パブロ・エスコバルとはどんな人物?

プロフィール

プロフィール

本名:パブロ・エミリオ・エスコバル・ガビリア
生年月日:1949年12月1日
出身地:コロンビア リオネグロ
没年月日:1993年12月2日(44歳没)
没地:コロンビア メデジン
主な職業:実業家、政治家、犯罪者

パブロ・エスコバル 英雄と呼ばれる世紀の麻薬王の正体とは? - YouTube

出典:YouTube

10代で犯罪に手を染め1970年代に麻薬カルテルを組織する

10代で犯罪に手を染め1970年代に麻薬カルテルを組織する

パブロ・エスコバルは、コロンビア西部にあるアンティキオ県のメデジンの中流家庭で育っています。学生時代は勉強ができ、成績は一番だったということ。父親は畜産業、母親は教師でした。

10代の頃に墓石を盗み、墓碑名を消して転売したのがバレて高校を中退。その後、強盗や誘拐、殺人などの犯罪に手を染めていきます。そして、コカインが金になることを知り、1970年代に「メデジン・カルテル」という麻薬カルテルを築き上げます。

1980年代に販売ルートを拡大し世界のコカインの8割を占めていた

1980年代に販売ルートを拡大し世界のコカインの8割を占めていた

1980年代に入ると、メデジン・カルテルは販売ルートを拡大し、ペルーやボリビアから持ち込んだコカインをドミニカやメキシコ、プエルトリコなどに売り捌き、その後もアメリカや一部のアジアにまで広げていきました。

そのため、アメリカ政府やコロンビア政府と激しく対立するようになります。最盛期時は、世界のコカイン市場の8割を占めるほどに成長させます。

貧困層のために慈善事業も・・・その思惑は?

貧困層のために慈善事業も・・・その思惑は?

メデジン・カルテルの収入は年間最大250億ドルにも上り、エスコバルの個人資産もアメリカのフォーブス誌で、世界の富豪第7位と掲載されました。

一方でメデジンの貧困層のために、住宅やサッカースタジアムの建設など、慈善事業にも熱心に取り組んでいたため、メデジン市民の一部の貧困層からは英雄扱いされていました。

しかし、その慈善事業にはパブロ・エスコバルの思惑がありました。その思惑とは、住民の信頼を確保して情報を得、安全を確保することだったのです。

自宅に複合施設のアシェンダ・ナポレスを建設

自宅に複合施設のアシェンダ・ナポレスを建設

また、複合施設のアシェンダ・ナポレスを建設し、ボニーとクライドが乗ったとされる車やクラシックカーやカバなどの野生動物、恐竜の模型などを入れ、自宅を公開しました。

エスコバルは、こういった行為で自身を世に知らしめて、世の中を支配しようと考えていたのでしょうか。

私は時々神になる。私が死を命じた者は、その日に死ぬ

私は時々神になる。私が死を命じた者は、その日に死ぬ

その裏ではエスコバルの命令によって、約3000人もの人が殺害されたと言われています。それを証拠づけるパブロ・エスコバルの言葉があります。

“Sometimes I am God, if I say a man dies, he dies that same day.(私は時々神になる。私が死を命じた者は、その日に死ぬ)”

という言葉です。エスコバルに歯向かった者は、このような言葉と共に暗殺されました。正に「史上最も凶悪な麻薬王」となったのでした。

1982年には与党コロンビア自由党の上院議員となりますが、翌年にカルテルとの関係が暴露され失職しました。

身柄の引き渡しで暗殺とテロ行為で反発

身柄の引き渡しで暗殺とテロ行為で反発

1980年代後半になると、メデジン・カルテルによるコカインの流入に業を煮やしたアメリカ政府が、パブロ・エスコバルの引き渡しとアメリカでの裁判を条件に、コロンビア政府と協定を結びました。

これに反発したエスコバルは、敵対者の暗殺やテロ行為を敢行。更に、アビアンカ航空機203便の爆破、大統領候補者3人の暗殺、ボゴタの治安ビルの爆破を実行しました。

1990年にアメリカへの引き渡しが忌避された

1990年にアメリカへの引き渡しが忌避された

パブロ・エスコバルが暗躍していた1990年に大統領になったセサル・ガビリア氏は、大統領候補の時に暗殺されかけており、エスコバルを恐れていました。そのため、アメリカへの引き渡しの協定を破棄し、エスコバルに対しては罪を1つ認めれば、他の罪は不問に帰すとしました。このことにアメリカ政府は激怒していました。

