名を付けられました。また、この事件は人種差別の観点からも警察に対する不信が起こり、これほどまでの犠牲者を出したのは、警察のマイノリティに対する偏見があったからだと厳しく非難されていました。

殺人の犠牲者
1.1978年6月:スティーブン・ヒックス(19歳のヒッチハイカー)
2.1987年9月15日:スティーヴン・トゥオミ(24歳の見習いコック)
3.1988年1月16日:ジェイムス・ドクステイター(インディアンの血を引く少年)
4.1988年3月24日:リチャード・グェレロ(ヒスパニック系の少年)
5.1988年9月25日:ケイソン・シンサソンフォン(ラオス人少年)未遂
6.1989年3月25日:アンソニー・シアーズ(26歳の黒人青年)

7.1990年5月29日:レイモンド・スミス(出所して間もない青年)
8.1990年6月24日:エディ・スミス(愛称「シャリフ」という青年)
9.1990年9月3日:アーネスト・ミラー(ダンサーの黒人青年)
10.1990年9月17日:デヴィッド・トーマス(23歳の黒人青年)
11.1991年2月18日:カーティス・ストローダー(19歳の黒人青年)
12.1991年4月7日:エロル・リンゼイ(19歳の黒人青年)
13.1991年5月24日:トニー・ヒューズ(31歳の聾唖者)
14.1991年5月:コネラク・シンサソンフォン(5番目の被害者ラオス人少年の弟)
15.1991年6月30日:マット・ターナー(23歳の黒人青年)

16.1991年7月5日:ジェレミア・ワインバーガー(24歳のトラック運転手)
17.1991年7月12日:オリバー・レイシー 
18.1991年7月19日:ジョセフ・ブレードホフト(失業中の白人青年)

小学生までの生い立ち

母親は精神状態が不安定だった

母親は精神状態が不安定だった

ジェフリー・ダーマーは1960年5月21日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで、父ライオネルと母ジョイスの間に生まれた長男です。ジェフリーの父親はジェフリーが幼少期の頃はマーケット大学で電子工学を学ぶ学生でした。

そのため収入が不安定で、ウィスコンシン州ウェストアリスにある父親の実家で暮らしていました。母親は情緒不安定で、ジェフリーを妊娠中つわりが酷く、医師からモルヒネやバルビツールなどの鎮痛薬や向精神薬を処方してもらい、妊娠中にもかかわらず、多い時で一日に26錠もの錠剤を服用していたということ。

ジェフリーを出産した後も病状は治まるどころか、日に日に悪化していき、ちょっとしたことで夫婦喧嘩が絶えなかったそうです。そのため、夫婦の仲は次第に悪化していきました。

父親は仕事を理由に家庭を顧みなかった

父親は仕事を理由に家庭を顧みなかった

その後父親のライオネルは、分析化学で博士号を取得。研究員として化学企業に就職し、各地を転々とします。父親は家のこと殆どを一切合切妻のジョイスに任せっきりだったということ。

しかし、ジョイスが2番目の子供を妊娠し、精神状態が悪化して薬漬けとなり寝たきりの状態になってしまいます。

母親は二男の妊娠で再び薬物依存が酷くなる

母親は二男の妊娠で再び薬物依存が酷くなる

薬を大量に投与し、薬物依存に陥ってしまった母親は、精神状態が悪化するばかりで、癇癪を起してばかりです。それに対して父親は仕事を理由に家庭を顧みないという家庭環境でした。

幼いジェフリーは、精神的に最も成長する時期に不安定な家庭で育っていくことになります。

ジェフリーは弟が生まれた6歳の頃から、一日中ボーっとして動かなくなることが多くなり、殆ど笑顔を見せない子供になっていきました。

8歳の時に隣人に性的虐待を受けた

8歳の時に隣人に性的虐待を受けた

またジェフリーは8歳から10歳の頃に、隣人から性的虐待を受けていたと記されていますが、詳細はわかりませんでした。この虐待が後のシリアルキラーになる要素と関係しているのかは定かではありません。

6歳違いの弟がいる

6歳違いの弟がいる

ジェフリー・ダーマーには6歳違いの弟、デイビット・ダーマーがいますが、両親の離婚がきっかけとなり、18歳の時に離れて生活をしています。

ジェフリーが34歳で亡くなるまでに再会しているのかは不明です。普通に育っていれば今頃は交流もあったと思われるところです。

中学から高校までの生い立ち

小動物の肉を強酸で溶かし骨を採取していた

小動物の肉を強酸で溶かし骨を採取していた

ジェフリー・ダーマーは学校時代は物静かで、一人でいることを好んでいたと言います。森の中で過ごすことが多く、父親に買ってもらった昆虫採集用の科学薬品セットで、昆虫や猫、ネズミなどの骨をホルマリン漬けにして集めるのに夢中になっていたということ。

