POSO(ポソ宗教戦争)について

POSOという単語を検索してみると、「検索してはいけない」や映像・写真・動画(YouTube)などの関連ワードが出てきます。その意味は一体どういうことなのでしょう。

POSOとは「ポソ宗教戦争」全般を示す単語で、ポソ暴動やポソ共同体紛争とも呼ばれており、インドネシアの中央スラウェシ州ポソ地区で発生した一連の暴動の名称です。

3つの紛争に分けられ、当初は若者グループの小規模な衝突から始まりましたが、やがて大規模な宗教戦争へと発展していきました。そんなPOSO宗教戦争の詳細を解説していきます。

POSO(ポソ宗教戦争)の主な要因

キリスト教徒とイスラム教徒の対立

キリスト教徒とイスラム教徒の対立

POSO宗教戦争の発端は、キリスト教徒の多いポソの先住民と、イスラム教徒に改宗したブギス人商人やジャワ島からの移住者との間の、経済的競争や政治的競争をめぐる対立など、いくつもの要因がありました。

その不安定な情勢と法執行の弱さの相乗効果が重なり、紛争に最適な環境を作り出したのです。

POSO宗教戦争は3つの段階に分けられ、第1段階は1998年12月に、第2段階は2000年4月に、そして最大規模の紛争である第3段階は2000年5月から6月にかけて起こりました。

3つの紛争に分けられ第3段階が最悪だった

3つの紛争に分けられ第3段階が最悪だった

第1と第2段階では若者グループの衝突に収まっていますが、第3段階では、死傷者が多数出るという最悪の結果になったのです。その要因は、第1と第2段階でのイスラム教側の攻撃に対し、第3段階では、これに復習しようとしたキリスト教側の攻撃が加わったことで大規模な紛争になりました。

この紛争は、イスラム教徒が多いシントゥウレンバ村のイスラム寄宿学校での虐殺で頂点に達しました。数百人が犠牲となり、そのほとんどがイスラム教徒側であったということ。

その後、2001年12月20日に、南スラウェシのマリノで、ジュスフ・カラの主導でマリノ宣言が両戦争当事者の間で署名され、徐々に紛争は収まりをみせました。

POSO(ポソ宗教戦争)の第1段階

ポソ宗教戦争の第1段階は、ポソ地区長の選挙の際のデモが始まりで、1998年12月13日から12月27日までと比較的短期間で終息。その経過を解説していきます。

ポソ地区摂政選挙が発端

ポソ地区摂政選挙が発端

第1段階は短期間で、ポソ市内の数地区に限定され、他の地域から特定のグループを乗せたトラックの隊列が戦闘に加わりました。紛争の指導者は1998年12月13日に、第10代ポソ摂政のアリーフ・パタンガが、次の再選を目指さないと発表した直後に始まり、多くの野心的な候補者に門戸が開かれたことを指摘しています。

プロテスタントの青年がイスラム教徒の若者を刺傷させる

プロテスタントの青年がイスラム教徒の若者を刺傷させる

奇しくもこの時期は、新秩序崩壊後にインドネシア全土で発生した一連の暴力と抗議デモの勃発とも重なりました。

1998年12月24日のクリスマス・イブ、ロンボジアのプロテスタントが多数を占める地区の青年ロイ・ルントゥ・ビサレンバが、カヤマニャ地区のイスラム教徒であるアフマド・リドワンを刺傷させました。

アルコール問題が原因

アルコール問題が原因

その後、あちこちでイスラム教徒の若者がキリスト教徒の若者に危害を加えられたと報告。

双方の宗教指導者が会合を開き、アルコールが問題の原因であるとし、ラマダン期間中はアルコールを禁止することで合意しています。

アルコール禁止令が施行されると、ポソ警察は何千本もの酒を没収して処分し始めます。それに反発したキリスト教徒の若者たちが、中国系キリスト教徒の酒屋を守ろうとしているところに、イスラム教徒の若者たちが出くわし、両派の衝突が勃発。

12月27日、ポソDPRDのメンバーであるハーマン・パリモに率いられた、テンテナからトラックに乗った武装キリスト教徒の一団が到着。一方、首都パル、パリギ、アンパナからは、少なくとも9台のイスラム教徒のトラックが到着し、衝突が激化しました。

その後、キリスト教徒の車列のリーダーが逮捕され、1999年2月、摂政の弟アグファル・パタンガを暴力扇動容疑で逮捕。1999年6月には、アリーフを摂政から解任しました。

