名前：中村 哲（なかむら てつ）
生年月日：1946年9月15日
出身地：福岡県
職業：医師

中村哲はアフガニスタンで活動していた日本人医師。彼は1984年にパキスタンに派遣され、その後はパキスタン国内で活動が困難になったことで、アフガニスタンへ。これ以降はアフガニスタンで医師の活動に尽力していて、その素晴らしい活躍からアフガニスタンの名誉市民権が与えられています。

中村哲（医師）はアフガニスタンでは医師としてだけでなく、用水路の建設にも携わっていて、2010年に福岡県朝倉市の山田堰をモデルにした用水路を建設しています。

さらに2016年に現地の人たちが用水を作れるよう学校を建設していたところ、住民たちからの要望を受けてイスラム教の礼拝堂や教育施設の建設も行っていました。

中村哲（医師）は国際NGO団体「ペシャワール会」も立ち上げていて、これは彼の活動を支援するために立ち上げられた団体とされています。この団体の存在から現地で用水路を建設したり、農業事業を行うことが可能になっていて、アフガニスタンとのつながりが大きい団体として知られています。

中村哲（医師）は2019年12月にアフガニスタン東部を車で移動中、何者かの銃撃によって命を落としました。享年73歳でした。銃撃を受けたときはまだ意識はあったようですが、アメリカの空軍基地へ移送中に息を引き取ってしまったのだそうです。

中村哲（医師）は幼い頃はおばあちゃんっ子だったようで、当時は祖母から「差別はいけないよ」とことあるごとに言われていたのだそうです。彼の祖母は仏教の教えから「どんな命も大切だ」という考えを持っていたようで、中村哲もその影響を受けて育ったことがわかっています。

中村哲（医師）は祖母から「昆虫や植物も大切にするように」と育てられたこともあり、子供の頃は昆虫が大好きで、いつも山で遊んでいたのだそうです。また、当時はファーブル昆虫記を熱心に読んでいたようで、興味を持ったものはとことん追求する主義だったのだとか。

中村哲が医師を目指したのは両親の望みから。元々医療には全く興味がなかった彼でしたが、両親から「医者になれ」と言われたことをきっかけに医療の道へ進むことを決めます。大学は九州大学の医学部を選び、卒業後は福岡県内の労災病院へ勤務していたのだそうです。

中村哲（医師）の叔父は小説家として活動していた火野葦平。彼は早くから文学に目覚め、早稲田大学を中退したあと「糞尿譚」という小説で芥川賞を受賞しています。その後は「麦と兵隊」、「土と兵隊、「花と兵隊」という「兵隊3部作」が話題になり、300万部を超えるベストセラーとなりました。

名前：火野 葦平（ひの あしへい）
生年月日：1907年1月25日
出身地：福岡県
職業：小説家

中村哲（医師）の実家は元々は祖父が経営していたは港湾荷役業の下請け業者を行っていて、その後は家を改装して旅館を立ち上げるなどしていました。生活は決して裕福とほどではなかったようですが、両親は一生懸命働いていたのだそうです。

中村哲（医師）の実家は元は祖父が経営する会社の下請けを行っていましたが、このとき沈没船の引き揚げで事故があり、父親は保証人になっていたこともあって事業は失敗。これ以降は借金の肩に家財道具はすべて差し押さえられ、借金返済のために家を改装して旅館を始めたのだそうです。

中村哲（医師）の父親は母方の祖父の会社の下請け業者を営んでいた中村勉という人物。当時は港湾荷役業の事業を行うも失敗し、その後は自宅を改装して旅館を始めるなどして何とか食いつないでいました。

ちなみに父親が経営していた旅館はいつも客が溢れていて、建設業の関係者が多く泊まっていたのだそうです。

中村哲（医師）の父親中村勉は若い頃は叔父の火野葦平と一緒に左翼運動をしていたようで、当時は「日本労働組合全国協議会」という組織の立ち上げにも尽力し、支部の幹部まで務めていたのだそうです。

ですが、その後は左翼活動から警察に検挙されていて、執行猶予付きの判決を受けることになりました。

中村哲（医師）の母親である中村秀子については詳しい情報は無く、どういった女性だったのかはわかっていません。ただ、事業を行う父親を支えながら子育てもしていることを考えると、なかなか肝の座った女性だったのではないかと思われます。

中村哲（医師）の姉は彼が学生時代に近所に嫁いでいて、大学受験のときには姉の家にお邪魔させてもらい、勉強に集中していたのだそうです。そのため、彼の姉は弟思いの優しい女性だったと思われ、姉弟仲はとても良かったものと思われます。