中村哲のプロフィール

中村 哲(なかむら てつ)

中村 哲(なかむら てつ)

愛称: カカ・ムラト、カカムラッド
生誕: 1946年9月15日
出生地: 福岡県福岡市御笠町
死没: 2019年12月4日(73歳没)
死没地: アフガニスタン ナンガルハル州ジャラーラーバード
国籍: 日本
学歴: 九州大学医学部卒業
職業: 医師
分野: 脳神経内科
所属: ペシャワール会

長年の功績からアフガニスタンの国民的英雄と讃えられた日本人

中村哲さんは、対テロ戦争により長らく戦闘状態にあったアフガニスタンで、国際NGO組織「ペシャワール会」の代表として、医療支援や用水路整備などの灌漑(かんがい)事業を行っていた人物です。

2019年10月上旬には、アフガニスタンでの長年に渡る功績が認められ、当時のアフガニスタン政府により名誉市民権が授与されるなど、アフガンの国民的英雄として讃えられました。

アフガニスタンのガニ大統領(当時)から名誉市民権が授与される中村哲さん(左)

アフガニスタンのガニ大統領(当時)から名誉市民権が授与される中村哲さん(左)

中村哲がアフガニスタンで武装勢力に襲撃され殺害される

しかし、そんな中村哲さんが凶弾に倒れたのは、それからたった2ヶ月後の2019年12月4日のことでした。

中村哲さんが乗っていたピックアップトラック

中村哲さんが乗っていたピックアップトラック

車内から流れ落ちる血のりが生々しいですねぇ…

中村哲さんはこの日朝、当時着手していた灌漑事業の進行を確認するため、アフガニスタン東部のジャララバードを、5人のボディーガードや運転手らとともに車で移動中、武装勢力の襲撃を受けることに…。

右胸付近を銃撃された中村哲さんは、当初、意識はしっかりしているとも伝えられていましたが、ジャララバード空港から首都カブール近郊の病院に運ばれる途中で力尽き、死亡が確認されました。

病院に搬送中の中村哲さん

病院に搬送中の中村哲さん

中村哲とタリバンの関係① 中村哲襲撃事件への関与を否定

タリバンは即座に犯行への関与を否定する声明を発表

当時のアフガニスタンにおける複雑な軍事状況から、真っ先に犯行を疑われた反政府勢力・タリバンは、事件当日、即座に次のような声明を発表し、犯行への関与を強く否定しています。

「復興分野で活動するNGO(非政府組織)はイスラム首長国(タリバン)と良好な関係を持っている。それらは軍事的標的ではない」

アフガン政権掌握後も犯人逮捕の強い意思を示したタリバン

2021年8月、アフガニスタンに駐留する米軍が同国から撤退を開始するや、タリバンが一気に攻勢をしかけると、瞬く間にアフガン政権を掌握し、暫定政権の樹立を宣言しました。

それから間もない頃、朝日新聞の電話取材に応じたアフガニスタンの新政権・タリバンのスハイル・シャヒーン報道担当幹部は、中村哲さんに対するタリバンの認識と、2019年12月に起こった殺害事件について、次のように語ってます。

タリバンの報道担当のスハイル・シャヒーン幹部

タリバンの報道担当のスハイル・シャヒーン幹部

「(中村さんは米軍などの)占領者とは異なる立場で活動し、我々はそれを歓迎してきた」「人々のため、国づくりのために尽くした特別な存在だった」と死を悼んだ。

「慈善活動や復興事業を続けられるようNGOと協力し、安全確保に努める」とも話し、「(警察を所管する)内務省などが再捜査する」

このように中村哲さんのことを「特別な存在だった」と語り、新政権として2019年12月に発生した中村哲さん殺害事件を再捜査する強い意思を示したのです。

中村哲とタリバンの関係② 中村哲の肖像画が塗り潰される

ところが、2021年9月、アフガニスタンにおける長年に渡る功績を讃えて制作された、首都カブール中心部の通り沿いの塀に描かれた中村哲さんの肖像画が、タリバンの指示で塗り潰されたことが報じられたのです。

塗り潰される前の中村哲さんの肖像画

塗り潰される前の中村哲さんの肖像画

中村哲さんの死後、200人超の有志により描かれた肖像画なのだとか。

タリバンの指示により塗り潰された後の壁

タリバンの指示により塗り潰された後の壁

中村哲さんの横顔とその脇に添えられた詩が白く塗り潰され、代わりにアフガニスタンの「独立」を祝う文言が黒い文字で記されています。

中村哲の肖像画が塗り潰された理由は?