POSO(ポソ宗教戦争)の第2段階

POSO(ポソ宗教戦争)の第2段階は、第1段階からおよそ1年4か月後の2000年4月から5月までの1か月間に起こりました。

一連の政治的・法的な事件が発端となっています。

2004年4月に暴動が始まる

2004年4月に暴動が始まる

暴力扇動容疑で逮捕された、摂政の弟アグファル・パタンガの弟の裁判が始まると、他の実業家の資金不正使用の証拠隠滅のため、全ての記録が燃やされてしまったことから、裁判は中断されます。

パダンガ裁判は再開されましたが、地方長官の人選でDPRD地方議員がさらなる暴動が起こると予測。

2000年4月に、イスラム教徒の若者がキリスト教徒の若者グループに襲われたと主張し、その後イスラム教徒が報復して広範な暴力へとエスカレートしていきます。

イスラム教徒の応戦

イスラム教徒の応戦

バスターミナル付近やロンボギアのポソ・キリスト教徒所有の家屋が焼き払われ、パルから機動旅団(BRIMOB)部隊を投入することになります。4月17日、BRIMOB隊員は群衆に発砲し、イスラム教徒を負傷させることに。

それに応戦するように、イスラム教徒がロンボギアを襲撃し、家屋、教会、学校を焼きはらってしまいます。

第2段階沈静化

第2段階沈静化

イスラム教徒の一団は、アグファル・パタンガに対する裁判を終結させること、警察署長を解任すること、BRIMOB部隊をパルに送り返すことを要求。

BRIMOBは帰国させられましたが、イスラム教徒と見られる身元不明の遺体が発見され、紛争は増々激化することに。

キリスト教徒は赤、イスラム教徒は白

キリスト教徒は赤、イスラム教徒は白

南スラウェシのマカッサルにいたパンダム・ウィラブアナ少将スラメット・キルビアントロは、最終的に600人の兵士を派遣し、戦闘は沈静化しました。

警察は2000年5月3日に第2段階が終わったと発表しています。第2段階の間、双方は自分たちを区別するために色のついたヘッドバンドや腕章を使い始めました。キリスト教徒の戦闘員は赤軍または赤グループ、イスラム教徒の戦闘員は白軍または白グループと呼ばれています。

POSO(ポソ宗教戦争)の本格化第3段階へ

POSO(ポソ宗教戦争)の第3段階は、第2段階の足跡が生々しく残っている3週間後の2000年5月から6月にかけて起こりました。

被害者は一般住民や他の部族や民族にも及び、「検索してはいけない」動画や写真が世の中に流出したのもこの戦争で撮られたものがほとんどです。

最も悪名高い暴動!

最も悪名高い暴動!

この時期は、キリスト教赤色集団によるイスラム教徒に対する報復攻撃の波が主流で、白人イスラム集団との直接的な衝突のほかに、一般市民を巻き込んだ誘拐や殺害もありました。

発端は、キリスト教の赤色集団によるイスラム教徒の2人の殺害です。犯人は教会の裏山に逃げ込みますが、イスラム教徒集団が教会を取り囲み、教会は放火され、町中で戦闘が勃発したのです。

ワリソンゴ寄宿学校虐殺事件

ワリソンゴ寄宿学校虐殺事件

5月28日、同地区のいくつかの村でイスラム教徒に対する広範な攻撃が発生。最も悪名高い事件の1つでは、キリスト教徒のグループが、ペサントレン・ワリソンゴのワリソンゴ寄宿学校で、イスラム教徒が降伏したにもかかわらず、銃やナタで殺害。

逃げ延びた人々は捕らえられ、後に処刑され、遺体はポソ川に投げ込まれました。後に39人の遺体が3つの集団墓地から発見されましたが、イスラムの情報筋はこの攻撃による死者は合計191人と推定しています。

POSO(ポソ宗教戦争)の現在

POSO宗教戦争は、2001年12月にインドネシア政府の介入でムスリムとイスラム教徒の間で和平合意「マリノ合意」が結ばれ、ひとまず沈静化しました。

しかし、その後も、2002年にバス襲撃事件、2003年に13人キリスト教徒殺害事件、2004年にバス爆破事件、2005年にキリスト教徒少女の斬首事件、2005年にテンテナで爆破事件など、イスラム教徒とキリスト教徒の衝突は続いていました。

犠牲者

犠牲者

POSO宗教戦争の犠牲者は、確実な人数がつかめていないようです。

最近の攻撃や差し迫った虐殺の噂に関する偏ったニュース報道や、反発感によって情報は錯綜し煽られました。また、広大な地形と長期にわたる紛争に加え、メディアによる明確な報道や政府による調査が不完全なため、真の犠牲者の数を把握することが困難になっているようです。

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