タリバンがアフガニスタンの大統領府をアッサリ掌握

首都カブールの大統領府を占拠するタリバン戦闘員

首都カブールの大統領府を占拠するタリバン戦闘員

2021年8月15日、アフガニスタン情勢が急展開しました。

アフガニスタンに駐留する米軍・NATO軍が同国から撤退を開始するや、アフガニスタンの反政府勢力・タリバンが一気に攻勢をしかけ、アッっと言う間に首都カブールを包囲して大統領府を掌握。

これにより、アシュラフ・ガニ大統領は国外に脱出し、政権はアッサリ瓦解したのです。

トランプ前大統領が公約に掲げた米軍撤退をバイデン大統領が実行

そもそも、2020年2月29日に、トランプ政権は同年秋の大統領選挙を控え、タリバンとの間に「和平合意」を締結しました。

米アフガニスタン和平合意

米アフガニスタン和平合意

米特別代表ハリルザド氏とタリバン政治部門責任者バラダル氏

と言うのも、トランプ前大統領は、2016年の大統領選挙において、「自分が当選した暁には、アフガニスタンから米軍を撤退させる」という公約を掲げており、それを守った形なんですよね。

しかし、すったもんだの末に、その合意は履行されないままトランプ政権は退陣に追い込まれてしまうことに…。

しかし、そのあとを引き継いだバイデン大統領が、2021年4月、悪夢の9.11米同時多発テロからちょうど20年を迎える2021年9月11日までに、アメリカ軍の完全撤退を完了すると表明。

ただ、トランプ前大統領の時のように、誰もが「そう簡単にはいくまい」などとタカをくくっていたと言います。しかし、今度は米軍の撤退がすんなりと進むと、NATO軍もほぼ同時に撤退を開始。

その結果が今回のタリバンの一方的勝利に繋がり、アメリカが支えてきたアフガニスタン政府を崩壊させる引き金となってしまったわけです。

アフガニスタン情勢に注目している人たちの大半は、もしも米軍が撤退すれば、こうなることは十分に予想していたことでしょう。しかし、こうまでアッサリと政権が崩壊するとは思わなかったに違いありません。

タリバンとアルカイダの違いをわかりやすく解説

そもそも「タリバン」って何?

そもそも「タリバン」という組織の誕生は、1979年12月25日のソビエト連邦のアフガニスタン侵攻がキッカケでした。

ソ連のアフガニスタン侵攻

ソ連のアフガニスタン侵攻

当時のアフガニスタンは、隣国ソ連と敵対していたわけでも、逆に仲の良い親交国でもありませんでした。

しかし、アフガニスタン国王が病気療養を理由にイタリアへ行っている隙を狙って、国王のいとこがクーデターを起こしたのです。

当時、アフガニスタンは共産主義政権だったのですが、クーデターにより政権は危機に瀕しており、ソ連としては隣国アフガニスタンがアメリカを中心とした自由主義陣営に取り込まれるのをどうしても阻止したかったわけですね。

ちなみにソ連は社会主義国家であり、当然のことながら宗教を否定する立場をとっています。つまり、ソ連によるアフガニスタン侵攻は、イスラム教徒の国に無神論者たちが攻め込んできたことに他なりません。

そうなると、それらの勢力と戦うのはイスラム教徒の義務…つまり、「ジハード(聖戦)」なのです。

「ソ連に侵略されたイスラム教徒の国アフガニスタンを助けなければ!」という旗印の下に、アラブ諸国のイスラム社会全体から「ムジャヒディン(イスラム聖戦士)」と呼ばれる義勇兵たちが続々とアフガニスタンに集結することに…。

そして、そこに目をつけたのがアメリカなんですよね。

ベトナム戦争で、ソ連の支援を受けた南ベトナム民族解放戦線に苦渋をなめさせられた経験のあるアメリカは、「アフガニスタンをソ連にとっての“ベトナム”にしてしまえ!」とばかりに、「ムジャヒディン」たちに大量の資金と武器を与えたのです。

これによりソ連軍は、アメリカの支援を受けて力をつけた「ムジャヒディン」によって、大きな打撃を受け、たちまちアフガニスタンからの撤退を余儀なくされてしまうことに…。

アフガニスタンから撤退するソ連軍

アフガニスタンから撤退するソ連軍

アラブ諸国から応援に駆けつけていた若者たちは、ソ連軍の撤退によりそれぞれの国へ帰っていきました。

しかし、アフガニスタンには、元々様々な民族が共存しており、ソ連軍による危機が去った後は、自分たちの民族が権力を把握しよう企み、やがてそれは内戦に発展していくことになります。

