タリバンについて

タリバンはアフガニスタンを拠点に活動しているイスラム主義組織

タリバンはアフガニスタンを拠点に活動しているイスラム主義組織

タリバンはアフガニスタンで長年イスラム主義を訴えている組織で、1996~2001年まで同国で政権を握っていました。彼らは「シャリア」と呼ばれるイスラム法の厳格な法解釈で知られていて、イスラム法に違反する者は許さない過激な一面も持っています。

2021年8月に「アフガニスタン・イスラム首長国」の建国を宣言している

2021年8月に「アフガニスタン・イスラム首長国」の建国を宣言している

タリバンは2021年8月に「アフガニスタン・イスラム首長国」の建国を宣言していて、世界中から大きく話題になりました。すでにアフガニスタンからアメリカ軍は撤退していて、今後どのような国作りが行われるのかに注目が集まっています。ですが、アフガニスタンには反タリバン勢力もあり、まだまだ情勢は不安定な状況が続くものと思われます。

自国民への人権侵害は国際的に批判されている

自国民への人権侵害は国際的に批判されている

タリバンはイスラム法の厳格な解釈で知られていますが、そのやり方は過激で、過去にはアフガニスタンの民間人に対して虐殺を行ったこともあります。こうしたやり方は国際的に批判が殺到していて、国内から非難する国民も大勢います。

タリバンは資金源は何?じつは莫大な収入があった

タリバンの資金源は何?

タリバンの資金源は何?

タリバンは長年に渡って軍事・テロ活動を行っていましたが、その資金源は一体何なのでしょうか?彼らの資金源は国民からの税金と麻薬の生産から売買まで。そして外国からの資金調達や違法な鉱物や木材の売買などが挙げられています。これらの資金源はすべてタリバン指導部の財政委員会が管理していて、そこから普段の活動費が捻出されているものと思われます。

麻薬の生産,精製及び売買と共に,湾岸諸国等外国からの資金調達,鉱物及び木材の違法発掘及び転売,住民や自動車通行者からの各種「税金」の徴収等によって資金を獲得しているとされる。
アフガニスタンはじつは麻薬の超大国

アフガニスタンはじつは麻薬の超大国

アフガニスタンはじつはヘロインやアヘンなどの原料になる「ケシ」の栽培が盛んで、その輸出量は世界一だと言われています。過去には国連からケシの栽培を禁止されたこともありましたが、その命令には一切従わず現在も栽培を続けています。また、ケシの栽培はタリバンにとって重要な収入源のひとつでもあり、彼らの財政を大きく支えています。

タリバンの収入はどれぐらいあるの?

タリバンの収入はどれぐらいあるの?

タリバンが得ている収入は非常に大きいことが分かっていて、2019年の段階で「3億~15億米ドル」だと言われています。日本円にすると最低でも約400億円以上の収入があることがわかり、これらの予算はすべて彼らの活動費に充てられています。

これだけの収入があればもはや戦争などする必要はなく、国家としていくらでも再建できると思われますが、まだまだ国内情勢は不安定です。

収入の半分以上は外国からの支援

収入の半分以上は外国からの支援

アフガニスタンは麻薬大国として知られていますが、実際に彼らの収入の半分以上は外国からの援助となっています。この援助があるからこそ彼らの財政は破綻しなかったと見られていて、今後援助が無くなるようなことがあれば、国の経済は今まで以上に不安定なものになると見られています。

収入は多くても国の経済状態は悪い

収入は多くても国の経済状態は悪い

タリバンは1年間に莫大な収入を得ているようですが、アフガニスタンの経済状態は悪いままで困窮している国民が大多数を占めています。これは得た収入を国の復興や国民に使わず、自分たちの活動ばかりに充てていることは明白で、上層部の人間に至ってはかなりの資産を保有していることも判明しています。今後、国や国民に還元されることがあるのかはわかりませんが、今のままでは国外に非難する国民は増える一方だと思われます。

タリバンの支援国はどこ?今後は支援国が減っていく?

タリバンの支援国は意外にも多かった

タリバンの支援国は意外にも多かった

タリバンはアフガニスタンで政権を握るため、長年に渡って活動を続けていますが、そんな彼らに対する支援国は意外にも多かったようです。彼らの支援国には欧米諸国や近隣の国が支援を行っていました。また、国際通貨基金(IMF)も彼らの支援国として様々な取り組みを行っていて、じつは世界中から支援を受けていたことがわかっています。

日本はどんな支援をしてたの?

