ハプスブルク家とは?【家系図あり】

ハプスブルク家とは…

ハプスブルク家とは…

ハプスブルク家は、中世から20世紀初頭にかけての650年以上の長きに渡り、中央ヨーロッパを中心に強大な勢力を誇った王家の一族です。

当時、ヨーロッパ各地を治めていた神聖ローマ帝国やオーストリア大公国、スペイン王国、ナポリ王国、ボヘミア王国、トスカーナ大公国などの大公・国王・皇帝の家系となり、まさにヨーロッパの頂点に君臨し続けた一族なんですよね。

ちなみに全盛期とも言われる16世紀半ば時点でのハプスブルク家の領土は次の通りです。

16世紀半ばのハプスブルク家の領土

16世紀半ばのハプスブルク家の領土

色が付いている領域がハプスブルク家の領土です。

たった1つの一族が、これだけ長期間に渡って、かつ、これほどまでに広大な領域を支配し続けた例は世界的にも珍しいと言われています。

そんな世界に名を馳せた名門中の名門・ハプスブルク家ですが、元々は現在のスイス領内で発祥したドイツ系(アルザス系)の弱小豪族に過ぎませんでした。

2代目~3代目により、家名の由来となる「ハビヒツブルク城」が建てられ、12世紀に入った頃に、この城を本拠とする子孫が「ハプスブルク伯爵」を名乗ったを機に、この一族が「ハプスブルク家」と呼ばれるようになったようです。

ハビヒツブルク城

ハビヒツブルク城

ハプスブルク家が繁栄するきっかけを作ったルドルフ1世

そんなハプスブルク家が、大きくなる最初のきっかけとなったのは、当時の当主ルドルフ1世がローマ帝国の皇帝に選ばれたことでした。

13世紀、当時の神聖ローマ帝国では諸侯たちの足の引っ張り合いにより、20年近く皇帝不在の空位が続いていました。

そんな中、諸侯たちが自分たちに都合がよく、扱いやすい人物を皇帝の座に据えようと選んだのが、当時55歳だったハプスブルク家の当主・ルドルフ1世だったのです。

ルドルフ1世

ルドルフ1世

しかし、神聖ローマ皇帝となったルドルフ1世は、諸侯たちのそんな思惑に反し、ボヘミアやオーストリア一帯に領土を広げるなど、思わぬ活躍をみせるんですよね。

さらに晩年のルドルフ1世は、ハプスブルク家をさらに繁栄させるため、神聖ローマ皇帝の座を自身の末裔に継がせようと大奮闘したと言います。

そんなルドルフ1世が最初の1歩を示したことで、その約150年後にはハプスブルク家は、安定してローマ皇帝の座を世襲していくことになります。

ルドルフ1世

ルドルフ1世

ハプスブルク家の領土を爆発的に拡大したマクシミリアン1世

その後のハプスブルク家は、政略結婚により領土をどんどん拡大していくことになるのですが、このハプスブルク家の基本政策とも言える手法を駆使し、最も成果を上げたのはマクシミリアン1世の時代だったと言われています。

ハプスブルク家の家系図

ハプスブルク家の家系図

マクシミリアン1世自身が、結婚によりブルゴーニュや現在のオランダやベルギー、ルクセンブルクの3国、及び北フランスの一部を含む広大な地域を指すネーデルラントを獲得。

さらに、その子供のフィリップ美公とスペイン皇女・フアナの結婚により、イベリア半島の大部分と、ナポリ王国、シチリア王国を獲得すると…

孫のカール5世は、初代スペイン王とローマ皇帝を兼ね、ハプスブルク家隆盛の基礎を築きました。

ハプスブルク家の呪いとは?【家系図あり】

スペイン・ハプスブルク家の誕生

そして、マクシミリアン1世の子供・フィリップ美公の元に、スペイン皇女フアナが嫁いだことがきっかけとなり、ハプスブルク家はスペイン・ハプスブルク家とオーストリア・ハプスブルク家に分かれることになります。

フィリップ美公の子供であるカール5世は、神聖ローマ帝国のローマ皇帝とスペイン国王を兼任し、スペイン国王としては「カルロス1世」と呼ばれました。

カール5世(カルロス1世)

カール5世(カルロス1世)

時は大航海時代、初代スペイン王カルロス1世は次々と領土を拡大し、遂には遠くアメリカ大陸をも征服。やがて“日の沈まない帝国”とも呼ばれる世界最大の植民地帝国を築き上げました。