懲役5年の刑で収監

懲役5年の刑で収監

エスコバルは懲役5年の刑で服役しますが、もちろんアメリカへの引渡忌避が条件でした。更に、エスコバル専用に豪華に整えられた刑務所に収監されています。施設自体がエスコバルによって建設されたもので、正にスウィートルーム並みの部屋だったということ。

パブロ・エスコバルの最後は射殺だった

他の刑務所に移送中、市中に姿を隠す

他の刑務所に移送中、市中に姿を隠す

パブロ・エスコバルは収監中の身でありながら、豪華な生活をしていたようで、美女を招いた乱交パーティーや自由に買い物に出歩き、サッカー観戦なども楽しんでいました。

しかしエスコバルは刑務所内で2件の殺人事件を犯したため、特別待遇はなくなり別の刑務所に移送するために、刑務官と共に刑務所を出た後、そのまま市中に姿を隠してしまいます。

エスコバルは姿を隠したが様々な組織から追われることに

エスコバルは姿を隠したが様々な組織から追われることに

姿を隠し潜伏したパブロ・エスコバルは、アメリカの諜報部隊やコロンビア政府、ライバル組織のカリ・カルテルに追われる身となり、更にはエスコバルに虐待された人達の組織と言われている「Los Pepes(ロスペペス)」にも狙われることとなりました。後にロスペペスは、カリ・カルテルが組織したグループであるとも言われていました。詳細な情報はわかっていませんが、後の「コロンビア自衛軍連合」ではないかと推測されます。

治安部隊の特捜チームが一斉射撃で射殺

治安部隊の特捜チームが一斉射撃で射殺

警察はその後、パブロ・エスコバルの家族を保護、1993年12月2日、コロンビア治安部隊の電波調査斑が、メデジンの中産階級が住む住宅街のエスコバルの隠れ家から、息子と携帯電話で通話するエスコバルの通信を傍受。

居場所を突き止めると、治安部隊の特捜チームが突入し、屋根の上に逃げたエスコバルに対して一斉射撃をして殺害に至りました。その弾数は全身に至っており、致命傷は耳の後ろだったということでした。

パブロ・エスコバルの死が伝説化

パブロ・エスコバルの死が伝説化

パブロ・エスコバルが射殺された後も、メデジンの街では様々な憶測が飛び交いました。自殺したと言う者、射殺されたのは別人でエスコバルは今も生きていると言う者、実際に射殺されたと言う者など、エスコバルの死は伝説化されて、現在もパブロ・エスコバルを英雄視する市民がいることも事実です。

遺体は間違いなくパブロ・エスコバルだった

遺体は間違いなくパブロ・エスコバルだった

そこで2006年10月28日に、エスコバルの遺体を墓から掘り出し、DNA検査を行ったところ、遺体はパブロ・エスコバルのものに間違いないことが確認されています。

パブロ・エスコバルが最も愛した家族(母親・嫁・息子)について

パブロ・エスコバルは極悪非道な大悪党でしたが、家族のことはとても大事にしていたようです。

エスコバルが射殺された後は、報復を懸念して各地に転々と移り住み、最終的にアルゼンチンに名前を変えて住んでいるようです。

そんなエスコバルの母親と嫁・息子を紹介していきます。

母親のエルミルダ・ガビリア

母親のエルミルダ・ガビリア

母親のエルミルダは学校教師でした。畜産業を営むアベル・デ・ジーザス・エスコバルと結婚し、子供を7人儲けました。

パブロ・エスコバルは3番目の子供です。祖父のロベルト・ガビリアは、禁酒法時代の有名なウイスキー密輸業者でした。

彼女は2006年に糖尿病で亡くなっています。

嫁のマリア・ビクトリア

嫁のマリア・ビクトリア

パブロ・エスコバルの妻であるマリア・ビクトリアが彼と知り合ったのは、彼女が13歳の時でした。あまりにも若すぎたため、マリアの両親は結婚に反対していましたが、2人はパルミラ市へ駆け落ち同然に逃げて、1976年に結婚しました。

極悪人であるパブロ・エスコバルでしたが、唯一情熱を注いだ女性でした。彼女も彼を愛し、人生を捧げたと言っても良いでしょう。

エスコバルが射殺された後は、子供達と一緒にアルゼンチンに逃げて名前も変えていましたが、その生活は5年間しか続かず、マネーロンダリングや文書偽造の疑いで逮捕され、アルゼンチン刑務所で15か月間収監されました。

現在はアルゼンチンで暮らしているということ。

知り合った頃の13歳のマリアと24歳のパブロ

知り合った頃の13歳のマリアと24歳のパブロ

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