カスパー・ハウザーはアンゼルム・フォイエルバッハの紹介で、宗教哲学者ゲオルク・フリードリヒ・ダウマー教授の自宅に訪問しました。

そしてダウマー教授のご厚意で、彼の自宅で引き取ってもらえるようになります。

そこでカスパー・ハウザーは心境の変化が少しずつ出るようになります。

カスパー・ハウザーはダウマー教授との生活で、徐々に人間としての感覚を持つようになります。

例えば、自分の意思を示せるようになったり、日常の会話ができるようになるなどです。

また、以前はできなかった「生物とモノの違い」を理解できるように成長したそうです。

カスパー・ハウザーにとっては、ダウマー教授との生活は居心地のよいものだったようです。

カスパー・ハウザーはカスパー・ハウザーと生活する上で、彼の異常なまでの五感の鋭さに築きました。

これは牢屋での生活で培ったもののようで、視力は「暗闇で色を認識できるレベル」でした。

また、聴力は「隣の部屋の小声が聞こえる」、嗅覚は「近づいてくる人が匂いで分かる」などです。

一方、大音量や明るさ、酒類に弱いことも判明します。

カスパー・ハウザーは瞬間記憶の能力も高く、絵画もすぐに上手くなったそうです。

上記の絵画はカスパー・ハウザーが手掛けたもので、非常に美しい花が描かれています。

カスパー・ハウザーの才能は非常に人間離れしていることが判明しました。

カスパー・ハウザーは金属にも敏感で、引っ張られる感覚があり、目を閉じていてもその種類がわかったそうです。

現代の研究では第六感は「磁気」にあるという研究結果もあり、それをある意味証明する事例でもあります。

カスパー・ハウザーは生活を続けることで、正常な人間に少しずつ変化していきました。

ニュルンベルク市でも有名になったカスパー・ハウザーですが、彼を支えるように市民が彼を受け入れる形が整うようになります。

ある日、カスパー・ハウザーに対して、街中である噂が飛び交うようになります。

それは初代バーデン大公に似てるという噂で、画像を見るからに似た所があります。

カスパー・ハウザーがバーデン大公と似たという噂がある一方で、バーデン一族にもある噂が出ていました。

それは王室で「子供2人が行方不明になった」という事件で、それは同時期の出来事だったようです。

これは考察の1つでもありますが、ある子供との跡継ぎ問題で「入れ替え」が行われたという噂があるようです。

カスパー・ハウザーとバーデン大公の似てるという噂はしばらく、街で噂になっていました。

これを良くないと結論付けたバーデン大公は、関係者によって噂をかき消すことに成功します。

しかし、一部では逆に怪しまれるということもあったようで、カスパー・ハウザーとの関係が深まることにもなりました。

カスパー・ハウザーのその後ですが、1829年10月17日にある事件が起こってしまいます。

当時もダウマー教授の自宅で過ごしていましたが、そこに黒い服装をした何者かがやってきます。

そしてカスパー・ハウザーの額にナイフを突き刺し、額から出血を起こしました。

一命を取り留めたカスパー・ハウザーでしたが、彼は犯人に何かしらの目星があったようです。

その人物を聞くと、彼は「牢屋に閉じ込めた人と同じ声だった」と分析しています。

カスパー・ハウザーはしばらく安定した生活を送っていましたが、それがずっと続くわけではありませんでした。

お世話になっていたダウマー教授の病気により、その家を離れる必要が出てきました。

カスパー・ハウザーはそのまま家を離れ、孤立するようになっていきます。

そして、カスパー・ハウザーに対し、起こりたくない事件が起こってしまいました。

カスパー・ハウザーはその後、友人メイヤー博士の自宅に住むことになります。

しかし、その生活も安定したものではなく、長くは続きませんでした。

カスパー・ハウザーは1833年12月14日、メイヤー博士のリビングで倒れていた所を発見されます。

その時、彼は何者かに刺された状態で、大量出血を出していました。

カスパー・ハウザーは倒れていた時、意識朦朧としながら「男が…刺した…ナイフ…公園で」と発言します。

さらに続けて「財布を…すぐに行け」と答えており、公園に犯人がいることを示唆していました。

カスパー・ハウザーの話では、母親の情報をくれるとして公園に誘われたといいます。

そこで男に話しかけると急に脇腹を刺されたそうで、当時は雪の中だったそうです。

カスパー・ハウザーが証言する公園に警察がその後、駆けつけることになりました。

そこにはカスパー・ハウザーが取られたと思われる黒い財布と、一緒に逆さ書きの手紙が置かれていました。

そこには「カスパー・ハウザーは死ななければならない」と書かれていたそうです。

続けて「バイエルン国境の、川の側から来た」「名前はM・L・O」ということまで書かれていました。

カスパー・ハウザーは1833年12月17日、死亡が確認されました。

この日は刺された事件から約3日後のことで、彼の壽命は長くは持ちませんでした。

カスパー・ハウザーの死去について、最後の言葉も話題になっています。

彼は死去の3日前に不可解な、最後の言葉を残していたようです。

カスパー・ハウザーの最後の言葉として、「ネズミの死因は猫によることは多い」と語り始めました。

続けて「疲れた…とても疲れた」と語り、最後に「まだ長旅をしないといけないのに」という言葉がありました。

その後にカスパー・ハウザーは亡くなっており、後悔があるようなメッセージを残しています。

これらの言葉からカスパー・ハウザーは、自分の身元を知りたいという思いが強かったと予想されます。

カスパー・ハウザーは死去の当時、アンスバッハに移り住んでいました。

そのことからアンスバッハに彼の墓が建てられています。

また、彼の墓には「ここにいる不思議な男は不思議な死を遂げました」とメッセージが刻まれています。

カスパー・ハウザーが亡くなったアンスバッハですが、今でも彼を知る人は多く存在します。

決して事実とは言いませんが、彼は都市伝説としてドイツ国民に親しまれているようです。