関連するキーワード

関連するまとめ

ダッカ日航機ハイジャック事件の犯人は日本赤軍!詳細や人質解放・その後現在まとめ

1977年9月28日にバングラデシュ・ダッカのシャージャラル国際空港で起こった、日本赤軍によるダッカ日航機ハ…

Mrsjunko / 1107 view

H・H・ホームズの殺人ホテルの現在!生い立ちや家族・結婚・子孫と事件の詳細まとめ

H・H・ホームズは、1891年から1894年にかけて発生した連続殺人事件、および詐欺の犯人として知られていま…

Mrsjunko / 1516 view

ディアトロフ峠事件の真相や原因と犯人~被害者の舌が無くなった謎の事象や関連映画まとめ

ディアトロフ峠事件とは、1959年に当時ソ連領のウラル山脈北部で登山をしていた男女9人が、不可解な死を遂げ、…

Mrsjunko / 1689 view

トンガ王国の場所と地図・人口は?日本人の人数も総まとめ

温暖な気候の南国として知られている「トンガ王国」。2022年には海底火山の噴火で話題になりました。今回はトン…

aquanaut369 / 599 view

チェルノブイリ原発事故の現在!当時から今までの変化まとめ

ソビエト連邦(現ウクライナ)で起こった「チェルノブイリ原発事故」について、現在の様子が注目を集めています。ま…

cyann3 / 2481 view

ナワリヌイの結婚した嫁と子供・父親と母親など家族も総まとめ

ロシア人の政治活動家として知られているアレクセイ・アナトリエヴィチ・ナワリヌイ。彼は2024年に死去したこと…

aquanaut369 / 587 view

ツール・ド・フランス2021事故と犯人の女の現在!クラッシュの詳細とその後まとめ

ツール・ド・フランス2021の初日で起きた目を疑うような大クラッシュ。事故の原因は看板を持っていた女性で、犯…

aquanaut369 / 2200 view

同じカテゴリーの記事

同じカテゴリーだから興味のある記事が見つかる!

チェルノブイリ原発事故の現在!当時から今までの変化まとめ

ソビエト連邦(現ウクライナ)で起こった「チェルノブイリ原発事故」について、現在の様子が注目を集めています。ま…

cyann3 / 2481 view

ロシアのクリミア侵攻はなぜ?理由と期間・死者・制裁と影響・海外の反応もわかりやすく解…

過去にウクライナのクリミア半島で起きたロシアの軍事侵攻。この出来事は世界中に大きな影響を与えましたが、クリミ…

aquanaut369 / 1373 view

マサイ族の身長と視力!ジャンプ力・寿命や食事・その他の生活習慣まとめ

ケニア南部に住む民族・マサイ族について、身長と視力に関する話題が挙がっています。また、ジャンプ力、寿命や食事…

cyann3 / 7468 view

ムンバイ同時多発テロの犯人と日本人犠牲者!事件の場所と首謀者の動機・その後現在・映画…

2008年11月26日夜からインドで起こったムンバイ同時多発テロは、4日間に渡って10カ所で起こり、襲撃犯9…

Mrsjunko / 3083 view

シャロン・テート事件と犯人の現在!マンソン・ファミリーや殺害現場・その後も総まとめ

1960年代に人気を集めた女優のシャロン・テート。人気絶頂のときにチャールズ・マンソン率いるマンソン・ファミ…

aquanaut369 / 5989 view

タリバンの資金源とは?支援国は意外にも多かった

2021年8月からアフガニスタンで政権を握っているタリバン。彼らはなぜ長年に渡って活動を続けられ、今後どのよ…

aquanaut369 / 865 view

ケネディ大統領暗殺の真相!夫人が脳みそを拾った?犯人も総まとめ

パレード中に暗殺されたことで知られているケネディ大統領。死の真相は未だハッキリしておらず、その真犯人も謎のま…

aquanaut369 / 2192 view

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

スポンサードリンク

"); } })(jQuery);