フリッツル事件の概要

ヨーゼフ・フリッツルの家系

ヨーゼフ・フリッツルの家系

ヨーゼフ・フリッツルは1935年4月9日に生まれました。1956年の21歳の時に17歳のロゼマリアさんと結婚、エリーザベトさんを含む2男5女を儲けます。

エリーザベトさんは1966年に生まれ、ヨーゼフの虐待が始まったのは11歳の頃だったということ。

「ルーム」本予告 - YouTube

出典:YouTube

エリーザベトが17歳で家から逃げるも...

エリーザベトが17歳で家から逃げるも...

エリーザベトさんは15歳で義務教育を終えるとウェートレスの教育を受けますが、1983年1月の17歳になる年に家から逃げ出し仕事仲間と一緒にウィーンに隠れて生活をしていました。

しかし家出から3週間ほどで警察に見つかって家に引き戻されています。その後またウェートレスの訓練を再開し、オーストリア オーバーエスターライヒ州の州都であるリンツ近郊で仕事に就きます。

悪夢のはじまり

悪夢のはじまり

1984年8月29日、ヨーゼフは一緒にドアを運んでくれとエリーザベトさんを地下室に誘い出しました。

エリーザベトさんがドアを支えてヨーゼフがドアをはめ終わると、ヨーゼフはエーテルをしみこませた布を彼女の顔に押し当て、意識がなくなるまで抑えつけ、そのまま地下室に閉じ込めてしまったのです。

そのドアがエリーザベトさんを監禁するための最後のアイテムで、悪夢のはじまりだったと思われます。

無理矢理手紙を書かせる

無理矢理手紙を書かせる

エリーザベトさんがいなくなったことに気付いた母親のロゼマリアさんは、警察に失踪届を出しました。それから1週間後、ヨーゼフがエリーザベトさんに無理矢理手紙を書かせ、それを警察に届けたのです。この手紙はエリーザベトさんが家出した時に住んでいたリンツのブラウナウ・アム・インの消印になっていました。

内容は、家族に嫌気がさし今は友達と一緒だということ。そして両親が自分を探すなら国を出るとも書かれていました。

ヨーゼフはエリーザベトさんが狂信的なカルト集団に入ったかもしれないと語っていたそうです。

監禁後数日間必死の助けを求めた

監禁後数日間必死の助けを求めた

監禁されたエリーザベトさんは、最初天井を引っ掻いたり壁に体当たりして抵抗を試みていました。そのため爪は剥がれ、痛みに苦悶しながら助けを求めていたそうです。

孤独と苦痛に耐え楽しい想像をして

孤独と苦痛に耐え楽しい想像をして

エリーザベトさんは監禁後数日して気持ちを切り替え、休みの日にハイキングしていると思い込もうとし、記憶の中の山を想像しながら頂上に辿りつくまでのことに考えを巡らせていました。

地下室の階段を山の傾斜とし、夜になると電気を消して時間が経つと朝になることを思いながら電気をつけていました。

そして眠りに就く頃はオーストリアの古い賛美歌「Still, Still, Still.」を口ずさみながら寝たと証言していました。

3日に一回訪れ性的虐待を...

3日に一回訪れ性的虐待を...

エリーザベトさんの父親であるヨーゼフは、24年間の監禁の間3日に1回訪れて、食料や日用品を補給し、嫌がるエリーザベトさんに性的虐待を加えていたようです。

更にエリーザベトさんはヨーゼフの子供を7人出産していることも明らかになりました。1人目の出産は生まれて間もなく死亡し、リザ・モニカ・アレクサンダーの3人は幼児期に自宅のドアの前に置かれていたようにヨーゼフが見せかけ、養子としてヨーゼフと母親のロゼマリアさんが育てました。

その間にソーシャルワーカーが何度もヨーゼフ宅に訪れていましたが、ヨーゼフはもっともらしい作り話で納得させたうえ、不満や不自然さが微塵も感じられなかったと当時の担当者は証言していました。