フェリペ2世を悩ませた世継ぎ問題

そして、スペイン・ハプスブルク家の2代目となるフェリペ2世の時に、一族はまさに黄金期を迎えるんですよね。

フェリペ2世

フェリペ2世

しかし、そんなフェリペ2世の豊富な財力をもってしても、どうにもならなかったことがあります。それはいわゆる「世継ぎ問題」だったんですよね。

フェリペ2世は3度結婚し、着々と子供にも恵まれるのですが、何故か誕生した子供は次々と早死にしていき、結局、40歳を過ぎても世継ぎいない状態となってしまいました。

当時、カトリックの王妃との間に誕生した子供だけが世継ぎと認められる時代だったことから、「正当な世継ぎ」を残すための苦渋の決断として、実の妹・マリアの娘であるアナとの結婚に踏み切ったのです。

ハプスブルク家の家系図

ハプスブルク家の家系図

つまり、“叔父と姪との結婚”と言うことになります。

その後、フェリペ2世とアナの間には、4人の息子と1人の娘が誕生するのですが…血が濃いためか子供たちは次々と亡くなり、最終的に残ったのは、フェリペ2世の跡を継ぐことになる、フェリペ3世だけでした。

フェリペ3世も世継ぎ問題に悩まされた挙げ句…

関連するキーワード

関連するまとめ

マザー・テレサは何をした人?修道院の闇・児童売買の噂・真実まとめ【ノーベル平和賞受賞…

カトリック教会の修道女マザー・テレサさんについて、「何をした人?」と話題になっています。また、マザー・テレサ…

cyann3 / 2642 view

ハプスブルク家の紋章は2つ?ライオンと双頭の鷲の意味を総まとめ

ヨーロッパの名門貴族「ハプスブルク家」。彼らは長年に渡ってオーストリアを治め、現在もその影響力は大きいのだと…

aquanaut369 / 3338 view

始皇帝の家系図や子孫!母親と兄弟など家族・結婚や嫁と子供も総まとめ

中国を初めて統一した秦の始皇帝。彼は一体どのような家族の元で育ち、子供や子孫たちはどうなったのか注目されてい…

aquanaut369 / 12724 view

ムッソリーニの最期や死刑!死因と晩年の写真・画像まとめ

イタリアの政治家であるムッソリーニについて、最期や死刑に関する話題が挙がっています。また、ムッソリーニの死因…

cyann3 / 9868 view

グレース・ケリーの名言ランキング30選【最新決定版】

グレース・パトリシア・ケリーは、モナコ公国の公妃で、元アメリカ合衆国の女優です。今回はそんなグレース・ケリー…

maru._.wanwan / 1552 view

ジャンヌ・ダルクは世界史で実在?生涯や魔女狩り処刑・心臓の逸話・名言まとめ

世界史で登場する人物「ジャンヌ・ダルク」について、実在する人物なのかが注目されています。また、年齢と生い立ち…

cyann3 / 5871 view

ヘレンケラーの死因!三重苦や晩年も総まとめ

『見えない、聞こえない、話せない』という‟三重苦”を抱えながらも、並みならぬ好奇心と努力で学問に励み、障害者…

sumichel / 3815 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

ニーチェの名言・格言ランキング104選【決定版】

現代では実存主義の代表的な思想家の一人として知られるドイツ連邦・プロイセン王国出身の哲学者、古典文献学者のニ…

maru._.wanwan / 3714 view

マリーアントワネットの身長!靴やドレスなどファッションも徹底分析

1700年代後半に一世を風靡したマリーアントワネットの洗練されたファッションは、現代のファッション界に於いて…

Mrsjunko / 3649 view

ネアンデルタール人の特徴!遺伝子が日本人に近い?身長・交雑・ホモサピエンスとの違いま…

絶滅したとされるネアンデルタール人について、その特徴が注目を集めています。遺伝子が日本人に近い噂や身長・交雑…

cyann3 / 3284 view

ユダヤ人の特徴!顔や性格など情報まとめ

世界中で多くの成功者を輩出しているユダヤ人。世界的に見てもユダヤ人というのは少数派ですが、世界的な有名人の多…

aquanaut369 / 7666 view

アレキサンダー大王の名言21!格言まとめ【決定版】

たくさんの作品で題材にされている「アレクサンダー大王」は、逸話なども有名で名言なども知られている偉人です。こ…

shasser / 1307 view

ライト兄弟の晩年と死因・子孫エピソードまとめ

飛行機の発明家として知られるライト兄弟について、晩年の活動が注目を集めています。また、ライト兄弟の死因と子孫…

cyann3 / 846 view

カーネル・サンダースの名言35選!格言ランキング【最新決定版】

日本でもお馴染みのケンタッキーフライドチキン創業者、カーネル・サンダースをご存知でしょうか? 「世界でもっと…

maru._.wanwan / 890 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク

"); } })(jQuery);