「ええと、サタデー・ナイト・ライブ・ファンの皆さん、私は50歳になりました！　50歳よ！　まあこれを証明するにはこのドレスを脱がないといけないんだけど。だけど少年少女の皆、あなたが年を取ってトレーダー・ヴィックス・レストランに座ってるとしたら、皆なんて言うかしら？
私は50歳！ってきっと言ってるわよ。今夜は歩行器を持って行くつもりだっただけど、持ってきていないのはただ単に、この胸の谷間にマッチしなかっただけなのよね。

ロバート（プレゼンターのロバート・ダウニー・Jr）、私はあなたにありがとうと言わないといけないわね。あなたのイカレたマナーと、速射砲みたいな回転速度の頭脳と、素晴らしいご紹介全てに。
あなたとあなたの奥様スーザンを愛してるわ。私が怒りまくって『私は演技を止める。止めるったら止める。本当にもう演技はやり尽くした。もう私は終わり、終わったのよ』って言った時、根気強く私に話しかけてくれてそれを押しとどめてくれたことにとても感謝しているわ。

これは信じて欲しいけど、47年も映画業界にいるっていうのは本当に長い時間なのよ。ゴールデングローブ賞を欲しがるのは自分がクレージーな子供だからで、だからこそ永遠にそこらへんをうろちょろしてたわけ。
フィル、あなたは変人で、アイダ、スコット - 今夜私を称えてくれてありがとう。今日は今年で一番楽しいパーティーよ。そして今夜、私はプロム・クイーンになった気分。

ありがとう、クリップを見てよ。すごい髪形とか半端ないプラットフォーム・シューズだとかが写ってるでしょう。まるで終わらないホーム・ムービーの悪夢みたいだわね。

今夜ここのテーブルに座っている人たち、彼らは皆私の家族みたいなものなのよ。特に父親たちと言えるわね。重役達、プロデューサー、監督、そしてそこに座っている私の仕事仲間の俳優の皆さん、私たちはラブシーンの最中に笑っちゃったり、殴ったり、泣いたり、唾を飛ばしたり、吐いたり、鼻水を飛ばしたりそこらじゅうあちらこちらでお互いやってきたわよね。
それ全部私が好きな共演者達とやってきたことなんだから。 他の誰にも増して私が特別な思い出を共有してきたのはクルーの皆ね。血が混じりあうほどの友情、もはや兄弟姉妹よね。私たちは一緒に映画を作ったし、それ以上に親密になれることって無いわ。

それで、こうやってここで私が告解モードになっている間、なんだかちょっとこれまで絶対に公共放送でできなかった何かを言おうとする衝動に駆られている感じがしてきている気がするの。
だから、私が今ちょっとナーバスになっているって宣言は、私よりパブリシストの方がもっとナーバスになるってことよね。どう、ジェニファー？　だけど私はそうしようとしているの。声高く、誇りを持ってね。そうでしょ？　
だからこれをするにはあなたたちの支えが必要なの。

（ここで「私はゲイなの！」とカムアウトを期待していた会場から歓声がちらりと沸く。ところが……）

私はシングルよ！　そう、私はシングル！

（笑）ジョークよ、ってまあそれは本当にジョークじゃなく事実だって意味だけど。だけどまあジョークの部類には入るわね。私が言わんとしてることは、あら、熱狂してくれてるのね。ありがとう。誰か口笛吹いてくれない？　ジーザス。
真面目な話、今夜のこれがビッグなカミングアウト・スピーチになってないって皆が失望しないことを望むわ。と、言っても1000年も前の石器時代にも遡ろうかという時期に既にカミングアウトをしてる気がしてるんだけど。
大昔の古風で風変わりな時期に、まだ壊れやすい少女時代に私は信用のおける友人たちや家族、そして仕事仲間には自分のことを打ち明けていたわ。それから徐々に、誇りを持って皆に打ち明けることができたの。私のことを知っている人や、私に実際会ったことのある人たちにね。
だけど最近、セレブリティの皆がプライム・タイムのリアリティ・ショー番組や香水のローンチイベント、記者会見の場なんかで自分のプライベートな生活のディテールを披露することで栄誉を授かることを期待されてるって聞いたわ。

皆は驚くだろうけど、私は『ハニー・ブー・ブー』（同名の子どもが登場するリアリティ番組）のコじゃないのよ。悪いけど違うわ。私にはリアリティ・テレビ番組は合っていないし、これまでもそうだったし、これからも絶対そうならないわ。
だって私のリアリティ・テレビ番組がすごくつまんないし。だからって泣かないで頂戴ね。放送打ち切りにならないためにマリオン・コティヤールと寝たり、ダニエル・クレイグのお尻をぶったりしないといけなくなるでしょうからね。
悪い仕事じゃないけど、ただ単に私がわからないってだけなのよ。