日本はどんな支援をしてたの?

日本はこれまで20年以上に渡ってアフガニスタンに支援をしていたようで、なんとその20年間で支援した総額は「約7700億円」と言われています。日本政府の支援は農業の整備や道路や空港といった交通インフラの整備。さらに難民の救済やタリバンの武装解除など多岐にわたっていました。ただ、日本が支援していたのはタリバンではなく、旧アフガニスタン政府であり、タリバンが政権を握ってからの対応が注目を集めています。

日本政府の援助は、農業の整備や灌漑の建設などに始まり、幹線道路や空港の建設、整備などのインフラ建設に投入された。さらに日本のODAは、各地の難民の救済や警察官の訓練、警察機構への財政支援から、タリバンの武装解除、社会復帰、地雷の撤去などまで広範な領域に及んだ。
現在は支援を辞める国が出てきている

現在は支援を辞める国が出てきている

アフガニスタンはアメリカ軍が撤退したことで続々と支援を辞める国が出てきていて、すでに国際通貨基金(IMF)やドイツは支援の中止を公表しています。今後はこれに続く国が増えると思われますが、まだまだ支援している国は多く、各国の対応に注目が集まります。

中国とロシアはタリバンの支援や国の再建を主導することを公表している

中国とロシアはタリバンの支援や国の再建を主導することを公表している

中国とロシアは2021年8月にアフガニスタンの復興と再建を主導することで手を組み、その見返りとしてタリバン側に過激な行動を慎むことを要求しています。今後中国とロシアによってどのような後押しがあるのかはわかりませんが、経済的な支援が中心になると思われます。

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は8月25日の電話会談で、アフガン情勢の安定と再建に向け、両国が連携して主導権をとる意欲を示した。
今後日本からの支援はどうなるの?

今後日本からの支援はどうなるの?

2021年9月現在アフガニスタンはタリバンが政権を握っていますが、今後日本はどういった支援を行うのでしょうか?日本がアフガニスタンと外交していたのは旧政権のことで、タリバンに政権が移ってからはいまだ外交はできていないものと見られます。ただ、アメリカ軍がアフガニスタンから撤退したことを考えると、支援しないのではないかと思われます。

反発する国民も多い

反発する国民も多い

タリバンはこれまで過激なやり方で国民を抑えてきたため、政権を握った現在も国民からの反発は強いようです。これは彼らに対する国民の不満や不信感が露わになったもので、今後は国民の納得や信用を得ることも大切になってきます。

また、彼らは厳格なイスラム法を順守しているため、女性への差別も多く、女性たちが集まってデモを起こしたこともありました。

国際社会からの承認を得ようとしている

国際社会からの承認を得ようとしている

アフガニスタンの政権を握ったタリバンは現在国際社会からの承認を得ようとそれまで行ってきた略奪や暴力を国内で禁止しています。また、女性に対して学業や就業の権利などを与えることも公表していて、表向きは「いい子ちゃん」を装っています。ですが、長年の活動から簡単に国際社会に馴染むことは容易ではないと思われ、そういったタリバンの対応に疑念を抱く国民は多いようです。

タリバンは「大人」になったかのように振る舞っている。戦闘員に暴力や略奪を禁じて市民や国際社会の反発を招かないようにするなど、国内外から承認を得ようとしている。
国の行く末はまだまだ見通しが立たない

国の行く末はまだまだ見通しが立たない

アフガニスタンで政権を握ったタリバンですが、国の再建や復興にはまだまだ見通しが立っておらず、どのような国作りをするのかはわかっていません。支援国が続々と減っていけば国内情勢はひっ迫することが予想されますが、中国とロシアが支援を名乗り出ているため、再建の道はまだ残っています。

まとめ

ここまでタリバンの資金源や支援国などをまとめてみました。彼らは長年に渡ってアフガニスタンの政権を握るための活動をしていて、その活動費は外国からの支援や麻薬の輸出から賄っていました。

現在は支援を辞める国がいる一方で、中国とロシアが支援を名乗り出ています。今後どのようなことになるのかはわかりませんが、国民が安心・安全に暮らせる国作りを行ってもらいたいものです。

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