5人目の子供が生まれた時、ヨーゼフはエリーザベトさんと子供のために地下室の拡張工事を行っています。更にテレビやラジオ、ビデオなども買い与えました。

冷蔵庫やホットプレートもあり、食料を保存して調理できる環境も作ったようです。

世界の凶悪事件①フリッツル事件、性犯罪歴ありの父が娘を24年間監禁・自分の子を7人産ませる - YouTube

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ヨーゼフが与えた罰

ヨーゼフが与えた罰

エリーザベトさんは生まれた3人の子供たちに読み書きを教えていたそうです。しかしヨーゼフの意にそぐわない行動などをすると、何日も部屋の電気を消したり食料の供給を断つこともありました。

エリーザベトさんと子供たちが脱出を企てた時は、ガスで殺すつもりだったと供述していました。しかし地下室にガスは引いておらず、ただの脅迫である可能性が高かったようです。

また、ドアに近づくと電気ショックで死ぬと脅しており、逃げられないように洗脳していたことも明らかになっています。

地下室に行くことは誰も許されなかった

地下室に行くことは誰も許されなかった

ヨーゼフは毎朝9時になると、機械の図面を書く仕事をするために地下室に行ったそうです。しかし妻のロゼマリアさんがコーヒーを持って行くことも許されていなかったということ。

家の1階を12年間借りていた人がいましたが、地下室から声が聞こえると訴えると、ヨーゼフは暖房の機械音だと誤魔化していました。

ヨーゼフの逮捕とエリーザベトや子供たちの発見

長女のケルスティンが重い病気に

長女のケルスティンが重い病気に

2008年4月19日、エリーザベトさんの長女であるケルスティンさんが意識不明になり、ヨーゼフに医者に連れて行くことを懇願しました。ヨーゼフはそれを認め、ケルスティンさんを運ぶのを手伝ったエリーザベトさんは24年ぶりに外の景色を眺めました。

しかしエリーザベトさんはすぐに地下室に連れ戻され、ケルスティンさんは救急車で病院に向かいます。診断の結果ケルスティンさんは命に関わる重篤な腎不全とされ、入院を余儀なくされました。

医師が警察に通報

医師が警察に通報

その後ヨーデルがエリーザベトさんが書いたとされるノートを持って病院へ到着します。ケルスティンの病状やノートについてアルベルト・ライター医師とヨーデルが話し合いました。

しかし医師はヨーデルの説明に矛盾を感じ、4月21日に警察に通報しました。

ヨーゼフがエリーザベトと息子たちも解放

ヨーゼフがエリーザベトと息子たちも解放

アルベルト・ライター医師はその後メディアを通してエリーザベトさん行方不明に関する情報の呼びかけをし、ケルスティンさんの病歴に関する情報も呼びかけます。

警察でもエリーザベトさんの失踪事件の捜査を再開。この事に対してヨーゼフは、エリーザベトさんはカルト宗教の狂信者であり、彼女からの手紙はケマテンから投函されたものだと証言します。

警察ではこの証言に基づいてカルト教団と噂される団体を調べますが、事実とは異なっており、手紙の内容も自身で書いたものではなく、書かされているような内容であることが判明。

一方このニュースを地下室で見ていたエリーザベトさんは、ヨーゼフに病院に行かせてくれるよう頼み込み、ケルスティンさんが入院してから1週間後の4月26日に、残された2人の息子シュテファンとフェリックスと共に地下室から解放しました。

ヨーゼフとエリーザベトが警察に連行

ヨーゼフとエリーザベトが警察に連行

地下室からエリーザベトさんたちを解放したヨーゼフは、妻にエリーザベトさんが自宅に帰ることを決意したようだと話しました。その後ヨーゼフとエリーザベトさんが病院に向かいます。

アルベルト・ライター医師は、エリーザベトさんとヨーゼフが病院にいることを警察に知らせました。それを受けた警察は2人を拘束し尋問を受けさせるために警察に連行しています。

エリーザベトは2時間で24年間の監禁生活を語る

エリーザベトは2時間で24年間の監禁生活を語る

尋問を受けたエリーザベトさんは、トラウマを抱え最初は尋問に応じませんでした。その後警察が「父親とは二度と会うことはない」と約束し、初めて重い口を開きました。

彼女は2時間で、まるで押し殺していた感情が一気に噴き出したかのように、24年間の監禁生活の全てを語ったのです。

その後ヨーゼフは、家族に対する不法監禁、近親相姦等、強姦、過失致死などの重罪の疑いで逮捕されることになりました。

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