だけど真面目な話、よちよち歩きの時から有名人であること、強い困難にある状態にあるにも関わらず自分がリアルで、正直で、ノーマルな状態であると感じられる人生の為に闘ってきたことが、多分他の何よりもプライバシーに関して価値を置き過ぎることになる結果になったと思うのよ。
プライバシー。いつの日か、将来、人々は皆振り返って、プライバシーがかつてあった時を、どんなにか美しく思い出すことでしょうね。
私は3歳にして、今持っている全てを天上の何かから与えられている。これってもう既に立派なリアリティ・ショーだと思いません？

このように長いキャリアの中で、自分の魂を損なわず保つには少々の秘訣が必要なの。まず最初に、人を愛し、その人たちのそばにいなさい、ってこと。

そこのテーブル番号222番、ウェイ・アウト・イン・アイダホ（このタイトルがついた、友情や人とのつながりを歌ったフォークソングアルバムがある）、パリ、ストックホルム（の大事な友人）、それからそこの、御手洗いの隣の全部有名じゃない顔の人たち、彼らはこの年月の間中ずっと同じ顔ぶれなのよ。
私の俳優エージェント、ジョー・フニチェロ …… ジョー、信じられる？　私達38年間も一緒に仕事してきたのよ？　まあ彼が最初の8年間をカウントに入れていないとしてもよ。
マット・セイヴァー、パット・キングズレー、ジェニファー・アレン、グラント・ナイマン、そして彼の叔父、故ジェリー・ボラック。終身刑の人たち（Lifers＝仕事に一生をかけた人たち）、今夜ここや家にいる私の家族と友人達。そしてもちろんメル・ギブソン。あなたも私を救ってくれたわね。

ここに私が立つことができたのは、私が人生で最も深く愛した人のうちの一人で、私のヒロイックな共同母親業者であり、私の愛する元パートナーであり、正しく私の人生のソウル・シスターであり、私の告解司祭、スキー仲間でコンシェルジェ、この20年を通じて最も愛した親友、シドニー・バーナードのおかげで、彼女に言及しないわけにはいかないわ。
シド、ありがとう。私は私たちのモダン・ファミリーを誇りに思っているわ。私たちの素晴らしい息子達、チャーリーとキット、あなたたちは私が息をする理由で、進化する理由で、私の血と魂そのものよ。ボーイズ、もし仮にだけどあなたたちがこの歌を知らなかった場合、この歌はあなた達のものよ。

私の人生に最も大きな影響を及ぼした、私の素晴らしい母、イヴリン（母親は認知症を患っている）。ママ、ママがあなたの青い目の中のどこかにいて、今夜のことで理解できないことがたくさんあるのは知ってるわ。だけど覚えていて欲しい大切なことはひとつだけよ。愛してる。愛してる。愛してる。

3回言ったから、これが奇跡を起こして完璧にあなたの魂に入って、あなたが人生で良いことをしたってわかるお恵みと喜びで満たされることを祈るわ。あなたは素晴らしいママだった。もしついにあなたがこの世から去ろうと決めた時が来たら、絶対このことを一緒に連れて行ってね。

チャーリーとキット、見たでしょう？　あなたのママも時々我を忘れちゃうの。時々ぼんやりして夢心地になっちゃうのはママ自身もどうしようもないのよ。でもこの感覚って、一つの時代が終わって、新しい何かが始まる感じに似ているわ。恐いけどわくわくする。
今はどんな感じ？　まあ、このステージに上がることは二度とないでしょうし、この件で他のステージにまた登ることはないでしょうけど。チェンジ。あなたたちはきっとそのことが大好きになるわ。私は物語ることを続けます。それは人々の心を動かし、そのことで自分の心も動かされることです。
この世界で最も素晴らしい仕事のひとつだと私は思っています。これからは別の方法で私は物語を綴るかもしれない。

それはこれまでのように光り輝き目立つような方法ではないかもしれないし、3000館ものスクリーンの前で公開されるものにはならないかもしれない。
もしかしたら犬にしか聞こえない笛みたいに静かでデリケートな方法を取るかもしれない。だけど私は自分の壁にこう書くわね。ジョディ・フォスターはここにいた、そして私は今も私だし、見られる立場でありたいし、深く理解されたいし、あまり孤独にはなりたくないってね。

皆さん御一緒して下さってありがとう。次の50年に乾杯。」