フィレンツェの怪物事件の概要

少なくともカップル14人が犠牲に

少なくともカップル14人が犠牲に

フィレンツェの怪物事件とは、1974年9月14日から1985年9月8日にかけて、フィレンツェとその近郊で起こった殺人事件です。被害者は少なくとも14人で、一組を除いては男女のカップルでした。

犯罪学上最も不可解な事件の一つ

犯罪学上最も不可解な事件の一つ

この事件は40年以上に渡って調査されており、犯罪学上最も不可解な事件の一つとして知られています。イタリア政府はこの事件を受けて、世界中から専門の捜査官、犯罪学者、心理学者、社会学者の助けを求めていましたが、結局真犯人はわからず、事件は未解決のまま40年以上が経過しています。

フィレンツェの怪物事件の犯行内容と真相

犯罪は1年に1回から2回、更に長い時では7年もの歳月を経て起きており、シリアルキラーによくある「犯行が加速する」という傾向は全く見られていませんでした。そのため、犯行の時期を予測することが不可能という点からも犯人を特定することが難しい事件となっています。

犯人は、周到に計画を練って忍耐強く犯行時期を待ち、暗い時間帯で若いカップルへの電撃的な攻撃に至るという、とても特徴的な犯行に及んでしました。

第一期の犯行

1974年9月14日土曜日の夜

1974年9月14日土曜日の夜

フィレンツェ郊外のムジェロ地区にあるブドウ畑近くに停められた車の中からパスクアーレ・ジェンティルコア(19歳)の遺体を発見。次いで車の後ろの芝生の上に横たわっているステファニア・ペッティーニ(18歳)の遺体を発見しました。

パスクアーレは銃により即死。ステファニアの方は96か所の刺し傷と、性器にはブドウの蔓が差し込まれた状態でした。

その後ステファニアの財布が、森の中で見つかっています。しかし、中身はそのままの状態だったということ。

それから7年もの間犯行はなかったため、この事件を第一期の犯行としています。

第二期の犯行

1981年6月6日土曜日の夜

1981年6月6日土曜日の夜

フィレンツェ郊外のスカンディッチ地区にある未舗装の道路に止めてあった車の中から、ジョバンニ・ファッジ(30歳)の遺体を発見。次いで車から6メートルほど離れた場所でカルメラ・デヌッチョ(21歳)の遺体を発見しました。

ジョバンニは銃で撃たれ死亡しており、カルメラも銃で撃たれた上に性器を切り取られていました。

また、カルメラの財布の中身が空の状態で、車のまわりに散らばっていたということ。ジョバンニの財布は触られていませんでした。

このカップルは結婚を控えており、その買い物に出た時に殺害されました。この時期、カーセックスをターゲットにした覗きが横行しており、この日も覗き魔の一人が犯人として逮捕されていました。

1981年10月22日木曜日の夜

1981年10月22日木曜日の夜

フィレンツェ郊外のカレンツァーノにある田舎道に駐車した車の中から、ステファノ・バルディさん(26歳)が射殺体で発見。その後、車から離れたところでスザンナ・カンビさん(24歳)が発見されました。

スザンナさんは銃で殺害後、性器を切り取られており、6月6日の事件と酷似していることがわかっています。

警察では、6月の事件の時に犯人を拘留していることから、捜査が振り出しに戻ったためパニックとなりました。

1982年6月19日土曜日の夜

1982年6月19日土曜日の夜

フィレンツェの南、モネスペトリの国道脇で、パオロ・マイナルディさん(22歳)とアントネッラ・ミリオリーニさん(19歳)が銃撃を受けました。

パオロさんは銃撃を受けながらも車を発進させようとしましたが、瀕死の状態に、アントネッラさんも逃げようと試みますが車が脱輪し、2人とも搬送先の病院で息を引き取りました。