今度は、そこに目をつけたのがパキスタンでした。

アフガニスタンにソ連軍が侵攻してきた際、大勢の難民が隣国パキスタンに逃げ入りました。

そして、パキスタンにいたイスラム原理主義の集団は、難民キャンプの子供たちを集めて神学校をつくり、そこでは極端なイスラム原理主義を教え込んでいたのです。

パキスタンはその学生たちに、ソ連侵攻の際にアメリカからかすめ盗っておいた最新兵器を与え、兵士に仕立て上げたのです。

そして、学生のことをアラビア語で「タリブ」と言い、その複数形が「タリバン」なんですよね。

つまり、「タリバン」はもともとアフガニスタンに住む人々が中心となって形成された集団で、極端なイスラム原理主義の思想を教え込まれた土着の過激派組織なのです。

じゃあ、「アルカイダ」って結局どういう組織なの?

関連するまとめ

アメリカの大学の人気ランキングTOP50【最新決定版】

今回は、アメリカの大学の人気ランキングTOP50を紹介していきます。グローバル社会が根付いている現代において…

maru._.wanwan / 1111 view

エドワード・スノーデンの現在!日本への警告・生い立ちと家族や結婚・事件内容と今の活動…

NSAが世界中から情報収集を行っていることを暴露して話題になったエドワード・スノーデン。今回はエドワード・ス…

aquanaut369 / 4275 view

ピナトゥボ山の現在!火山の噴火・影響と日本の冷夏などその後を総まとめ

1991年にフィリピンのピナトゥボ山で起こった大噴火。その影響はすさまじく、フィリピンだけでなく、日本も「冷…

aquanaut369 / 909 view

リーマンショックの原因と影響!日本の日経平均株価・為替・チャートなどわかりやすく解説

2008年9月、アメリカの有力投資銀行である「リーマンブラザーズ」の経営破綻が原因で発生したリーマンショック…

cyann3 / 1251 view

ディアトロフ峠事件の真相や原因と犯人~被害者の舌が無くなった謎の事象や関連映画まとめ

ディアトロフ峠事件とは、1959年に当時ソ連領のウラル山脈北部で登山をしていた男女9人が、不可解な死を遂げ、…

Mrsjunko / 1289 view

世界のテロ事件100選・衝撃ランキング【最新決定版】

テロ事件といえば、アメリカ同時多発テロが思い浮かびますが、現在でも日々世界中でテロ事件は多発しています。今回…

maru._.wanwan / 2625 view

ナワリヌイの死因や現在!毒殺の暗殺・刑務所での死亡を総まとめ

ロシアのプーチン政権を真っ向から批判し、19年の刑期を受けて投獄されていたアレクセイ・ナワリヌイ氏が、202…

Mrsjunko / 821 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

O・J・シンプソン事件の真実と真犯人!嫁と子供や死去など現在までを総まとめ

元フットボール選手で俳優としても活躍していたO・J・シンプソンですが、元妻とその恋人の殺害犯としても知られて…

Mrsjunko / 1177 view

ペトロパブロフスク羆事件は嘘?本当?詳細やクマの大きさなど総まとめ

世界3大獣害事件とされる「ペトロパブロフスク羆(ひぐま)事件」について、その詳細が気になる方が多いようです。…

cyann3 / 5160 view

アステカの祭壇の心霊写真や場所!生贄や心臓・アンビリバボー・映画の話題まとめ

有名な心霊現象である「アステカの祭壇」について、場所と写真についての話題が挙がっています。また、生贄の心臓、…

cyann3 / 1783 view

センチネル族の現在!やらせと女好きの噂・ドローン・芸能人と宣教師・ダーウィン賞・コロ…

インド洋東部・北センチネル島に住む先住民族「センチネル族」について、やらせや女好きなどの話題が挙がっています…

cyann3 / 5167 view

ピザ配達人爆死事件と犯人の現在!爆死したブライアン・ウェルズの遺体/映画やアンビリバ…

2003年のペンシルベニア州で、ピザ配達人ブライアン・ウェルズが銀行強盗を起こした直後に、首につけた爆弾が爆…

passpi / 3608 view

ルクソール事件(エジプト)の日本人犠牲者は新婚旅行カップル!場所とテロ犯人の動機・そ…

1997年11月17日にエジプトで起こったルクソール事件では日本人犠牲者が10人いて、そのほとんどが新婚旅行…

Mrsjunko / 3365 view

ジョンベネ殺害事件の真犯人は?父・母・兄の犯人説/性的被害と霊視などの真相まとめ

1996年12月26日、当時6歳のジョンベネちゃんが自宅の地下室から遺体となって発見された事件は、当時センセ…

Mrsjunko / 1937 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク

"); } })(jQuery);