切り裂きジャック事件の概要

売春婦たちを恐怖に陥れたシリアルキラー

売春婦たちを恐怖に陥れたシリアルキラー

切り裂きジャック事件は、1888年8月31日から11月9日までの約2か月間のうちに、イギリスロンドンのイーストエンド・オブ・ロンドン、ホワイトチャペル周辺で起きた連続殺人事件です。

犠牲者は少なくとも5人の女性で、喉を切り裂かれて殺されており、その後卵巣など女性器を切り取り持ち帰っているようでした。

しかし実際に被害に遭った女性は11人に登っており、犯行は1888年4月3日から始まっていて1891年2月13日まで続いていたようです。この事件は「ホワイトチャペル殺人事件」と呼ばれ、犯人は声明文を出していた「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」と同一人物の犯行と見られていたようです。

切り裂きジャックの殺害方法

切り裂きジャックの殺害方法

こちらは切り裂きジャックがロンドンのイーストエンドの殺人事件で使用したとされるナイフということです。

切り裂きジャックの犠牲者の殆どは売春婦で、公共の場所を犯行現場に選んでいました。前述のように被害者の女性たちは、鋭利な刃物で喉を切られ、殺害した後に特定の部位(子宮や卵巣、膀胱など)を切り取られていました。

切り裂きジャックの犯人像

切り裂きジャックの犯人像

殺人の方法から、切り裂きジャックの犯人像は解剖学的な知識があるものとされて、医師などが有力視されていましたが、現代になると肉を捌くことが出来る肉屋という説も出てきました。

しかし、事件が起きる中売春婦たちには警戒心がなく、犯人を自ら迎え入れた形跡があることから、犯人は女性ではないかという見解も浮かび上がってきたようです。

「切り裂きジャック」の被害者は5人

被害者について

被害者について

切り裂きジャックの被害者は当時5人とされていましたが、2か月間の間に起きた5人の殺害と相前後して起こっている売春婦の殺害事件「ホワイトチャペル殺人事件」を含めている説もあります。

ここでは2つの事件を分けて紹介していきます。

メアリー・アン・ニコルズ(42歳)

メアリー・アン・ニコルズ(42歳)

メアリー・アン・ニコルズさんは1864年1月16日に結婚、5人の子供を儲けていましたが、後に離婚して売春婦として生計を立てていたようです。事件当時のメアリー・アン・ニコルズさんはアルコール依存症だったとのこと。

1888年8月31日の午前2時30分ごろに同居していたエミリー・ホランドさんが、オズボーン・ストリートとホワイトチャペル・ロードの曲がり角で目撃したのが最後となり、その1時間後に死体で発見されました。

遺体の状況は、喉を切り裂かれて殺害された後、下腹部に激しい切り傷があったとされています。更に傷は左から右へ付けられており、左利きの人物であると裏付けられました。

アニー・チャップマン(47歳)

アニー・チャップマン(47歳)

アニー・チャップマンさんもクローシェ編みの仕事や椅子の背覆い作り、花売りなどで生計を立てていましたが、費用が足りない時は売春婦として食い繋いで生活していました。

1888年9月8日午前1時45分頃、売春をしようとして外出したということ。午前5時30分頃にスピタルフィールズのハンベリー・ストリートで男性と会話している姿を目撃されたのが最後でした。

目撃したリザベス・ロング夫人の証言によると、男性は40歳過ぎていて背が少し高く黒い髭を生やしており、鹿撃ち帽と黒色の外套を身に付けていたそうです。

死体の状態は、顔面が酷く腫れ上がっていて喉には深い切り傷があり、下腹部が切られて腸が取り出されており、子宮の一部がなくなっていたということでした。

エリザベス・ストライド(44歳)

エリザベス・ストライド(44歳)

エリザベス・ストライドさんは結婚していましたが子供はいなかったということ。結婚前から売春婦をしていたようです。

1888年9月29日の午後11時頃、バーナー・ストリート付近で、背が低く黒い口髭を生やし、モーニングと山高帽を身に付けた男性と一緒にいるところを目撃されていました。そして、9月30日午前1時に遺体が発見されました。

死体の状況は、喉を深く切られています。その後腹部を切開しようとした時に露天商がやってきたので中断し、遺体を置いたまま逃走しています。

キャサリン・エドウズ(43歳)

キャサリン・エドウズ(43歳)

キャサリン・エドウズもアルコール依存症だったようです。一度結婚していますが、飲酒癖により夫と子供二人を置いて家を出ています。売春をしながら生計を立てていました。

1888年9月29日午後8時30分にキャサリン・エドウズさんは酒に酔って道路で寝ているところを、警察に留置されています。その後酔いが覚めたのを見計らって9月30日午前1時に留置場を出されました。

午前1時45分に遺体が発見されています。これが切り裂きジャックの犯行であれば、エリザベス・ストライドさんを殺害してから殆ど間を開けずにキャサリン・エドウズさんの犯行を実行していることになります。

恐らくエリザベス・ストライドさん殺害時に犯行を目撃され、途中で止めていることから不完全燃焼となり、間をあけずに犯行に及んだものと見られています。

死因は頸動脈切断による失血死で、他の犠牲者と同じく喉を切られたものでした。その後左側の腹部を切られ、腎臓が取り出されていました。

メアリー・ジェーン・ケリー(25歳)

メアリー・ジェーン・ケリー(25歳)

メアリー・ジェーン・ケリーさんについての詳しい情報はないようですが、結婚して夫と死に別れてから売春婦となったと伝えられています。目の色が青く、身長が170センチほどありとても美しい女性だったということです。

1888年11月9日午前10時45分頃、遅れている家賃の取り立てにメアリー・ジェーン・ケリーさんの部屋を訪れた、退役兵士のトーマス・ボーヤーさんによってベッドで亡くなっているケリーさんの遺体が発見されました。

その状況は凄惨を極めるものだったということです。死体はバラバラに切断され、置かれている位置も不特定で、顔は判別できないほど切り刻まれていて、内臓は部屋のあらゆる場所に転々と置いてあったと言います。

他の4人とは明らかに違った殺され方をしていたケリーさんでした。

ホワイトチャペル事件も切り裂きジャックの犯行か?

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