この事件では被害者が抵抗を試みたため、女性が体を切り刻まれるということはなかったようです。

1983年9月9日金曜日の夜

1983年9月9日金曜日の夜

フィレンツェの住宅街ギャルッツォで、ドイツ人観光客のウウェ・ラッシュさん(24歳)とホルスト・マイヤーさん(24歳)が襲われました。

これまでと違うのは、このカップルは男性2人だったのです。おそらく長髪にしているホルスト・マイヤーさんを女性と見間違えたのではないかと言われています。

1984年7月29日日曜日の夜

1984年7月29日日曜日の夜

フィレンツェ近くのヴィッキオの森の中で、ピア・ロンティーニさん(18歳)とクラウディオ・ステファナッチさん(21歳)が車を駐車していたところを襲われました。

女性のピアさんは、左胸を切り取られていたということ。

この時、現場近くで50代の不審な男性が目撃されていましたが、事件とは関係なかったそうです。

1985年9月8日日曜日の夜

1985年9月8日日曜日の夜

フィレンツェ郊外の町、サンカッシアーノ近くの森でテントで眠っていたカップルの、ナディーン・モーリオさん(36歳)とジャン・ミシェルクラベチビリさん(25歳)が、襲われ死亡しました。

ナディーンさんは乳房を切り取られ、犯人は警察をあざ笑うかのように、その乳房を送り付けてきました。

手口の類似している犯行

1968年8月21日の深夜の水曜日の夜

1968年8月21日の深夜の水曜日の夜

フィレンツェ郊外シーニャの林近くに止めていた車の中から、バーバラ・ロッチさん(31歳)とアントニオ・ロ・ビアンコさん(29歳)の遺体が発見されました。この2人は既婚者で不倫の最中だったとのこと。

車中にはバーバラさんの子供が乗っていましたが、熟睡していたため犯人に気づかれず、無事でした。

しかし、このカップルの犯人はバーバラさんの夫であるとして、懲役刑を受け収監されました。似ている事件ですが、上記の事件との関連性は低いとされています。

フィレンツェの怪物事件の一連の犯行の共通点と容疑者逮捕

カップルを狙った犯行でカルト教団が関係していると推測

カップルを狙った犯行でカルト教団が関係していると推測

この事件の共通する点は、殆どが深夜にカップルでカーデートを楽しんでいる人物が標的にされていること。また、女性には特に固執していて、性器や胸を切除して持ち帰っていることです。

当初警察では、女性の体の一部を切断して持ち去っていることから、犯人はカルト教団の信者で、儀式に用いるために調達を目的とした一連の犯行と推測していました。

地元のギャングを容疑者として逮捕

地元のギャングを容疑者として逮捕

警察では最終的に地元のギャングであるピエトロ・パッチャーニ、マリオ・ヴァンニ、ジャン・カルロ・ロッティ、ステファノ・メロの4人を逮捕。しかし、ステファノが無罪であると主張し、他の3人が真犯人であると自供しました。

警察側はそれを信用し、ステファノは釈放され3人の逮捕を確実にしました。その後、パッチャーニは再審を待たずに1998年に心臓発作で他界、ジャン・カルロ・ロッティも服役4年目に刑務所内で他界しました。

写真は容疑者のピエトロ・パッチャーニです。

結局真相は謎のまま

結局真相は謎のまま

結局残されたステファノ・メロも真犯人であるとは、未だに断定できませんでした。

写真はジャン・カルロ・ロッティです。

「フィレンツェの怪物事件」の真相と犯人【まとめ】

・フィレンツェの怪物事件とは、1974年9月から1985年9月にかけてフィレンツェとその近郊で起こった殺人事件で、被害者は少なくとも14人で一組を除いては男女のカップルだった。

・事件は、殆どが深夜にカップルでカーデートを楽しんでいる人物が標的にされ、女性の性器や胸が切除されるという共通点があった。

・最終的に地元のギャング4人が逮捕され、1人は無罪を主張、他の3人が真犯人であると自供したが真相は解明されていない。

その後、フィレンツェの怪物事件に関する本が多数出版され、インターネットでも話題となりました。テレビや映画でもこの事件を題材とした作品が多く制作されています。多数の研究者が様々な論議を重ねていますが、事件の真相は解明されるのでしょうか。

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