
ハイルブロンの怪人の意味と事件の犯人!綿棒のDNAと現在までをまとめ
ハイルブロンの怪人の意味は、1993年から2008年にかけて、ドイツをはじめヨーロッパ各地で起きた殺人事件、窃盗事件など40件余りの事件に共通したDNA採取によって判明した同一のDNAから推定された、架空の大犯罪者のことです。その犯人は誰で、使われた綿棒はどんなものだったのか、また、現在の科学捜査の基準までを解説していきます。
ハイルブロンの怪人の概要
ハイルブロンの怪人とは、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州ハイルブロン市で起こった警察官殺人事件が発端です。その後、1993年から2008年にかけて南ドイツ、オーストリア、フランスで起きた40件余りの事件現場に残されたDNA全てが、警察官殺人事件と一致していたことから有名になった事件。
以下で、この事件の複雑怪奇な「ハイルブロンの怪人」の詳細を紹介していきます。
ハイルブロンの怪人…これはお間抜け話と真剣な話の混合したお話ですのね
— 奇稲田姫@キャスター (@caster_kshinada) 2016年4月24日
ハイルブロン警察殺人事件について
ハイルブロン警察殺人事件は、2007年4月25日、ハイルブロンのテレージエンヴィーゼで警察官ミシェール・キーゼヴェッターが射殺され、同僚のマーティン・Aも頭部に銃弾を受け重傷を負った事件です。
そのうち、22歳のミシェール・キーゼヴェッターさんが死亡しており、マーティン・Aさんは命はとりとめたものの重篤な障害を負ってしまいます。さらに、現場からは拳銃と手錠が奪われていました。
綿棒のDNAから割り出された事件の数々
あまりにも一致し過ぎるDNAの証拠から、2011年11月7日以降、犯行は右翼テロ組織「国家社会主義地下組織」によるものとされました。
また、綿棒から割り出された同じDNAは、以下の犯罪現場でも検出されていたのです。
以上のDNAは、バーデン=ヴュルテンベルク州、ラインラント=プファルツ州、ザールラント州など、オーストリアの少なくとも40の犯罪現場から採取されたサンプルからDNAが押収されました。
その痕跡は1993年までさかのぼり、多くの犯罪現場のいずれにも、犯人の痕跡がひとつもなかったことが不思議でした。また、犯人を見たという目撃者や指紋・毛髪・繊維・靴跡などの痕跡も一切ありませんでした。
綿棒のDNAの謎に迫る
オーストリアのDNA中央研究所で実施されたミトコンドリアDNAの検査の結果、そのDNAは東ヨーロッパとロシア連邦に隣接する地域に集中している特徴があることが判明しました。
未知の容疑者のDNAが、飲料缶と、ザールブリュッケンの学校で強盗事件が発生した後、行方不明になっていた男性の遺体からも指紋からも発見されたのです。それにより、DNAが本当に犯人のものなのか、疑問が強まることに。
「ハイルブロンの怪人」 欧州各地をまたぎ、殺人を含む40件の犯罪現場で検出された同一のDNA(実は、各現場の鑑識が使用していた同種の"綿棒"の製造工場の女性工員のDNA) から推定された架空の大犯罪者→DNAの一致を根拠に女性工員が誤認逮捕された実話【BULL S3#5】
— こぼねサワー (@kobone_sonar) 2022年4月8日
ハイルブロンの警察官殺傷事件と、他の国や地域で起こった殺人事件の現場から採取された女性のDNAが一致していたことから、当時は「国際的重大犯罪」と言われ、ドイツの警察では躍起になって捜査を行いました。
その後、同じDNAがオーストラリアやフランスなど、他国の薬物事件や窃盗事件の犯罪現場からも採取されていたことが判明。このような一貫性のない国際的連続犯罪において、1人の犯人が全ての事件に関わっているのは前代未聞の出来事です。
そんな謎めいた恐ろしい事件の犯人像から「ハイルブロンの怪人」と名付けられたようですが、事実はもっと複雑で、重大な過失につながっていきます。