その方法は小動物を強酸で溶かして骨を取り出すことでした。この行為は後のジェフリーの犯行でも使われます。また、動物の首を切り取って、木の枝に刺すという異常な行為も行っていたそうです。

既にこの頃から死姦(ネクロフィリア)の傾向が出現していた

既にこの頃から死姦(ネクロフィリア)の傾向が出現していた

ジェフリーはこの頃から死姦(ネクロフィリア)の傾向が出現していて、生きている動物の虐待は行っていなく、殺してから残虐な行為に及んでいたということ。

動物の骨は裏庭に骨塚を作って入れていたようで、両親はこのことには一切気付かなかったようです。それだけ子供に関心がなく、愛情を注いでいなかったという証拠ではないでしょうか。

高校時代はIQ145だが問題児だった

高校時代はIQ145だが問題児だった

こちらの写真は、ジェフリー・ダーマーとその父親ライオネル、弟のデイビットの写真ですが、とても和やかに撮られています。この頃のジェフリーはバス・タウンシップのリビア高校に通っており、「IQ145」ということで、注目されていました。

しかし、情緒不安定と注意力の欠如で成績は振るわず、授業妨害や弱い者いじめなど、様々な問題行動を起こしていたようです。そのため、問題児として評判が悪かったと言います。

ジェフリー・ダーマー殺人鬼への道を決定付ける両親の離婚

ジェフリー・ダーマー殺人鬼への道を決定付ける両親の離婚

1978年、ジェフリー・ダーマーが18歳になると、両親の不仲は頂点に達していました。ジェフリーはこのことにより、増々内にこもる様になっていきます。

以前から「耐えがたい虐待と、完全な義務の放棄」という理由で、提訴されていた父親は、サミット郡裁判所により離婚を認められ、弟のデイビットは母親に親権を与えられましたが、ジェフリーは成人とみなされ放置されることに。

その後父親は姿を消し、母親は弟を連れて出ていき、ジェフリーは見捨てられてしまいました。

ジェフリー・ダーマーが犯した事件の詳細

高校卒業を目前にしていた1978年に両親が離婚し、父親は一人姿を消して母親は弟を連れて出て行き、ジェフリーは一人家に取り残されます。この頃からジェフリーは自身がゲイであることに気付いていました。

孤独感と苦悩を紛らわせるためアルコールに依存するようになり、酒を飲んで登校し教師から叱責を受けたということ。また、ロッカーからジンのボトルが見つかって停学処分を受けることも。そんなジェフリーに殺人の意識が芽生えたのもこの頃からでした。

最初の殺人と遺体損壊

1978年6月半ば

1978年6月半ば

高校卒業を迎えた数日後、ジェフリー・ダーマーは町はずれのロック・コンサートでヒッチハイカーの19歳のスティーブン・ヒックスを拾い、自宅へ誘います。

暫く一人暮らしをしていたジェフリーは、久しぶりに気の合う青年と出会い、初めて人生を語り楽しんでいたのでしたが、スティーブン・ヒックスは父親の誕生日を祝うので家に帰ると言い出しました。

ヒックスが帰るのを阻止したかったジェフリーは、彼の背後からダンベルで殴って気絶させ絞殺しました。その後衣服を脱がせて肛門を犯し、ナイフで腹部を切り裂き、溢れ出た血を自身の体に浴びせたのです。

その後、内臓を一面にばら撒いてその上を転げ回って射精しました。遺体を暫く自宅に置いておきましたが、腐敗が進んだため頭部を残してバラバラにし、森の中に埋めたということ。

ジェフリーはこの出来事を「もっとも思い出したくない出来事」として後に語っていました。

最初の殺人から9年後に連続殺人が始まる

最初の殺人から9年間は、軽犯罪を犯すことはあったものの、殺人事件は起こしませんでした。しかし、父親の勧めでオハイオ州立大学へ進学するも、アルコール依存が酷くなり、講義には殆ど出席せず退学しています。

その後陸軍に入隊し、駐独アメリカ軍第8歩兵師団68連隊第2大隊に配属されますが、1981年に除隊。陸軍除隊後はチョコレート工場に勤務しました。

その間、父親も様々な面でジェフリーに介入しています。しかし、息子の異常性を見抜くことができませんでした。

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