9.11同時多発テロ事件の4か所でのテロ攻撃

9.11同時多発テロ事件というと、ワールドトレードセンターのツインタワーに旅客機が激突した事件が印象深いのですが、他にもアメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)やペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のシャンクスヴィルに墜落した事件も含まれています。

総激突数4か所のこの事件では、死者2,996人、負傷者が6,300人以上にのぼり、史上最大のテロ事件として世界中に激震が走り、アフガニスタン紛争やイラク戦争にまで繋がっています。

そんな4か所のテロ攻撃の詳細を紹介していきます。

1回目のテロ:アメリカン航空11便

2001年9月11日午前8時46分

2001年9月11日午前8時46分

ボストン発ロサンゼルス行きアメリカン航空11便(ボーイング767型機)は、日本人1名を含む乗客81名、乗員11名が乗っており、ローガン国際空港からロサンゼルス国際空港に向かっていました。

機内では8時14分頃にハイジャックが起こり、コックピットを乗っ取られました。その後8時27分に進路を南に変え、8時46分にワールドトレードセンターのツインタワー北棟に激突させ、爆発炎上しました。

機体の残骸は殆ど原形を留めておらず、事故ではなく破壊目的での激突だったことがうかがえます。

2回目のテロ:ユナイテッド航空175便

2001年9月11日午前8時58分

2001年9月11日午前8時58分

ボストン発ロサンゼルス行きユナイテッド航空175便(ボーイング767型機)は、乗客56名と乗員9名が乗っていました。ローガン国際空港からロサンゼルス国際空港に向かって、アメリカン航空11便とほぼ同時刻に出発しています。

8時42分にパイロットは、先に激突したアメリカン航空11便の不審な無線を傍受し管制塔に報告していましたが、その直後に175便もハイジャックされ、コックピットを乗っ取られています。

その後175便は、8時58分にニューヨークへと進路を変え、9時03分にワールドトレードセンター南棟へ激突し爆破炎上しました。

先に激突された北棟の爆破により、多くの人達が避難を開始していたため、南棟での人的被害は北棟に比べて少なかったものの、衝突のダメージにより北棟よりも早く崩壊しています。

2回目のテロ行為ということで、北棟の激突映像が少なかったのに比べて、南棟の映像や写真は多く残されています。

2001年 同時多発テロ事件 - YouTube

出典:YouTube

3回目のテロ:アメリカン航空77便

2001年9月11日午前9時38分

2001年9月11日午前9時38分

ワシントンD.C.(ダレス国際空港)発、ロサンゼルス国際空港着のアメリカン航空77便(ボーイング757型機)は、乗客58名と乗員6名を乗せて、午前8時20分に出発しました。

午前8時50分頃にハイジャックされてコックピットを乗っ取られ、直後に進路を北方向に変更。その後南方向へ転向すると東へ進路を変え、通信不能となりました。

そのまま午前9時38分にバージニア州のアーリントンにあるアメリカ国防総省(ペンタゴン)に激突し炎上しました。激突した瞬間をペンタゴンの監視カメラが捉えており、付近を通った多くの通行者によって目撃されていたということ。

機体はほぼ水平に滑走しながら激突しており、高速でペンタゴンに向かって衝突・炎上しているため、機体の残骸はほぼ原形を留めていなかった状態でした。

ペンタゴンの立地条件から、衝突した部分とその周りは壊滅状態でしたが、他の部分の被害は大事には至らなかったようです。

4回目のテロ:ユナイテッド航空93便

2001年9月11日午前10時03分

2001年9月11日午前10時03分

ニューアーク空港発、サンフランシスコ国際空港着のユナイテッド航空93便(ボーイング757型機)は、午前8時42分に乗客37名(日本人1名を含む)・乗員7名を乗せて滑走路の混雑で予定時刻より30分遅れて出発しました。

奇しくもその4分後に、アメリカン航空11便がワールドトレードセンターのツインタワー北棟に激突していたのです。

その後9時27分に機内乗客からの通報で、ハイジャックされコックピットが乗っ取られたことが通報されました。機はオハイオ州クリーブランド付近の上空で進路を南に変え、更に南東に向かいます。

ハイジャック犯は機がワシントンD.C.に向かうことを通告しました。そのため標的は、アメリカ合衆国議会議事堂かホワイトハウスだと推測。

機内では乗客達が、機内電話や携帯電話による外部との連絡で、犯人は自爆テロを目的としたハイジャックであると認識し、機を奪還するため行動を起こします。

しかし、努力も空しく午前10時03分、時速907キロの速度でペンシルベニア州ピッツバーグ郊外シャンクスヴィルに墜落しました。その直前にワールドトレードセンター・ツインタワーの南棟が崩壊しています。

落下した速度が高速だったため、機体頭部は落下した地点で地面に突っ込んだ状態で発見され、その後処理された時は機体の残骸は殆ど原形を留めていなかったようです。

乗客達は機を奪還するためにハイジャック犯に反撃しましたが、その際「Let's Roll.(さあやろうぜ)」の合図で行動したということ。この合図である「Let's Roll.」は、その後のアフガニスタンへの報復作戦でのスローガンとなっています。

調査委員会では乗客はコックピットに侵入できなかったという結論でしたが、遺族によるとCVR音声に乗客がコックピットに侵入したとされる証拠が記録されていると主張。

因みにユナイテッド93の機内での乗客と乗員の行動を描いた映画『ユナイテッド93』が2006年に、ポール・グリーングラス監督によって制作・公開されました。

9.11テロ ユナイテッド航空93便の飛行記録の謎 - YouTube

出典:YouTube

9.11同時多発テロ事件の原因と犯人はイスラム過激派アルカイダ

9.11同時多発テロは、イスラム過激派のアルカイダであることは周知の事実とされていますが、このような甚大なテロを起こした原因や首謀者や実行者はどのような人物なのでしょう。ここでは9.11同時多発テロの原因と犯人を辿っていきます。

9.11同時多発テロの原因となったのは湾岸戦争

ウサーマ・ビン・ラーディンの偏ったイスラム教の解釈

ウサーマ・ビン・ラーディンの偏ったイスラム教の解釈

イラン・イラク戦争によって、1990年8月2日にサダム・フセイン率いるイラク軍がクウェートに侵攻し、サウジアラビアとの国境に到達。その際ウサーマ・ビン・ラーディンは元サウジアラビアのファハド国王に、異教徒のアメリカ軍を駐留させる代わりに、自身の軍によってサウジアラビアを防衛する計画を提案。

しかし国王はその提案を拒絶し、アメリカ軍によるサウジアラビア駐留を決定しました。その後同年8月7日にアメリカ軍がサウジアラビアへの駐留を開始。

非イスラム教徒がアラビア半島に常駐することを禁じられていると解釈していたビン・ラーディンは、この事実に激怒したと言います。更に駐留を許したサウジアラビア王家を背教者として糾弾し、そのことが湾岸戦争の引き金になりました。

その後ウサーマ・ビン・ラーディンは、反米感情を加速させていったのです。そのことが9.11同時多発テロを起こす原因となったと思われます。

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